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コミックイラストと絵画性。

ちょっと気を抜くと投稿癖がすぐなくなるので頑張って記事書きましょう。

現在アトリエ三月ではオカユウリさんの個展を開催中です。2020年の際のFLAGで賞をあげさせていただきました。


見ていただくとわかるかと思いますが、近年展示させていただいている作家さんの中でも一番コミックイラスト寄りの方です。(あんまりカテゴリーで括りたくないのですが割愛)



パッと見た印象ではとてもキラキラとした女性をメインにしたイメージを描かれています。


少し前に「二次元派」とう展覧会が東京で組まれたあたりからいわゆるキャラクター絵画に対してもうちょっと美術史的な文脈を意図しながら勉強をし直した方が良いな、と感じていていろんなコンテンツを見たり聞いたりして勉強しています。

その上でコミックイラストとは=漫画タッチのイラスト、ということになりますが、定義は曖昧ですが少女漫画的なアプロートなのかと思います。

オカさんの作品は第一印象のキラキラした女性らしさの雰囲気に目が奪われがちですが、よくその作品の細部を見ると非常にデッサン力に長けており、透明水彩をメインにしながらもアクリル絵の具と併用することで平面的な要素とアクリルのディティールの要素を兼ねており、コミックイラストと言われるカテゴリーからはあまり想起できない絵画性が作品に備わっていると思います。


コミックイラストというジャンルの作品もさまざまなものを見させていただくことが多いのですが、特徴としてはデザイン的であり、かつ装飾的な作品が多い印象があります。それらはアルフォンス・ミュシャのポスターなどを想起させます。


僕自身は少女漫画にはほとんど触れたことがありませんが、おそらく少女漫画の作者も影響を受けているのではないかなぁと感じます。


手塚治虫が自分の漫画は記号的であるという説を述べたことがあるように日本の多くの漫画は記号的に、またデフォルメされた表現が多いように感じますが、オカさんの作品からはミュシャ的なデザイン的な構図ではなく、また手塚治虫が語ったような漫画記号的な要素やデフォルメされた箇所があまり含まれていません。

極めてコミックイラスト的なアプローチではあるけれど、よく見るとリアティのある絵画的手法を使っていることに気づきました。まぁ少し見方を変えればそのジャンル全ての人に当てはまるだろうと思います。


最近はカテゴリーやジャンルというフィルターを作品や作者本人にかけることで見逃してしまうものが沢山あるなと痛感しています。


先日のayanoちゃんが「アール・ブリュット」や「アウトサイダーアート」という括りに入ってしまった途端に彼女の魅力が一つのジャンルに閉じ込められてしまうのはとても危険でお粗末なことだと、


そうゆう僕も人にどんな絵を描いているのかと聞かれれば面倒なので「抽象画です」と答えます。そもそもそれがダメなんじゃんという話になってしまいますがいちいち引っかかってばかりいると話が進みませんからね。


ジャンルやカテゴリーを乗り越えて、「絵」や「作品」をどう美術史や社会、この世の中の歴史と紐づけていくことが大事なのかなぁ。

今日はこの辺で。

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