摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~386
「何か『成功体験』って、やっぱり大切なのかなぁ……何となくあそこのカフェでパフェを食べることは、カロリーとか糖質とか脂質とかとは関係なく、安心出来る気がする。これもある意味『マイルール』だよね」
電車から眺める景色は、何となく穏やかな感じがした。真夏のギラギラと照りつける太陽と比べると、冬の陽の光は柔らかくて、優しい。
「冬でも換気している車内は、風がちょっと冷たいけれど、包み込まれている感じがしてホッとするなぁ」
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今日は早めに家を出たから、お昼の時間までにはまだまだ、という頃に駅に着いた。
「パフェを食べるにはまだ早いから、ちょっと街を散策してみようかな」
普段は、先生のところと駅の往復しかしないので、ゆっくりと街を眺めながら歩くことはあまりなかった。
「こうして改めて見てみると、結構いろいろなお店があるんだ」
摂食障害が酷かった時には、飲食店や食べ物を売ってるお店しか目に入らなかったけれど、今の私は少しは心に余裕があるのかもしれない。まだまだ完全に摂食障害を克服した訳ではなかったけれど、それでもほんの少しは良くなってきているのだろう。
「そうか。『完全に』なんて考えていることが、もしかしたら良くないのかもしれない。『完全に』じゃなくても、ほんの少しでも克服出来るようになってきているのだから、それで良し、としなければ」
「ん?いや、そうじゃなくて『完全に』なんて考えていること自体は否定する必要はないのかもしれない。だって、考えちゃったんだから。ただ、そうは言っても『完全に』を追求し過ぎると自分が苦しくなってしまうから『ほどほど』に、無理しない程度に、って思っていたらいいのかな」
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