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一切の嫉妬や邪念が消え去った。運命的な映画との出会い。【映画『そして、バトンは渡された』】

 映画『そして、バトンは渡された』
 
昨年12月に観に行ってきた。すこし日が経ちましたがnoteにも残しておこう。

 前情報は「血の繋がらない親子の話」ということだけ。
 わたしの中でどの部分が反応したのか、上映開始当初は観る予定がなかったこの作品、ある日突然ピンと来て映画館のスクリーンで向き合わなければと思い、足を運んだ。(ひとり映画の場合はだいたいこの直感型パターンで観に行く)

ネタバレあるかもです。ご注意ください


〜STORY〜

血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子は、わけあって料理上手な義理の父親、森宮さんと2人暮らし。今は卒業式に向けピアノを猛特訓中。将来のこと、恋のこと、友達のこと、うまくいかないことばかり…。
一方、梨花は、何度も夫を替えながら自由奔放に生きている魔性の女。泣き虫な娘のみぃたんに目いっぱい愛情を注いで暮らしているようだったが、ある日突然、愛娘を残して姿を消してしまった。
そして、優子の元に届いた一通の手紙をきっかけに、まったく別々の物語が引き寄せられるように交差していく。「優子ちゃん、実はさ…。」森宮さんもまた優子に隠していた秘密があった。父が隠していたことは? 梨花はなぜ消えたのか? 親たちがついた〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉とは一体何なのか。
2つの家族がつながり、やがて紐解かれる《命をかけた嘘と秘密》。物語がクライマックスを迎え、タイトルの本当の意味を知ったとき、極上の驚きと最大の感動がとめどなく押し寄せる─。

引用:https://wwws.warnerbros.co.jp/soshitebaton-movie/introduction_story/

一言で語れない『親子とは』

 あらすじを上手いこと語るには複雑すぎて、わたしの言葉での説明は割愛しますが、永野芽郁ちゃん演じる『血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子』のことを大切に想う複数の親たちの愛情が描かれていて、わたしは震えるほど感動した。ずぅっと涙が止まらず、わたしも大切な人を、そして大切な人の大切な人の幸せを心から願える人間になると決めた。

 ”親子”にはさまざまな形があり、言葉の通り、人の数ほど存在し、ひとつとして同じ形はないと言っても過言ではないのかもしれない。なので親子関係・家族関係というのはとてもセンシティブなもので、人によっては触れたくない話題だったり、コンプレックスに感じていたり、逆にとても誇らしいものだったり、本当にさまざま。
 わたしも家族のことを真剣に考えると、ひとりで考え込んでしまうこともある。それほど家族というのは複雑なもの。でもだからこそ、必要があれば心と心で向き合って、言葉を交わして理解をし合う努力をするべき相手なのかなと思う。(必要があれば)

 話を映画に戻して、映画を観たわたしの結論から率直に書いてしまうと、”親子”というのは実に不思議で特殊な関係で、そこに血の繋がりは関係あるようで関係なく、『お互いを大切に想う』その気持ちこそが親子の愛情なのかなと感じた。
 共に生活をし、良い時も良くない時も同じ環境で時間を過ごし、意思疎通をしていく家族の形もあれば、同じ環境で過ごしていなくとも、大人が先にありったけの愛情を注ぎ、愛された子どもはそれを受け取り、愛情を認識して生きていく形もある。優劣はなく、人の愛情を受け取れるだけで、それだけで素敵なことなんだと思う。

何とも比べず、絶体的に愛す

 優子ちゃん(永野芽郁ちゃん)が実のお父さんのところへ会いに行ったとき、後妻の人との子供が優子ちゃんに優しく接しているシーンでボロ泣きした。
 実の子供とか、血の繋がりがあるとかないとか、どちらが大事とか、自分の存在は迷惑になるかもしれないとか、先とか後とか、そんなようなことは関係ない。大事なものは全て対等に、絶体的に大事なんだと思えるような生き方をしたい。(する!)

 最後までお母さんの本音を聞けずの別れになってしまい、「もっと話したかった」「会いたかった」と優子ちゃんは怒って泣いていた。そしてお母さんのことをよく知る3人の父親たちに『お母さんは優子ちゃんを大切に、1番に思っていたよ』と聞かされる。それを受け止めて笑顔で、前へ進んでいく優子ちゃんはたくさん愛された証拠だし、もらった愛情を返せる子供であって、きっとたくさんの愛情を与えられる大人になっていくのだろう。
 『フラッとどこかへ消えちゃって、今もどこかで生きている。』
 大切な人を失ったとき、こんな風に優子ちゃんのようには思えなくとも、『大切にされていた』という事実をちゃんと受け取って、感謝をして、託されたメッセージを大切にして生きていけるような人間になりたい。

 優子ちゃんの周りの人はみんな自立していて、自分軸で物事が考えられる人たちばかり。客観性と包容力が半端なくて素晴らしい。本当の父親とか、今は自分の子供とか、そういう事実を飛び越えてみんなでそれぞれを尊重する世界!尊い!全力で理想!
 彼女自身の『私には(困った時に頼れる)3人のお父さんと2人のお母さんがいる』って言葉、なんて前向きで素敵な言葉なんだろうと思った。それはきっと全員に愛情を与えられて育ってきたからが故の考え方だと思う。もし私が親という立場になったときには、子どもちゃんたちにはそんな風に思えるような環境をつくりたい。(つくる。)

 改めて親子関係というのは無意識に成立するものではなく、人間と人間、つまり他人(自分以外の人間)同士の付き合いだと感じた。なので良好な関係を築いていくためには意思と行動が必要不可欠。育ての呪いというのも存在することは事実だけど、同時に認識している以上の愛情が注がれている可能性もあるのかもしれない。血の繋がりや立場、年齢は関係なしに、相手を尊重できる人になりたい。(なる。)

 この作品は私の今後の人生に間違いなく影響を与えてくれた作品。映像も書籍も購入して、保管して、たまに振り返ってこの気持ちを忘れないでいたい。

 優しい気持ちになりたいときや人を大切に想う気持ちを改めて学びたいとき、こんな作品に触れられたら幸せだ。

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