行き着くところまで辿り着くことで、自分の「限界値」を認識しその先に進むことを思い留まる、ということ
みなさん、こんにちは。今日は、行き着くところまで行ったことで見えた景色、みたいなことについて書きたいと思います。
1 食べること
毎日繰り返される(繰り返してしまう)過食嘔吐が辛くて、会社を辞めざるを得なくなった時、当時通っていたカウンセラーさんに「辞めたら何をしたい?」と聞かれて
「とりあえず、貯金が無くなるまで、食べたいだけ食べて、寝たいだけ寝たい」
と言っていました。
それからは、実家に引き籠り状態で、毎日過食嘔吐に明け暮れました。
起きる ⇨ 買い物 ⇨ 過食嘔吐 ⇨ 寝る、を延々と繰り返していたと思います。
食べる物も、食べたくてもなかなか買えなかった物を積極的に買いました。
例えば、2リットル(ファミリーサイズ?)のアイス、コアラのマーチ、その他のイチゴチョコ味のお菓子(ポッキー、パックンチョ、オレオ、ヌーボーなど)。
それから、回数は少なかったですが、外食もしました。ホテルのケーキバイキング、○○食べ切ったら無料など。
あと、状態が少し落ち着いてきたら、おみやげ目当てでパン屋のバイトもしました。思惑通り売れ残りのパンをいくつも貰って帰りました。
とにかく、仕事しながらではなかなか実現できなかった「食べること」を出来るだけやってみました。
今振り返ってみると、あの時の「食べたい(食べたかった)物を、食べたいだけ食べた」経験が、食べたい欲求を満たした一面はあると思っています。
みんながみんな、同じように「食べたい(食べたかった)物を、食べたいだけ食べ」られる環境にある訳ではないかもしれません。
ただ、私の場合は、たとえ過食嘔吐だったとしても「食べたいだけ食べた」という感覚が、食べたい欲求を、決して抑え込むのではなく発散させた、という効果があったのではないかと思っています。
2 痩せること
私が痩せようと思ったきっかけは、就職活動中に目にしたニュースだったと思います。
「アメリカでは、肥満者は自己管理ができない、という理由で、昇進に支障がある」
それが、私の中で、何か、心に響いてしまったのだと思います。「太っていたら、仕事に支障がある。太っていたら、自己管理ができない、とみなされる」 そんな考えが、だんだん頭のなかを支配するようになっていきました。 決して太っていた訳ではありませんでしたが、いつの間にか「痩せなければ・・・」と思うようになっていきました。
やがて「痩せなければ」は、際限なくエスカレートしていきました。
痩せたくて、痩せたくて、痩せたくて。ただ痩せたくて、限界まで痩せた先には、過食嘔吐をやめたくてもやめられない、自分が最もなりたくない、「自己管理、自分をコントロールすることができないダメ人間」が待っていました。痩せれば人生が全てうまくいく、って思っていましたが、何一つうまくいかない自分しか、残っていませんでした。
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今でも、決して「太りたい」とは思わないし、出来ることならもう少し痩せたい(体重そのもの、というよりは体脂肪率と内臓脂肪のレベルを落としたい)と思っています。
でも、以前のような「昨日より痩せたい」という、極端で実現不可能な欲求はありません。
それは、痩せた先には人生が全てうまくいく、ということはなく何もなかった(男だからかもしれませんが)ということもありますが、やりたいこと、やりたい活動はおろか、日常生活を送るのにも支障がある、ということもあります。
最も痩せていた時は39キロでしたが、今は何らかの理由(インフルエンザで寝込んだ、とか)で50キロ切るようだと、体力的にキツいし、腕立てもスクワットも多分こなせません。もちろん、今行っている帰宅後のnote記事投稿も、気力が続かなくておそらく出来なくなるでしょう。
それは、今の私にとっては、痩せることよりも優先順位が高いので、それが出来ないほど痩せたいとは思いません。
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私の場合は「昨日より痩せたい」という思いに憑りつかれ、その思いが思考回路の全てを支配して、自力で痩せられる限界まで辿り着きました。
その後、自殺未遂、非嘔吐過食、再び過食嘔吐などを繰り返し「食べたい(食べたかった)物を、食べたいだけ食べ」てみたり、自分にとっての「食べること」「痩せること」に向き合ってみたり、いろいろな葛藤の中で、再び社会と関わるようになること、「食べること」を通して人とコミュニケーションをとること、を目指すようになりました。
そうした経験を一つづつ自分の中に積み重ね、自分の「限界値」を認識することによって、その一歩先に進むことを思い留まることが出来るのであれば、行き着くところまで行ってみる、というのも「あり」だと思います。
そこに辿り着くことで見える景色、芽生える思い、というものもあるのではないかと思うからです。
知り合いに、拒食症(栄養失調、飢餓状態)で亡くなってしまった方もいますので、医学的な知識や根拠もなく言えることではありませんが、生命維持に危機が迫っている状況にある方は、命を繋ぐことを最優先にしてください(よい子のみなさんは、決してまねをしないでください)。
今日もありがとうございました。
よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、今後、摂食障害で悩む方々のサポート活動に、大切に使わせていただきます。