【詩】ペイン

普通に普通の普通が大好きな

普通な　普通な

懐中電灯で照らすアスファルト

濡れた靴が足跡を後ろに残す

スマホから聞こえる

離れたくないの叫び

あっちもこっちも手つかずのまま

どれから手を付けていいか

わからない

助けるための手がいくつも必要なら

いくらでも手をください

あの娘もあいつも面倒な山も

ひとつひとつ片付けたつもりでも

似たようなことが燻って火になる

なんでそんなこと

普通の人の普通の日常

悩みを聞いてるとレベル１で

この人に話す意味を見いだせない

普通の中の悩みは薄い紙のよう

僕たちの悩みは無限大で終わりがない

カルマを断ち切ればきっと

解決する

それほどのこと

悩み深き実を持つ人

救おうとすれば体さえ持っていかれる

普通を当然だと育ってきた夕日

味わった苦みを越えて来た月明り

普通でもなんでもいい

痛みを理解できる者でありたい