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都知事選とこれから

今日は映画の話ではなく…

都知事選が終わった。

そういえば選挙権を得て最初の選挙も都知事選だった。それから一度も棄権することなく全ての選挙に投票してきたが、今回ほど投票先に迷うことはなかった。

それだけに私なりの都知事選を振り返りをしたい。

まず都知事選というのは現職が出馬すれば必ず勝ってきたので、小池百合子が立候補するかどうかは最重要キーポイントだったことは言うまでもない。

国政への復帰も噂される中で3期目の挑戦を決めたのは、都知事選で1位になれる予想が立ったから。小池は負け戦には出ない…そういうことだろう。

その決定よりも先に、前の安芸高田市長の石丸伸二が出馬表明をしていたが、日本の政治家としては年齢が若い以外は知らなかったので、まずはどんな人なのか情報を集めていった

キャッチーな感じはしたが、違和感というかなんというか…それは大阪の方の市長か知事と同じものを感じたということかもしれない。とにかく、石丸伸二が暗黒の都政を終わらせる者ではないなと。

話は少し遡るが、小池百合子の8年前の初出馬時、野党系の統一候補は鳥越俊太郎だった。正確には宇都宮健児が出馬表明していたのに降りた(降ろされた)からである。

この一連のことが、投票の自由(どの候補者に入れてもOK)と共にある、出馬の自由(要件を満たしていれば誰が立候補してもOK)を蔑ろにするものであったことは忘れてはならない。

その2016年都知事選の結果はといえば、291万2,628票を獲得した小池百合子が初当選し、鳥越俊太郎は134万6,103票だった。率直に言ってボロ負けだ。

それから4年後の都知事選はコロナが始まった2020年だったが、選挙前から小池百合子の牙城を崩せる雰囲気はなかったように記憶している。

その中で野党系の統一候補の宇都宮健児は84万4,151票、小池百合子は366万1,371票で前回以上のボロ負けである。

この時の都知事選への山本太郎の出馬に関して当時から色々言われているが、それについては山本太郎本人がきちんと話しているので私からは

「山本太郎の65万7,277票と宇都宮健児の票を合わせても小池百合子には到底及ばない」

「都債発行による経済対策ができることが分かった」

この2つだけを強く言っておきたい。

そして今回2024年都知事選である。私の耳にも春頃には野党系の統一候補を模索している話は聞こえていたが、なかなか明らかにならなかった…見つからなかったということかもしれない。

その中で蓮舫がその椅子につくと聞いて「確かに小池百合子に勝てるかも」というのと同時に、「野田佳彦と同じグループだから緊縮財政なんだよな」や、「これで立憲が勢いづいて再び政権交代があったとしても日本が良くなることはないんだよな、というか政権交代ラストワンチャンスをこの形で使いたくないよな」だった。

とはいえ、こういう時に出てくる言葉がある。

「戦略的投票」

「鼻をつまんで投票」

である。

実際、衆議院議員選挙の小選挙区(定数1)で自民党議員が当選していても、その他の野党系候補複数人の票を足すと当選した自民党議員より票数が上回るというのは過去にあったし、それなりに世間にも知られている。

つまりは、今回の都知事選でも「それ」をしようぜと、小池都政にNoを突きつけるために

この考え自体は投票行動の一つであるし、そうしたい人はそうすれば良いと思う。

しかし、それを他の人にも強いたりそれしか選択肢がないでしょうと言ったり「#蓮舫一択」が出てきたり、それは投票の自由を奪う行為だ。

まさに8年前に宇都宮健児の出馬をやめさせた、そのことと根底は同じである。つまりあの件についてこの8年間、省みずにきているということだ。

民主主義を守らない人たちではなく、日頃から立憲主義や民主主義を叫ぶ人たちがこのように自由を奪うことをしていて、怒りと悲しみと呆れといった様々な感情が入り混じる。

強い言い方をすれば、その独善的な振る舞いこそが今回の都知事選の結果を招いたと言っても過言ではない。なのに、この点を今回を経ても反省している蓮舫支持者は今のところ見つからない

ここで少し引いてみて投票率について考えたい。

今回の都知事選に向けて、杉並区長の岸本聡子が公示前に1人街宣をして投票率77%(投開票日の7月7日に因んで)を目指そうと呼びかけた。

その後の選挙期間中には候補者応援もありつつ、投票へ行こうの呼びかけを市民一人ひとりが駅前などの街頭で行っていたこと(1人街宣)は素晴らしいし、投票率アップを期待した人は少なくないだろう。

なぜならば、岸本聡子が区長になった翌年2023年にあった杉並区議会議員選挙に向けて岸本聡子区長が投票へ行こうを呼びかけ、実際投票率は43.66%と上がったからだ(2019年の区議会議員選挙は39.47%)。

そして蓋を開けてみれば今回の2024都知事選の投票率は、60.62%(前回2020年は55%)で5ポイント以上前回を上回っている。因みに、8年前の2016年は59.73%なので、それよりも今回の方が高い。

蓮舫支持者としては最終日も含めて街宣は盛り上がり、投票率も上がった。なのに、なぜ3位なのか…理解不能状態なのだろうが、私には推測できる。

内輪でだけ盛り上がっていた

これに尽きる。

実際、以前は小池百合子に投票したが今回はNoだという人が蓮舫は選択肢にないと話していた…政策の面から

石丸伸二に投票した人の中には、石丸がいなければ小池に投票した人も、蓮舫に投票した人も、どちらもいたと思う。

つまりは、小池No=蓮舫という図式に乗れない人は多く、その原因は

政策や候補者の至らなさ

だったのだ。

れいわ新選組の静観についてどうこう言う人もいるようだが、正直れいわが蓮舫を応援と表明したとしてもこの結果を覆せたとは到底思えない。近場ではなく外野を巻き込めなければ今回の選挙戦は勝てなかったのだから。

既存政党支持者ではなく、いわゆる無党派層や選挙に行っていない層(今回で言えば数字上40%ぐらいいる)をいかに選挙に巻き込んでいけるかである。

ここが蓮舫陣営含めて立憲支持層に足りない要素なのだが、どうもそこに目が向いていない。

そこに気づかない限り、いわゆる野党系が形成逆転はできないだろうし、正直気づくとも思えない。

そんな中で腐敗政治が進むのが早いのか、それとも消費税廃止や積極財政を掲げる闘う野党が政権を取るのが先か…あなたはどちらが良いですか。

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