見出し画像

理学療法士の経験を活かし、“身体機能を回復・整正”に導くMTRセラピストへ転身│インタビュー

幼少期からサッカーに没頭し、小学校で全国大会優勝、高校で静岡県大会優勝の経験をした仁木洸平さん。しかし、高校時代に怪我や身体感覚の変化を経て「自分の體はプロでは通用しない」と自覚し、理学療法士の道を選択しました。

同じサッカー部だった同級生達が推薦で大学へ進学をする中、なぜ推薦入試ではなく“理学療法士”という別の道を目指すことにしたのか?

また、彼が理学療法士として勤務した11年間で、担当した患者数は約5万人。そんな膨大な人数を担当し体調を崩す経験も経て、次のキャリアとして選んだのは現職の*MTRセラピスト

*MTR…Muscle Total Reactivationの略で、人間が感じる痛みの原因を根本的に解決する画期的メソッド。痛みの原因のほとんどが神経ではなく、筋肉の拘縮によって血管が圧迫されることで起きる血流障害によるものと考える。筋肉が硬く縮こまった筋拘縮や筋攣縮の蓄積が血管を圧迫し極度の酸欠状態を引き起こし、ブラジキニンという強烈な発痛物質が分泌されることから、この痛みの原因となる筋拘縮をしっかり解除することに主眼を置くもの。

MTRメソッド元サッカー日本代表の選手サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の選手のサポート実績があり、特にサッカーにおける怪我防止からパフォーマンスアップまでトータルで堅実なフィットネスケアを実現しています。

当時の理学療法士としての経験や、現在MTRセラピストとして活躍する中で心掛けていることなどについて、お話をお聞きしました。

ー  前編 理学療法士について  ー

■リハビリの分野では「作業療法士」「理学療法士」が有名ですが、なぜ理学療法士を目指したのですか?

知り合いの方が作業療法士として働いていて、その方から理学療法士という職業を紹介してもらいました。

「作業療法士は精神の問題」「理学療法士は體の問題」と、おおまかに分野が分かれています。僕はスポーツを長年していたこともあり、スポーツにも携わるという点で、その方は理学療法士を薦めて下さいました。
僕自身はスポーツへの心残りと、自分が怪我をした際に競技復帰が順調でなかった経験も後押ししていたと思います。でも、当時はそこまで「この仕事をしたい」というような明確な意志というよりは、「他より興味があるな」という感じでした。

■理学療法士というお仕事について、もう少し詳しく教えて頂けますか。

基本動作能力の回復”という点を、患者さんと一緒に考える時間が一番多いのが、西洋医学では理学療法士だと思います。現状の理学療法士の業界では、専門性という点で、運動に重きを置いています。

現場では「動かないと、體が硬くなってしまう」「痛いけど、筋肉が弱くなるから動きましょう」と、患者様をやや無理に運動させようとする傾向もありました。

■理学療法士の経験を経て、現在のセラピストの業務に活かせる部分は何でしょうか?

解剖学、生理学、運動学等の體の知識となる部分、その基礎知識を身に付けてきたことは活かせると思います。

でも、それよりも重要だと感じる点は“ヒトの體に多く触れてきた”ことだと思います。

現在、当社での新人研修の講師も担当させて頂いています。新人の方々の実技を見ていても、幼少期にご両親や祖父母のマッサージ等で體を触っていた方は、触る感覚や感じ取り方がいいなと思います。

質も絶対的に大事ですが、様々な方の體を触るということは、“その情報が蓄積される”ということです。その経験値で、差が出ると思います。逆に、情報の蓄積が弊害にもなる場合もありますが、やはり面白い部分です。

僕自身は病院勤務の際、1日30〜40人の方を触らせて頂いた経験があります。それはセラピストの業務にも、活かせる部分だと思います。

■何事も圧倒的な“量”は大切ですね。「ヒトの體に多く触れてきた」という経験は看護士や介護士も該当しますが、それらの職業とは異なる“理学療法士“の経験の強みを、さらに詳しく教えていただけますか?

