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【残業】若手社員は残業を”マジで”やめるべき理由Part1

私は25歳まで深夜のコンビニでアルバイトをしていましたが、28歳で初めて大手広告代理店に入社。その後、中小企業→大企業へと2回転職しました。そのなかで、(特に2社目の中小企業で)ハードに残業をこなす人たちを数多く見てきました。今回はその経験を基に「残業」をテーマに書きたいと思います。

① 残業の実態と個人的印象

オープンワーク株式会社の「『日本の残業時間』四半期速報」によると、日本の会社員の残業時間は平均して24.05時間(21年4月~6月)なんだそうです。当調査は定点観測がされていて、2014年時点で45時間ほどだった残業時間は、直近10年で半分程度まで減っています。

学生の方々は「サラリーマン=強制残業」みたいなイメージを持っている人も多いと思います。しかし、会社員歴10年の私は(記憶の限りでは)上長からもそれ以外の人からも「残業しろ」と直接的に言われた経験がありません。特に2019年の法改正で時間外労働に罰則付き上限規制が設けられて以降、「強制なんてもってのほか」とばかりに、残業への圧力は大きく減っていると感じます。

しかしです。こうした調査結果に反して、オフィス現場ではまだまだ長時間残業をする人がたくさんいます。私は大企業から中小企業に転職しましたが、特に中小企業では残業が多い傾向がみられました。

罰則付きの法律もあり、上司は残業を強制しない。
それにも関わらず現場には残業がはびこる。

なぜこうしたことが起こるのでしょうか。

それは本人が”望んで”残業をしているからでしょう。


② いい残業と悪い残業

残業と一口に言っても「いい残業」「悪い残業」があると思います。
「いい残業」というわずか4文字に矛盾を感じますが。これは言い換えると「許容できる残業」「致し方ない残業」とも言えます。

その残業が”突発的”であれば「いい残業」だと判断してよいのではないでしょうか。

・明日朝にクライアントへの納品物の締め切りが控えているる。
・前日夜に「完成した!」と思ったら、最後の最後で間違いを発見した。
・すでに時間は19時を過ぎている。
・この直しは+1時間かかる。

こんな残業は、そう毎日あるわけではないでしょう。また、今1時間頑張れば、顧客からのクレームが来なくなり、明日の3時間が効率化されるかもしれません。こうした状況では残業してもよいと思います。(会社もそれを望むこと間違いなし)本人の達成感や社内評価にもつながりますからね。

問題は残業が常態化して、毎日2~3時間残っていたり、休日出勤が頻発するケースです。

私が所属していた中小企業はまさにこのタイプでした。特に繁忙期になると偉い人ほど労働時間が増え、休日に社内チャットが飛び交う。若手はそのやり方が「正しい」と思い込んで、そのやりとりに付き合い、同じ働き方が身に付いてしまいます。

↑で”望んで”残業をする人の存在を指摘しましたが、
なぜ望んで残業をするか、それはそれが「正しい」と思っているからです。
なぜ正しいと思っているのか、それはそう教えられるからです。
言葉になっているかは問題ではありません。
会社が”暗に”残業するのが正しいと教えているのです。

私自身はそうした残業には反対です。
今でも会社支給のパソコンもスマホも持って帰らず、残業も”突発的”なもの以外はしていません。


③ 若手は“慢性的”な残業をしてはいけない

私は、特に若い人は残業に身を捧げるべきではないと考えています。
若手時代の吸収力ある貴重な時間は、会社の残務を消化するためだけではなく、将来飛躍的に仕事ができるようになるための種まきにも使うべきだからです。
そのためには、言われたことをやるだけではなく(会社組織に属していると「言われたことをやる」のは不可避ですが)、「この仕事で自分が成長できるか」という視点を持つべきだと考えます。

「仕事をする」よりも「仕事ができるようになる」方が重要です。

「仕事ができる」とは何ぞや?というのは業種や個々人により様々意見はあるでしょう。ただ、どの業種でも共通するのは「大きな責任」「大きな裁量」がある仕事ではないでしょうか。

それを達成するためには、ソフトスキルとしてプロジェクトマネジメント能力、ファシリテーション能力、折衝能力、意思決定能力などが必要で、ハードスキルとして事務作業スキルや業種のドメイン知識などが求められます。

自分が携わっている仕事(残業)の先に、それがあるのか。
チェックが必要でしょう。


④ 研いでいない斧で大木は切れない

「木こりのジレンマ」という寓話をご存じでしょうか。

ある木こりが、がんばって木を切っている。
通りがかった旅人がその様子を眺めていたが、斧を振るう勢いのわりに、なかなか木が切れていない。
見ると木こりの使っている斧がこぼれしているようなので、旅人は言った。
「斧を研いだほうがいいのでは?」
すると、木こりは言った。
「わかっちゃいるんだけどね、木を切るのに忙しくて、それどころじゃないよ」

https://webtan.impress.co.jp/e/2017/06/27/26149

簡単に言うと、切れない斧で木を切ろうとしても非効率で、それをやるならまず斧を研いだほうが早いんじゃない?という話です。特に中小企業では教育にお金をかける余裕がありません。ろくに研修もせず、最初からOJT、いやOJTというよりは先輩の仕事を見て覚えろとばかりに、見習いよろしく現場に飛び込むケースもあります。

そんな風に現場に入った若手が、効率的に仕事ができるはずがありません。
(本人に責任なし)

単純な肉体労働なら、屈強な肉体を持った新人がベテランと同じように活躍することもあったでしょう。しかし、頭脳労働チックに高度化した企業では、知識やノウハウがモノをいうのです。

私はプログラマーではないので、どこまで本当なのかわかりませんが、プログラムの世界では、普通のプログラマーが数時間かけて書いたコードを、超優秀なプログラマーであれば、数秒で書ける、みたいなことがあるのだとか。この例は一般的な会社員目線ではちょいと極端ですが、Excelの関数レベルでも「あ、こんな簡単にできたんだ」と後から気づく、みたいなことはありますよね。

ホワイトワーカーの仕事は、多少は慣れや勉強が必要なものです。
新人は中堅の数%程度の成果しか出せなくて当然ですが、多くの場合、本人は真面目で、そんな風に開き直れません。「できないと怒られるかも」「できない奴だと思われたくない」と、自分のなりに必死になってやります。

でも、その頑張りは会社にとっても、本人にとっても、ムダになりがちです。そんなことをするなら、(オフィスワークが初めてなら)パソコンのショートカットキーやExcelの関数を覚えたりという「勉強」に時間を費やしたほうがベターでしょう。

続きは↓


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