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イタリアのレッジョ・チルドレン訪問

イタリアのレッジョ・エミリア市にあるレッジョチルドレンという幼稚園は、世界的に有名で日本からも多くの研修者を受け容れている。

近年、世界最高水準の教育実践として注目を集めているレッジョ・アプローチの起源は、第二次世界大戦直後の北イタリア、レッジョ・エミリアで、村の人々が戦車や軍用トラックを売り払い、手づくりで始めた「自分たちの学校」でした。
そこに、ローリス・マラグッツイ(1920-1994)という素晴らしい教育者が加わり、独自の方向性とインスピレーションを与え開花していきました。

最大の特徴は、アートの創造的経験によって子どもの可能性を最大限に引き出しているところにあります。子どもたちの「驚き」を受け止め、大切に育て、そこから新しいプロジェクトを生み出していきます。子どもたちを予定された結論に導くのではなく、教育者も常に新しい発見を求められます。つまり、子どもと教育者がともに冒険旅行をするのです。(ワタリウム美術館「驚くべき学びの世界展:北イタリア、レッジョエミリアの世界最高水準の教育実践 The Wonder of Learning」展覧会ページより)

ワタリウム美術館で行われた展示には、私も2011年、鑑賞に行った。

私は成人教育が専門なのだが、高齢者も幼児のように芸術に触れながら学ぶことはできないかという関心から、レッジョチルドレンセンターを訪問した。子供が実際に居る幼稚園は見ることができなかったので残念だった。2018年3月のことである。

幼児教育については専門ではないが、ペタゴジスタ(教育者)とアトリエスタ(芸術家)が雇用されており、連携を取りながら子供の学習を支援しているということをお話されていた。なかなか連携がうまくいかないこともあるようだが、仕組みとしてはそうなっている(実際のところは結構たいへんらしいが)。

光と影に関する展示がその日は行われていた。

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様々な素材が、芸術活動に用いられる資材として展示されていた。美しい素材というのが感性を揺さぶるというのはどこの国でも同じである。

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レッジョエミリアについては、Educe Cafeでも取り上げたことがある。

保育者の役割は子供のパートナー、というところに、成人教育の支援に通じるものを感じた(幼児でそれをするのは大変なことなのだろうが)。成人教育では、学習支援を行う際に、決して上から目線で向かってはいけない。なぜならその人には蓄積してきた歴史があり、学習歴があるからである。その人の準備状況を十分に意識した上で、敬意を持って接する必要がある。

後期成人の学習支援でも、芸術家と協同で行うプログラムが増えると良いと思う。

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