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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~418


私の人生は、もう既に失敗だらけなのだから、今さら失敗を恐れる必要なんて全くない。『痩せること』も『食べること』も、何一つ成功しなかったのだから、その経験を活かさなければいつまで経っても一歩も前には進めない。

「陽子、パフェ、とってもおいしかったね」

『おいしいものは0カロリー』いつか由希が言っていた言葉が、ふと頭に浮かんだ。おいしいもの、食べたいものを食べる時にはカロリーとか、糖質とか、脂質とか、太るとか、そんなことはとりあえずどこかに置いておいて、おいしさを噛みしめる。食べたいものを食べる幸せを感じる。ただそれだけでいいし、ただそれだけなのかもしれない。いちいちいろいろなことを先取りして考えて、シミュレーションして、何も出来なくなるよりは、その方がいいのかもしれない。

「ホント、おいしかったね!」

「こうして、おいしいものが食べられたり、陽子と一緒にいろいろな話をしたり、そんなことがとっても幸せなことなんだよね。幸せって、何か特別なことじゃなくて、何でもない日常でも感じられることなんだよね。普段行けないようなところに行ったり、普段体験出来ないようなことをしたり、そんなことをしなくても探そうと思えばいくらでもあるんだよね」

食べる幸せ、友達と過ごす幸せ。どれも、特別なことじゃない。日常でも感じられる幸せ。摂食障害真っ只中の時には感じることが出来なかったけれど、これからはそんな幸せを感じることが出来るかもしれない。いや、それこそが私が探し求めていた、私にとっての『幸せ』なのかもしれない。


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