ベートーヴェンを毎日聴く76(2020年3月16日)
『ベートーヴェン/8つの歌 op.52』を聴いた。
これら8つの作品は、ベートーヴェンがまだボンにいる頃に作られたもの。
この作品を含めて前後の作品は、そのような昔の作品が続けて出版されている。
この作品の出版には、ベートーヴェンの弟ヨハンが密かに出版させたという話がある。
ベートーヴェン自身は「この作品は弟ヨハンの所有物である」と認めていたもの。
とはいっても、初期の作品をわざわざ出して出版させるというのは、恐らく金銭的利益を得るためと考えるのが妥当だろう。有名作曲家になったベートーヴェンの作品なら数多く売れる可能性は高い。
8曲がひとまとめの曲集だが、中に異色な作品が2つある。
ひとつは第1曲の「ウリアンの世界旅行」。ウリアンという人物が世界中を旅行した時の話を語る内容が面白いし、曲調もコミカルだ。
そのウリアンが行ったのは「北極」「グリーンランド」「エスキモーの国」「アメリカ」「メキシコ」「ムガール帝国」「中国」「ベンガル」「ジャワ」「タヒチ」「アフリカ」。残念ながら日本は含めれていない。
まさに世界一周の旅なのだが、それで分かったことが最後に歌われる。
「みんな自分の国と同じで、そこらじゅうに変わったヤツばかりいるのだと」
もう1曲は第7曲の「マーモット」。
「マーモットと一緒にいろんな世界を見てきましたよ」と、ちょっと変わった歌詞。でもなにか哀愁を感じる。
この詩は、あのゲーテが作ったもの。彼の風刺劇中に出てくるものをベートーヴェンが使ったのだという。
「マーモット」とは「モルモット」のことか?
と思ったが、実は全く別の生き物だった。
Paolo ConteによるPixabayからの画像
(記:2020年11月11日)
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