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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~366


あなたは今まで摂食障害を克服するために、今出来ることを、出来る範囲で、出来る時に、諦めることなく、開き直ることもなく続けてきたのですから、そのことには自信を持ってもいいと思います。それに、人の話を素直に聞く、ということも出来るようでなかなか出来ることではありません。人は誰しも自分の価値観というものを持っており、それと異なる考え方ややり方を素直に受け入れる、ということはすぐには出来るものではありません。けれどあなたは、少なくとも私の前では私のアドバイスなどに異議を唱えることもありませんし、一つ一つ真摯に取り組んでおられる、ということも話をしていれば十分伝わってきます。あなたはご自分で気付くことが出来るのです。気付くことが出来るようになってきたのです。お友達の言うように、もっと自信を持ってもいいと思いますよ。

「ありがとうございます。先生にもそう言っていただけると、ほんの少しだけですけど『自信を持ってもいい』のかなぁ、って気になってきました」

そうですとも!もっといろいろなことに自信を持ってもいいと思います。摂食障害になってしまう人には、ご自分の価値、というかご自分の能力を実際よりも低く、出来ることも出来ないように思っている方が多くいらっしゃいますが、そんなことはないと思います。何と言うか、痩せることや体重に過剰に『保険』を掛けているような状態、とでも言ったらいいのでしょうか。多少太っても安心出来るようにと、保険に保険を掛けてどんどん痩せようとする。そういった『後もう少し』とか『まだまだ足りない』みたいな感覚をお持ちになったことがあるのではないでしょうか。そんな感覚に近いような気がするのです。言うなれば『後もう少し出来なければ、出来たとは言えない』とか『まだまだ足りない、出来ている人はもっともっと出来ているのだから』というようなことを思っている状態のことです。

「そうですね、『保険』ですか……そんなこと考えたこともなかったですけれど、そう言われてみると確かにそうかもしれません。痩せることは『明日もし痩せられなくても大丈夫なように、痩せられる時にどんどん痩せよう』とか、食べることも『もし食べ過ぎちゃっても大丈夫なように、食べないでいられる時は食べないでいよう』みたいなことは無意識に考えていたかもしれません」


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