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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~65


波が、私の力だけではどうすることも出来ない全部を、きれいさっぱり洗い流してくれて、家に帰ったら、もうすっかり何もかもが良くなっていればいいのに・・・

「そんなこと、現実には起こらないよね。やっぱり、先生の言うように、今出来ることを一つ一つ積み重ねることしか、そして諦めないで続けることしか、ないんだろうなぁ・・・」

それでも私には、信頼して、頼って、縋ることの出来る人がいる。その存在が、せめてもの救いだった。

・・・こんばんは、この2週間は、いかがお過ごしでしたか?慌てたり、焦ったりすることなく、(出来ることを一つ一つ積み重ねていく)(諦めることなく、また開き直るでもなく克服に向けて今出来ることを続けていく)ということを思い出す、忘れないで過ごす、ということについてはいかがでしたか?

「はい、そうですね、家に帰ったら、もうすっかり何もかもが良くなっていればいいのに・・・なんて考えたりもしたんですけど、そんなことは現実には起こらないし、やっぱり先生の言うように、今出来ることを一つ一つ積み重ねることしか、そして諦めないで続けることしか、ないんだろうなぁ・・・って、思い出してみたり。いつもいつもそんな前向きになれてる訳ではありませんけど、忘れないように心掛けてはいました」

うん、うん・・・いいと思いますよ。現実には、頭で考えるようにはいかなくて、辛かったり、苦しかったり、イライラしたりすることもあるとは思いますが、出来る出来ないに関わらず、気持ちや心掛けだけでも、持ち続けること。今はそれだけでもよろしいかと思います。

「あのぅ・・・先生。私、今までずっと摂食障害は自分との戦い、っていうか、自分自身や、自分の価値観に追われて、追い立てられて、それで結局自分自身をコントロール出来なくて・・・だから、自分の中で自分自身が一番の難敵のような、孤独との戦い、みたいに思ってた部分があったんです。でも、この前、久しぶりに家族4人で食事をする機会があった、っていうかしなきゃならなくて、実家で夕飯を食べたんです。そしたら妹は、(お母さんの料理は美味しいから)とか言って、物凄くいっぱい食べてたんです。私なんて、実家で吐く訳にはいかないから、ちょっとつまむだけにして、お酒ばっか飲んでたんですよね・・・何か、そんな妹を見ていたら、初めは(何で何も気にしないでそんないっぱい食べれるの)って思ってたんですけど、そんな食べ方が羨ましいなぁ、とか、妹が(普通に食べるって、こういう風に食べることなんだよ)って、食べる姿で教えてくれているようにも思えたんです。私が摂食障害だってことは、先生以外には誰にも言ってないので、もちろん妹も知らないはずなんですけど、何か、妹が私のことを応援してくれてるような気がしたんです。もちろん先生も、親身になって、一緒にいろいろと考えてくださるし・・・私は一人じゃない、みんなが応援してくれてる。そう思うと、諦めないで、今出来ることを一つ一つ積み重ねることを続けられる気がしたんです」

ほほう、なるほど、そうですか。以前に、

私や、周りの人間は、救いの手を差し伸べたり、隣で寄り添ってサポートすることは出来ますし、全力でそうするつもりです。ただ、一番大切なことは、あなた自身が今の状態を受け止めて、今は仕方がないんだと認めて、諦めることなく、そして開き直るでもなく、少しでも良い方向に向かう気持ちを忘れずに、持ち続けることだと思います。

と言ったと思います。

一番大切なことは(ご自身が諦めることなく、良い方向に向かう気持ちを持ち続けること)ですが、一方ではそれには限界もあります。なぜなら、摂食障害は一人で抱え込むには、精神的にも肉体的にも余りにも負担が大き過ぎるからです。私や周りの人間はあくまでサポートすることしか出来ませんが、そのサポートを受けることや、人との繋がりというのも重要なポイントになります。ですから、今あなたがおっしゃったように、ご家族に応援してもらったり、話を聞いてもらったりということが出来るのであれば、そういったサポートも克服には非常に大切になってきます。

「そうですよね、何か(私は一人じゃない)って思うことで、気持ちを切らさずにいられる気がしたんです。先生はもちろん、妹にも感謝しなきゃ、ですね。いつもいつも本当にありがとうございます」


今日もありがとうございます。

よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、今後、摂食障害で悩む方々のサポート活動に、大切に使わせていただきます。