見出し画像

彼女はきっと原石なんだ

4月30日から2泊3日で、三重県へ旅行に行った。初日は伊勢市にある、おかげ横丁を散策。赤福の本店があることで有名、と言えば分かる人は多いだろう。

私の両親は食べ歩き、私と娘はお土産屋めぐりがメインだ。

おかげ犬グッズを扱う店や、くみひも専門店、キャンドルのお店など、個性豊かなショップがずらりと並ぶ。

ひととおり気になる店をチェックしたあとで、娘が買い物したいと言ったのは、鉱石や盛り塩を取り扱うお店だった。

彼女が手に取ったのは、アメジストの原石。つるつるに磨かれたものよりも、ごつごつしている方が好みらしい。

娘は自分の財布とアメジストを持って、ひとりでレジに向かう。そのとき、お店の人は奥で作業しており、娘に気づいていなかった。

どうするかなあ

今までなら、店員さんが来てくれるまでジッと待つか、私を呼びに来るかの2択だった。

でも、今日は違う。

お願いします

レジの奥に向かって、はっきり娘がそう言った。

***

そういえば。

旅行の前「ひとはこ本棚」のオーナーの申し込みに一緒に行ったときも、代表の方に自分から「○○は工作が好き」と話していたっけ。

その日の夜、布団に入ってしゃべっているとき「初めての場所で緊張しなかった?」と、娘に聞いてみた。すると「もう慣れた!」と力強くこたえてくれた。

***

学校に行かなくても、親が思っている以上に学べる場所はたくさんある。同年代の友だちじゃなくても、人と関わることはできる。

親の私にできるのは、外の世界と娘をつなぐことだ。いろいろな場所や人の存在を知ってもらって、どうするかは子どもに委ねる。

大丈夫、これでいい。

***

スマホでnoteを書きながら、ふと目の前にあるテーブルの上を見た。

そこには、高級感のある黒い箱に入った、娘のアメジストが置かれている。

磨かれていない、ぼこぼこした断面が日の光に照らされて、控えめに輝いて見えた。


▼毎日投稿チャレンジ中!昨日のnoteはこちら。

▼娘の不登校について、親である私が思うことを素直に綴ったエッセイです。

この記事が参加している募集

最近の学び

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?