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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~120


「焦らず、慌てず、諦めず。自分を信じて、今出来ることを一つ一つ積み重ねる、そういうことを続けることで、必ず辿り着く、必ず見つける。今の私には、そう信じることしか出来ないし、そう信じることが全てなのかもしれない・・・」

摂食障害という長い長いトンネルだって、ひょんなことから迷い込んでしまった、っていうくらい、ホントに些細なきっかけ、ただ痩せたいってだけだったんだから、出口だって、もしかしたらひょんなことから見つけられる、作り出せるのかもしれない。周到な準備や、完璧なシミュレーション、そこに至る動機や理屈付け、もっと言えば

こうすればこうなるはず

こうしたんだからこうならなければならない

って考えていても、思い通りにならないこともある。それは、摂食障害になってしまって、身に染みて感じていることだった。

「そうだよね、ひょんなことからとか、偶然とか、運がいいとか、そういうことがあってもいいんだよね・・・」

今までの私の人生にはなかった言葉・・・ひょんなことから、偶然、運がいい、いつの間にか、気が付いたら・・・そんな、不確定な要素に身を任せてみること、そんな冒険も必要なのかもしれない。

「自分でいくら考えても、人に相談しても、アドバイスをもらっても、どうにもならない時には、そんなことに頼ってみても、いいのかもしれない・・・」

完璧とか、マイルールとか、私は今まで自分で自分を縛っていた。自分で自分を追い込んでいた。自分で自分を追い詰めていた。それで苦しくなって、辛くなって、どうにもならなくて、もがいていた。

こうしてもダメ、ああしてもダメ、どっちに転んでも、どうにもならない・・・だから、どうすることも出来ない、一歩も前に進めない・・・そう思い込んでいただけなのかもしれない。本当は、いろんな可能性があるはずなのに、そのことには目を向けなかった。見ようともしなかった。ただそれだけなのかもしれない・・・

「もしかしたら私は、もっと自由に、何にも囚われることなく、いろいろなことを考えたり、やってみたりしていいのかもしれない。そういう視点が、欠けていたのかもしれない。ただそれだけなのかもしれない・・・私は、今からでも自分をどこかへ導くことが出来るのかもしれない」

目を閉じると、目の前には、御宿の真っ白な砂浜と、真っ青な海と、突き抜けるような青い空が広がっていた。そこには、限界とか、制限とか、そんな言葉は似合わない、ただただどこまでも続く景色があるだけだった。


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