バカだから楽しみすぎてしまう
バカは失敗から学ばないという言葉がある。
じゃあ、向暑はるはバカだ。
今年ももうすぐやってくる長期休暇に心を躍らせ始めている。
去年もそうだったし、その前もその前の前の年もそんな感じだった。
そうしてその休暇が過ぎた後に、五月病がやってくるのも毎度のことである。
次の年は楽しみ過ぎないようにと誓うものだけど、一年も経てば何も学んでいない自分が次々と計画を立てていく。
ほら、バカだ。
いつの間にか新幹線の切符を買って、帰省の準備をしていた。
おばあちゃんに帰ると電話した。
友人に飲みに行こうと誘った。
あの人に遊ぼうと伝えた。
気がつけば全ての予定が埋まっていた。
まるで初めて東京に行く小学生である。
それでも大人になった向暑はるは、田舎に行くことの方がワクワクするみたいだ。
計画を立てている時間は、想像と妄想の世界に潜り込める。
その中には日常のストレスは持ち込めないことになっている。
想像の世界の入り口は、セキュリティが厳しいのだ。
その代わり、当日は都会の雑踏と息苦しさからくるありとあらゆるストレスを全て、バックに詰め込むつもりだ。
持ち帰ってくるお土産は今年も五月病だけと決めている。
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