摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~135
何が自分にとって大切なのか、何が自分にとって必要なのか、自分が幸せと感じることは何なのか……全ては、自分が気付かなければ誰も教えてはくれない。
「新山さん、私もずっと自分にとって大切なことや必要なことを探しているんですけど、何だかわからくて」
「そうなのね。私だって『わかっているようでわからない』わ。でもね、意識したり考えたりすることを積み重ねることで、少しずつわかってくるものなんじゃないかな」
「そうですよね。でも私、そんなことでもう何年も悩んでいる気がします。そんなことに躓いて、そこから何か、人生の歯車が狂ってしまったみたいな気がするんです……」
「そうなの?紗希さん、何か『訳あり』みたいだけど、話せるなら話してみる?」
目の前の、空になったワイングラスとコップを交互に見つめた。『訳あり』も『訳あり』、誰にも言えないような『訳あり』を抱えてずっと生きてきた。でも、新山さんに話したところで何かが劇的に変わるわけではないし、摂食障害とか『物の位置が気になって仕方がない』なんて聞かされても、きっと迷惑なだけ……
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