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七戸健太郎
2019年8月16日 08:01
ある夏の朝、通勤のため駅へと歩いていると、向かいから小学生くらいの女の子が歩いてきた。女の子は角を曲がり、小径へと入る。ふと僕は思う。小径はすぐに行き止まりだ。角まできて小径に目をやると、女の子の姿はない。9時前だというのに、気温は38度を超えている。ブロック塀で蝉が鳴いている。 #創作小説 #140字小説 #超短編小説 #掌編小説 #夏
2019年8月15日 09:00
JAZZ喫茶の床に、仰向けの蝉がいた。客の鞄か服にでも着いて入ってきたのだろうか。少し動く。まだ生きているようだ。僕はティッシュで蝉を包み、店の外の路地の木の根元に蝉を置く。蝉の死に場所としてふさわしいと思ったのだ。「JAZZを聴きながら死にたかったのに」そう呟き、蝉は息絶えた。 #140字小説 #掌編小説 #超短編小説 #日記 #創作小説 #JAZZ