庵野運(unknown)

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令和6年予備試験商法再現答案

第1設問1(以下会社法は条数のみ) 1小問(1) (1)甲社は創業者Aの親族Dの有する株式100株を総額1000万円で買い取った。この際Aは令和6年3月31日における分配可能額を1200万円と判断し、株式取得の承認を受けた株主総会でも同様の説明を行った。 ところが会計帳簿に過誤があり令和6年3月31日における実際の分配可能価格は800万円だった。 (2)甲社はすべての株式につき取締役会の承認を要する旨定めているのでDは「取得請求権付株式の株主」にあたり、Dが本件株式を売却し

    • 令和6年予備試験民法再現答案

      第一設問1小問(1)(以下民法は条数のみ) 1Cの請求は所有権(206条)に基づく返還請求としての乙土地明け渡し請求である(201、202条)。これが認められるには①Cが乙土地を所有していること、②Dが乙土地を占有していることを要する。 (1)アCの父Aが機関長として搭乗するタンカー甲が令和3年4月1日太平洋上で消息を絶ち、令和4年6月22日甲船体の一部が漂流しているところが発見され、令和3年4月1日未明の火災で沈没したことが明らかになったがAの遺体は発見されなかった。 イ

      • 令和6年予備試験実務基礎科目【刑事】再現答案

        第1設問1 1小問(1) (1)ア現場の写真撮影やフェリーのチケット半券の押収は証拠物の発見を目的とする「捜査」(刑事訴訟法189条2項)にあたり、更に「強制の処分」(刑事訴訟法197条1項但書)(明示又は黙示の意思に反し、重要な権利利益を実質的に制約する処分)にあたるならば法定されている手続きでないならば違法となる。 イAはレンタカーを返却期日を経過しても尚利用を続けていたところ、同車両にて交通事故を起こし逃亡している。そのようなAが自らに捜査が及ぶような行為を承諾すると

        • 令和6年予備試験実務基礎科目【民事】再現答案

          第一設問1 1小問(1)所有権に基づく建物収去土地明渡請求権 2小問(2)被告は、原告に対し、本件建物を収去し本件土地を明け渡せ。 3小問(3) (1)Xは本件土地を所有している。 (2)Yは本件建物を所有し、本件土地を占有している。 4小問(4) (1)Y社は時計等の販売を目的とする株式会社であるが、個人で腕時計販売店を経営していたAが全額を出資し設立したAが代表取締役を務める株式会社である。 (2)Y社にはAのほか役員や従業員がおらず、Aが店舗用建物として建てた本件建物

        令和6年予備試験商法再現答案

          令和6年予備試験選択科目国際公法再現答案

          第一 設問1(以下ウィーン条約法条約は条数のみ) 1A国とB国は租借条約を締結しているところ、「当事国」であるB国は同条約に「拘束」され、「誠実に履行しなければならない」こととなる(26条)。 とするとB国にはP島を50年間租借し利用する対価として毎年1億米ドルの支払い義務が生じる(租借条約1、2条)。ところが支払い後1か月後巨大地震が発生しP島全体が低潮時においても水中に没することとなり当初予定していた利用が困難な状況になった。しかし、依然としてB国には毎年1億米ドルの支

          令和6年予備試験選択科目国際公法再現答案

          令和6年予備試験刑事訴訟法 再現答案

          第一 設問1(以下刑事訴訟法は条数のみ) 1刑罰の存否又はその範囲を画す「事実の認定」は適式な証拠調べ手続きを経た「証拠によ」り厳格な証明によってなされなければならない。(317条) 2刑事訴訟法は事件単位の原則を採用し、起訴状においては予断を生じさせうる事実の記載を排除する旨定め(256条6項参照)、前科を記載することは原則として認められない。 本問において起訴された公判中の事件①において甲と弁護人は犯人性を争わず金品奪取目的の犯行として強盗罪が成立する旨の心証を裁判所は

          令和6年予備試験刑事訴訟法 再現答案

          令和6年予備試験刑法 再現答案

          第一甲の罪責(以下刑法は条数のみ) 1Aが落としたAの有するコインケース(本件コインケース)を拾った行為1に窃盗罪(235条)が成立するか。 (1)本件コインケースは「他人の財物」に該当するか。 ア法律関係が複雑化した現代社会においてはひとまずその占有を保護すべきである。そこで「他人の財物」とは他人の占有する財物と解する。 イ本件コインケースは「他人」Aがズボンの後ろポケットに入れており、通常金銭を支払って入手するものなので「財物」といえる。 ウAは本件コインケースを占有し

          令和6年予備試験刑法 再現答案

          令和6年予備試験行政法 再現答案

          第一 設問1(以下行政事件訴訟法は条数のみ) 1Xに原告適格が認められるか。Xが「法律上の利益」(9条1項)を有するか問題となる。本件申請はBC間になされたものであり、Xに対し直接なされていないからである。 (1)ここで「法律上の利益」の文言の意義が問題となるも、当該処分によって自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害される恐れのあるものをいう。法律上保護された利益といえるかは当該処分の根拠法規が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消

          令和6年予備試験行政法 再現答案

          令和6年予備試験憲法 再現答案

          1.答案 第一 (1) A集落のA町内会は同集落の住民が自治的に組織した任意団体であるところ、地方自治法260の2(以下「地自法」)の「認可地縁団体」にあたり、町内会費として一世帯当たり年額8000円を徴収している。そのうちC神社祭事挙行費として年額約1000円を徴収しているが、これは許されるか。 1まず、同挙行費が「公金その他公の財産」(憲法89条)に該当し、これを「宗教上の組織」に「支出」ないし「利用に供」させて、憲法89条に違反していないか問題となる。 (1)A町内会

          令和6年予備試験憲法 再現答案