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【残業】若手社員は残業を”マジで”やめるべき理由Part2

⑤ その残業は君のせいか?

慢性的な残業が発生している責任は、その社員本人にあるのでしょうか?

私はそうではないと思います。

会社員の仕事は年間を通して業務量が変動します。「顧客あって」なので、残業時間を減らすといってもゼロにすることは難しいでしょう。しかし、営業部門であれば"年度末が忙しい"とか、経理部門であれば"四半期ごとにアップダウンする"など、ある程度の法則があるはずです。誰もがそれに気づきながら、毎年多くの残業が生じているとすれば、それはマネジメントが放置されていることを意味します。

優秀なマネジャーがいれば、成果の質を担保する意味でも、残業の発生原因を聞き取り、その原因が取り除くために、人の手当をしたり、部分的に自動化したりという施策を検討するでしょう。

前回の話にも通じますが、
組織への影響力は中堅社員やベテラン社員が握っているのです。

例えば、システム開発プロジェクトを受託し、顧客と折衝しながらチームで開発を進めるとします。中堅社員がプロジェクトリーダーとして要件定義を行い、若手社員が仕様書を基にして10時間かけてプログラムを書く。この場合、中堅社員が要件定義段階で十分に要件を確認できていなかったら、若手社員の10時間はムダになってしまう可能性があります。こうした、指示やリソース配分のマズさが、組織の下層に影響を及ぼすのは組織の常(あってはいけないですが)なのです。

大海を漂う船で、どんなに一生懸命オールを漕いでも、船長が誤った方向に指示を出せば、永遠に目的地に着くことはありません。

現場でミスがあった場合に、本人が責任を全うするという目的で残業するというケースもあるでしょう。(前回の記事で書いた「いい残業」もこのケースです)
これが単発であればよいのですが、頻発する場合には、やはり防止策がとられるべきです。人間というのはミスをするものです。ミスが起こったら残業が発生してしまうような業務であれば、チェックリストを作るとか、ダブルチェックの体制を設けるなどして、極力発生しないようにするのが、マネジメントのあるべき姿ではないでしょうか。

⑥ 最後に頼りになるのは「自分」

若手社員が率先して残業をする場合、その裏には「使えない奴だと思われたくない」とか「ダメな奴だと思われたくない」という気持ちがあるのではないでしょうか。上司に貢献することで、将来自分にも恩恵が返ってくるのでは、という淡い期待があってのことでしょう。

しかし、その返礼品は本当に送られてくるでしょうか。

可能性はゼロではありません。可愛がられて、自分が出世する際に後継者として選ばれる可能性もあります。でも、選ばれるのは数人~数十人の内のひとり。しかも、いかに寵愛を受けようとも、あなたがある程度優秀でない限りそれは実現しません。

組織への無為な貢献を続けた末に、あなたが本当に困ったとき、会社・上司は必ず手を差し伸べてくれるでしょうか。もし、そうではないときに、頼りになるのは自分の力だけです。

大切なのは自分の力といっても、その力はどう育めばよいでしょう。
もしかすると、会社はあなたのことを育てる気がないかもしれません。

私が所属していた中小企業では、中途で入社する社員がいると、入社前の段階で「〇〇の作業をやってもらえるね。」みたいな会話が飛び交っていました。つまり、その人の適正やキャリアパスを考慮することなど一切なく、炎上しそうな自分の仕事(単純作業)を割り当てようというのです。

そんな業務にアサインされ続けたら、本来成長する社員も成長しません。

私は25歳までフリーターをしていました。アルバイトを実質的にクビになったこともありましたし、派遣社員として派遣契約を切られたこともありました。その度に、社会から自分の存在を否定されたような気分になったことを覚えています。

だからそう思うのかもしれませんが、私は会社組織というものをあまり信用していません。ひと昔前は、「家族経営」という言葉で表現されているように、新卒入社の社員は定年まで面倒をみるという風土が残っていました。しかし、そんな時代は終わりを迎えています。私自身も数年会社員として過ごしましたが、上司・同僚を家族と見紛う瞬間はなかったように思います。


⑦ 若手社員はどう振る舞うべきか

これまで書いてきたことが正しいとしても、すぐに実践することは難しいかもしれせん。確かに残業が当たり前になっている会社で、自分だけが定時に帰るのは気が引けるでしょう。会社(ヒト)というのは、正論であろうとも、極端な行動をとる人を嫌いますからね。

だから、最初は他の人よりもちょっと短いくらいにして、段階的に早く帰るようにしたらいいと思います。一度「この人は残業しない人だ」というイメージが付けばこっちのものです。それを前提として周りも動くようになります。

そして、早く帰ったら何をするか。

遊びたい人は遊んでいいと思います。

でも真面目に仕事をやりたい人は”仕事ができるようになるための”勉強をしたらいいと思います。プロジェクトマネジメントやファシリテーションは、ソフトスキル=後天的に身に着けづらいと言われていますが、解説本はあるので勉強できないわけではありません。

また、業務に関連する資格を取るのもおすすめです。
資格を取得して「自分はいつでも転職できるはず」という自信が付けば、気持ちに余裕ができて、現職にも好影響あること間違いなしです。

さて、今回は「残業」をテーマに書きました。若手社員やこれから働く学生の方々に役立てばありがたいです。

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