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制作日記

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創作の制作過程を赤裸々に書いちゃうよ。
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2024年2月の記事一覧

人魚と零れた星の夜(最後まで突き抜けるぞー)

人魚と零れた星の夜(最後まで突き抜けるぞー)

泳いで泳いで、泳ぎ尽くしたお陰で、サメはいつの間にか、見えなりました。けれど、そんなことにはお構いなしで人魚は泳ぎ続けたので、しまいには動けなくなって、岩場の上に倒れ込んでしまいました。
そうやって、どれくらいじっとしていたでしょうか。ようやく人魚は目を覚ましました
「ここは一体どこなのかしろ」
疲れて重くなった身体を抱きしめながら、人魚は不安そうにあたりを見回しました。辺りにはなんの生き物も見当

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人魚と零れた星の夜(継続こそ力なり)

「此処に住んだら、きっと、もっと幸せに違いないわ。そうだ。ここをわたしの住処にしよう」
思い立った人魚が目を開けると、さっきまで楽しそうに泳いでいた色とりどりの魚たちが、一匹残らずいなくなっていました。かわりに、遠くのほうから、すごい勢いでなにかがやってきます。大きく細長い体、鋭い目つき、ギザギザの歯をしたサメだと分かった時には、もう目の前までやってきて、大きな口を開けて人魚もろとも飲み込もうとし

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人魚と零れた星の夜(いつか死ななきゃいけないわたしのために)

人魚と零れた星の夜(いつか死ななきゃいけないわたしのために)

「ここはなんて素敵な所なの」
人魚は誘われるように泳ぎだし、初めはゆっくりと、それから、だんだんと、やがては、くるくる踊るように回遊をはじめました。
「ああなんて楽しいの!なんて嬉しいの!なんて幸せなの!」
人魚はとってもいい気持ちになって、横に縦に、縦横無尽に泳ぎ回りました。ずっとここにいられたらどんなに幸せだろうと、人魚は思いました。人魚の胸元では、星が目を回しながらきらきらきらきら光っていま

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人魚と零れた星の夜(今日は昼にかけたぞ)

人魚と零れた星の夜(今日は昼にかけたぞ)

人魚の胸には、初め、たくさんの期待と、ひとかけらの心細さがありました。けれど、そう思ったのは、ほんのわずかな間だけでした。海の上へ泳いでゆくと、目に映る薄暗さはどんどん明るく、肌に触れる冷たさはどんどん温かく、海草は豊かに揺らめき、珊瑚は鮮やかに花開き、魚は大小さまざま、色とりどりに踊り泳いでいるのです。銀色や金色、赤や黄、緑や青、黒や白の色だったり、細長かったり平べったかったり、感触も固かったり

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人魚と零れた星の夜(再開じゃ~)

人魚と零れた星の夜(再開じゃ~)

人魚は口を大きく震わせてから、はっとして、群れのほうを振り返りました。幸い、誰も起きた様子はありません。人魚はほっとして、薔薇色に高鳴る胸を抑えながら、星へ小さく語りかけました。
「星が落ちてきた場所から、真っ直ぐ上へ泳いでいけば、きっと空にたどり着くはず。こんな小さな星がやってこれたのだもの。わたしだって空まで泳ぐことができるに違いないわ」
人魚の提案に、星は無邪気に光っています。
「ね、そうで

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人魚と零れた星の夜(まずはUP~)

人魚と零れた星の夜(まずはUP~)

人魚が尋ねると、光の粒は、嬉しそうに輝きました。
「そう。あなたは星なのね」
人魚も嬉しそうに微笑みました。
「とっても小さいから、きっと生まれたばかりの星なのね。ねえ、星はどうして落ちてきたの?」
人魚は、昔、群れとはぐれそうになったことを思い出しました。
「空からはぐれてしまったの?」
星は、きょとんとした様子で輝きました。きっとまだ、自分がどこにいるのかも、わかっていないのかもしれません。け

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人魚と零れた星の夜(迷いながらも投稿中)

人魚と零れた星の夜(迷いながらも投稿中)

海の上には陸という土地があり、空という空間があり、水のない世界があるということを。おまけに、昼の空と夜の空は全然違っていて、昼は太陽という強い光が輝いて明るくて、夜は真っ暗になってしまうけれど、月という静かな光と、星という小さな光がたくさん浮かんで辺りを照らすというのです。人魚は産まれてからずっと、海の底を出たことがありませんでしたから、そのときは、とても信じられませんでした。けれど、信じられなか

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人魚と零れた星の夜(またおそくなっちゃったよ)

人魚と零れた星の夜(またおそくなっちゃったよ)

「あれは何かしら」
思わず起き上り、人魚がじっとみつめていると、光の粒がゆっくりゆっくり、人魚のほうへ降りてきました。そして、人魚が差し出した両の掌に、そっと、落ちました。
「なんて小さくて、なんて明るくて、なんてキレイなのかしら」
人魚は、眩しそうに、けれど、まじまじと、手の上を眺めました。こんなにちっぽけで、美しくて、魅力的なものを、人魚は見たことがありませんでした。
「あなたは誰なの?」

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人魚と零れた星の夜(2日目続いたぞ)

人魚と零れた星の夜(2日目続いたぞ)

海の底は、もうすっかり夜でした。
海草や水草、珊瑚の植物たちは、静かに身を潜め、魚や貝の生き物たちは、思い思いに寝息を立てています。大きな岩場の陰の中には、人魚の群れも眠っています。海上では珍しい人魚も、海の底では当たり前のように泳いでいるのです。みな、麗しい睫毛を伏せて、柔らかな眠りに身をゆだねていましたが、年若い人魚だけは、宝石のような瞳を開けて起きていました。
人魚は夜の海が好きでした。一人

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人魚と零れた星の夜(やるやる詐欺を返上)

人魚と零れた星の夜(やるやる詐欺を返上)

それは、一夜のできごとでした。
橙色の夕日を見送った西の海の上では、空が夜の支度を始めていました。夜の色素が空全体に染み渡り、薄墨から漆黒へ、ゆっくり夜が増してゆきます。夜が増して、闇が深くなるごとに、ひとつ、またひとつと、星たちは瞬き、たったひとつの月は空の中心へ真っ直ぐ向かっておりました。そうして、半分くらい、夜が出来上がった頃でしょうか。ひとつの星が、ぽちゃんと、海に落ちました。一番小さくて

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わしはそもそもなんで書きたいのと問いかけたら分かったよ。

こんにちは。晴季です。

昨日は、ずっとやらなきゃと思っていた確定申に手を付けて
今日は5キロほどこまくんと買い物がてら歩いて、
やった自分できるじゃん!とテンション上がっております。

そんな中で、ずっと停滞していた童話制作にも、

大きな変化がありました。

ずっと、ラストをどうするかが思い浮かばなくて、

童話の書き方の検索をしたり、
(そしたら自費出版の記事がでてきた)

そもそも自分はな

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