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三浦春馬さんのお芝居について考える

三浦春馬さんのお芝居全般について、思うままに考えてみたいと思います。現時点で、私が観た春馬さんのお芝居は

・貧乏男子の白石くん

・サムライ・ハイスクールの望月小太郎

・君に届けの風早くん

・ブラッディ・マンディのファルコン

・ラスト・シンデレラのヒロト

・僕のいた時間の拓人

・地獄のオルフェウスのヴァル

・キンキー・ブーツのローラ

・わたしを離さないでのトモ

等、色々ありますが、思い起こしてみると彼は「オーラ全開」にすることもできたし、「オーラをすっかり消す」こともできたんじゃないかと最近考えています。だって、ローラとトモの中の人が同一人物とはとても思えないから。もとい、上記すべて別人にしか思えません。特にラスト・シンデレラのヒロトくんと僕のいた時間の拓人が時系列で近いという驚き。

「わたしを離さないで」はノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんの作品ですが、原作を読んだ時あまりの重さに、これはどうやって映像化するのだろう…どうやっても救いのある話になりようがないけど。と思った作品です。

案の定、観るのに大変エネルギーが要る作品でしたが、キャストの皆さんの演技で何とか少し救われる気持ちになれた作品に仕上がっていたように思います。特に綾瀬はるかさんと三浦春馬さんはお見事でした。

それにしても、あのトモの役は…彼にしか出来ないですね。また観るには今は辛すぎるので、時期をみて見直してみたいと思います。

先日、「キネマ旬報」9月上旬号の「追悼 三浦春馬」記事を見返していたら、以下のような記述(文:相田冬二さん)がありました

美青年だが、甘さが香り立つというよりは、雄の野生が解き放たれるというよりは、女性を女性として咲かせる、一途で敬虔なありようこそが、三浦春馬的たたずまいではなかっただろうか。

それは狙いやアプローチや自己演出ではなく、まっさらな人間としての当たり前の姿勢だったのだと思う。相手に、そのように在ってほしいという素朴な想いが、画面には滲んでいた。

彼が女優さんと対峙するとき、一種独特の、彼にしかない特有の空気感が流れると感じていました。それは、「君に届け」や「ラスト・シンデレラ」のような分かりやすいイケメンを演じるお話のなかだけではありません。「わたしを離さないで」のような救いのない話の中でさえもそうでした。なるほど、あれはそういうことだったんだなと、ストンと腑に落ちるお話でした。彼と共演した女優さんが、すべからくとても魅力的に見えるのは、彼自身がどんな女性も、すべての女性に対してリスペクトをもっていたからなのだ、と。


こんな俳優さんには、心当たりがないです。

30代、40代、50代と年齢を重ねていったら、いったいどんな風になっていったのでしょうか。








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