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【詩】見える

三人で歩いていて

私だけが足を止める

大きく息を吸ってそのまま飲み込む


後の二人がどうしたのと

振り返り私を見る


訴えたいのは強い想い

泣いていて欲しくない

心から愛しているのに

抱きしめられない

想いが空中に浮く


手を伸ばすとひんやりと冷たい

伝えたいのは苦しい気持ちじゃない


立ち止まって目を瞑る


肌を通して触れる意識は

痛くもない苦しくもない

一人にならないで

涙に暮れないで

心配はいらない


人が見えるものなどあてにならない

自分が見えるものと

他の誰かが見えるものが同じとは限らない

自分が見えるものが正しいと思うこと

尺度はあまりに心もとない


ポロシャツを着た青年は

半透明で私だけが見えている

他の人に見えないなら声を大にして

言うことはない


友達の一人の顔を見て

痛くないって心配はいらないって

笑って欲しいって

それだけ


青年は友達の手を握り目を閉じる


友達はとめどなく涙を流す


見えなくても


伝わるもの


















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