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檸檬のころ/豊島ミホ を読んで
僕らはみんな檸檬だった。
固く、刺々しいほど鮮やかな色を抱えながら
なにか物足りず、なにか不安で
傷がつくたびに、弾けるように香る
あの、残酷な日々を思い出す。
あの、保健室の彼女も
野球部のエースも、寡黙な彼も
きっと、私達と同じ世界に生きていた誰かだった。
僕も、その只中にいた、一つの檸檬だった
日々が遠く離れていくほど
ゆっくり溶ける角砂糖のように
嫌な思い出ばかりを忘れて
僕らはみんな檸檬だった。
固く、刺々しいほど鮮やかな色を抱えながら
なにか物足りず、なにか不安で
傷がつくたびに、弾けるように香る
あの、残酷な日々を思い出す。
あの、保健室の彼女も
野球部のエースも、寡黙な彼も
きっと、私達と同じ世界に生きていた誰かだった。
僕も、その只中にいた、一つの檸檬だった
日々が遠く離れていくほど
ゆっくり溶ける角砂糖のように
嫌な思い出ばかりを忘れて