【詩】叶う

見えない

触れない

ただ思う

意味などないと

手にすることが出来ない

夢見心地なことと

母はこのごろ咳をして

立ち仕事よりも

椅子に座ることが多くなった

背中をさすって

飲み物をそっと出す

元気になってねと祈りながら

小さいことでからかわれ

いじめが始まる

学校にいきたくないなら

行かなくていい

娘の手を握り

それさえも糧にできますように

心が癒されますようにと祈ながら

どうなるかわからない

病院のベッドに横になる父

点滴を打ちながら

じっと窓の外を見る

父の病気が回復しますように

一緒に窓の外を見ながら祈る

友達が大切にしていたバイクが

盗まれ行方不明

友達はすっかり肩を落として

何を聞いても上の空

友達が大事にしていた

バイクが見つかりますようにと

祈る

小さいこと大きいこと

わたしたちは祈る

無理だと思わず

叶うと思いながら祈る

物事は簡単にはいかない

目の前の現実が願うものではなくとも

祈る

わたちたちは

誰かの幸せのために祈る

自分のために祈る

叶うと信じて