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【モノづくり】供給制約を逆手に取る「職人がいないなら自分たちで作ろう!」という発想

Voicyパーソナリティの木下斉さんが、【ビジネススクールでも教えない「供給制約」の時代。地方先端の激変に反応せよ】という放送をされていました。これを聞いた上で、私なりの考えをまとめておこうと思います。

前編は無料で一定期間、聴けますのでぜひこの機会に聞いてください!特に、地方在住の方や地方で事業を展開する人には、聞いてほしい!!



供給制約

⚪︎現在は供給制約の時代


高度経済成長で繁栄した、地方の大型ホテルや旅館。200室を越える大きな所も珍しくなく、以前は人で賑わっていました。しかし、現在は半数の部屋しか稼働できていない。インバウンドも戻ってきていて、満室にすることはできる=需要はある。でも動かせない。

なぜかというと、「働く人がいない」からです。需要があってもスタッフの不足によって、運営することができない。だから、客室を絞るしかないというのが現状です。

⚪︎職人さんも激減

ホテル業や飲食業に限らず、建設業界も同じで、今は職人さんがどんどん減っています。

大工、とび職、電気通信設備工事従事者、左官、配管従事者といった住宅の建設にかかわる職種群の人数は、2040年時点で約51万人(2020年比で約63%)まで減少する見通しです。

17年後には現在の職人が約4割減ることになるんです。総人口の減少(需要)よりも、職人さんたち供給側(生産年齢人口)の減少の方がより著しく、「家を建てたいけど、建てる職人さんがいない」という事態はすでに地方で起こっています。

建設業界の職人の今後の推移(NRIより引用)


山梨県でも、プレカットではなく、木材をノミで削って家を建てる、いわゆる「刻み」のできる腕の良い大工さんは、すでに何年も先まで予約でいっぱいです。そこは20代の若手も何人もいて、活気もあって、より人気。

逆を言えば、現在若手の大工さんはこれからも仕事は入ってきて、引っ張りだこ。「建売じゃなくて、一から家を作りたい!」という需要も、地方とはいえ一定数は必ずあるので、仕事に困ることはない。めちゃくちゃチャンスでもあるわけです!

「頼む職人さんがいないのなら、自分たちで作ろう」という発想

⚪︎自分たちで作る

家を建てたい、リノベーションをしたいとなった時、「お願いできる職人さんがいない。頼むとしても価格が高い!」という事態は、必ず来ます(既に来ているところもあります)。

「じゃあ自分たちで作れる所は作って、どうしても職人さんしかできない所はお願いしよう!」という需要が出てくると私は思っています。壁や天井のペンキ塗りなんかハードルも低く、YouTubeでもたくさんの動画が共有されています。そういったハードルの低いものから、まずやる!という流れは来ます。


⚪︎子ども一緒にペンキを塗ったり、左官をする建築設計事務所

以前、リノベーションの仕事をしていて大変お世話になった、神奈川県逗子市にある、一級建築士事務所「(株)中田製作所」。何を隠そう、私に施工のイロハを教えてくれた所です(笑)。

設計デザインを手掛ける設計事務所ですが、ここは変わっていて

・設計士が大工スキルも兼ね備えていて、施工もやる
・施主さんと一緒に塗装や左官をする「施主さん参加型」の家づくりをする

という、なかなか他では見ない事務所でした。


設計デザインをする人が、大工仕事もする(中田製作所Instagramより)


 施主さんとそのお子さんも一緒になってパテ塗りしたり(中田製作所Instagramより)


お子さんと一緒にフローリング貼りをしたり(中田製作所Instagramより)


施主さん参加型の家づくり(中田製作所Instagramより)

「家づくりはプロが行うもの」ではなく、「自分たちの家は自分たちで作る」。塗装や左官も、プロにお願いするのではなくて、自分たちでやってみる。実は、その方が味が出て良い感じになりますし、家に愛着が湧くので大切に住むことができるんです。家づくりやモノづくりがもっと身近になる、こういった取り組みはますます注目されると思ってます。

そんな中田製作所のDNAを、私もしっかり受け継いでいます(笑)。

私の考え

⚪︎シェア型DIY工房は、地方にこそ必要

「職人さんに頼めないなら、自分たちで作ろう!」という時、私は地方にこそシェア型DIY工房が必要だと思っています。

中田製作所のように、身近でモノづくりを教えてもらいながら家づくりをできれば良いですが、そういった建築事務所や工務店は、今後引っ張りだこになります。

そこで、「あそこに行けば、教えてもらいながらモノづくりが出来る」というシェア型DIY工房は、今後求められると思います。職人さんが少なくなる地方なら尚更です。

以前、足を運んだ埼玉県川口市にあるWOOD LABO NOBLE


工具類も豊富。

家具屋さんが運営するシェア型DIY工房『WOOD LABO NOBLE』。スタッフが必ず1名常駐していて、親切に教えてくれます。こちらは埼玉県川口市にあるDIY工房で、川向こうは東京都です。埼玉・東京・神奈川といった首都圏や、大阪・名古屋といった3大都市圏には散見されるものの、地方のDIY工房はまだまだ少ない。


⚪︎古家具や古材をふんだんに使えるシェア工房を、山梨に作る

私の場合、

・古民家専門の遺品整理
・古家具や古材などの買取・リペア・リメイク品販売
・建築廃材を使ったアップサイクル品作成と販売

が、今は主な事業です。販売店舗や工房をこれから発展してさせていった時に、同じ敷地内で古家具や古材、建築廃材をふんだんに使えるシェア型DIY工房を山梨で作ろうと思っています。この構想は、遺品整理を始める段階で、既にありました。

自分の強みを活かした、シェア型DIY工房の併設。まだまだ先は長いですが、実現に向けて、匍匐前進で確実に進んでいきたいと思います。

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