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人魚と零れた星の夜(再開じゃ~)

人魚は口を大きく震わせてから、はっとして、群れのほうを振り返りました。幸い、誰も起きた様子はありません。人魚はほっとして、薔薇色に高鳴る胸を抑えながら、星へ小さく語りかけました。
「星が落ちてきた場所から、真っ直ぐ上へ泳いでいけば、きっと空にたどり着くはず。こんな小さな星がやってこれたのだもの。わたしだって空まで泳ぐことができるに違いないわ」
人魚の提案に、星は無邪気に光っています。
「ね、そうでしょ。そうすれば、星は空へ帰れるし、わたしは空を見ることができる」
人魚は、嬉しそうに笑うと、ささっと水草を輪にして星を通し、自分の白い首へぶら下げました。
「こうすれば、はぐれずに済むわ。さあ、行きましょう」
人魚はそっと群れを抜け出すと、首元に星をつれて、海の上へ泳ぎ出しました。



こんばんは。晴季です。
久しぶりの投稿。
書けない日があってもいい。
断続的だろうと続けて最後までたどり着けばいいんじゃ。

では、おやすみなさい。

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