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【詩】百日紅

しだるる枝の先に咲く

ピンク色の花

名前が思い出せず

暫くゆらゆらする花を

眺める


そう言えばこの花は

祖父が大事にしていた

庭の花壇の横で咲いていた


庭にはメダカが泳ぐ小さな池があり

あらゆる木花が目を楽しませる

季節はその庭で感じた


一日に何回か池の前に行き

メダカに餌をやる


祖父の一日は時間がゆっくり流れ

その流れが祖父を作っていた


穏やかな性格は誰かを

責めるわけでもなく

怒るでもなく

悪い話は聞こえないみたいに

怒りを寄せ付けなかった


背筋をピンと伸ばして

正座をするのは祖父のいつもの姿


この季節になるとピンクの花を見て

もうこんな時期かと愛でるように

木に近づく


そういえばその時にこの花の名前を

祖父から教えてもらった


幹を触るとつるつるとしていた

そう 百日紅さるすべり


幹がつるつるで猿でも登れず

落ちてしまうから百日紅さるすべり

祖父が小さい私に教えてくれた



おじいちゃん

この季節がやってきたよ


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