理学療法士:基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防
看護師:傷病者や妊産婦の療養上の世話
介護福祉士:日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護

上記のように理学療法士は「その方の基本的動作能力を回復を図るために、體に触れる機会が多い」「體が適切に動き、*ホメオスタシスの生命力を発揮させるために、考えて體を触る」、ということが強みだと思います。

*ホメオスタシス…体温や免疫等の身体の状態を一定に保とうとする機能

■理学療法士の11年間のキャリアでは、約5万人の患者様を担当したそうですね。

はい、数の経験もしました。一方で、訪問では1人の患者様に長い時間をかけても診させて頂きました。

その経験も経てここ数年で実感したのは、どんなに数を経験しても、1人の方に長い時間をかけても、自分自身の體が整い充実していないと「本当の意味での“触れる成長”は、しないのではないか」ということでした。

ー  後編 MTRセラピスト編  ー

■MTRセラピストとして大事にしていることも、「自身の體が整い充実していること」でしょうか?整えるために、取り組まれていることはありますか?

はい。自分の體の状態は、他者への影響は計り知れないので大事にしています。

【自分自身で取り組んでいるもの】
・運動
・栄養
・呼吸法
・セルフ整体
・ボディワーク

【第三者に対応してもらう・習うもの】
・整体
・メタトロン
・オステオパシー
・気功
・忍者稽古
・武術稽古

などで、人から勧めてもらったものはなるべく時間見つけて行くようにしています!

◼️「他者への影響は計り知れない」と気づいたきっかけは、何かあったんでしょうか?

理学療法士として働き出して2年目くらいから、別人と言われるくらい勉強し始めて、講義、勉強会、書籍で知識を身に付けて、実際に患者様の體を触らせてもらう中で、実感をしました。

◼️その実感が、“確信に変わった“きっかけはありましたか?

僕自身は子供はいませんが、弟や同級生の赤ちゃんを抱っこした時ですね。生まれたばかりの赤ちゃんを抱く、触る際にこちらが緊張してしまうと赤ん坊も暴れまくり収まりが悪く、僕自身も疲れてしまいます。

新生児よりは少し大きなお子さんの施術をさせてもらう機会もありますが、その際にも同じです。こちらが緊張や力が入りすぎてしまうと、ものすごい触る際に嫌がられます。

薬、ワクチン、添加物、人工甘味料などの體にとっての異物感が少ないお子さんは特にです。

それは大人も一緒で、體と向き合っている方であればあるほど、その影響は強いと思われます。

■理学療法士から、MTRセラピストへ転身された理由についても教えて下さい。

僕は今の会社で3社目になります。
3社目は「この人の下で働きたい、勉強したい」と思える会社で働こうと思っていました。

3社目の職場を模索していた時に、友人から今の職場の社長を紹介してもらいました。入社前に社長とお話をさせてもらう中で、社長の経営ビジョンを聞いて「自分の知らない世界をみせてくれそうな方だな」と感じました。それが一番大きな理由です。それ以外にも、入社後に栄養の勉強ができることなども魅力を感じました。

■MTRセラピストの、プロとしての役割は何だと思いますか?

お客様ご自身が
「自分で行動・選択できる“體と心に導く”」のが仕事だと思います。

■ご自身のセラピストとしての課題、それを改善するために取り組んでいることも教えてください。

“質を高める”です。

今まで浅く広く学んできたのもあり
「触れる、動かす、知識、人間力」など、1つ1つを丁寧に質をあげていく事がいまの課題です。

■セラピストとして「良い施術ができた」と、特に印象に残っているお客様についても教えてください。

そうですね、1人目は、施術後に「筋肉が緩んだ感覚」について話して下さったお客様です。筋肉が緩んだ際に、サーッと流れ繋がっていく感じが、お腹から足の先まで感じたそうです。

2人目は、ラーメン大好きな女子高生(週5回ラーメン)のお客様が、ラーメンを卒業したことです(笑)

■1人目のお客様が「筋肉が緩んだ感覚を、足先まで感じた」というのは、體全体の筋肉が“一つの筋肉”として繋がっているからでしょうか?

「筋肉、血管、筋膜、脂肪、皮膚、神経、細菌等」、様々な體の繋がりはあると思うのですが、社長が重要と考えている“血流”が流れている感覚なのかなと思います。

■その女子高生の方は、なぜラーメンを卒業できたのでしょうか?

はじめてのお客様には、“お食事の確認と栄養の説明は必須”です。

「ラーメンを食べている自分を俯瞰して見てみてどう思う?」
「自分がどうなりたくてラーメンを食べてる?」と質問をします。

栄養の體への影響を説明した上で、自分自身に向き合ってもらえるように話をしていきました。彼女が、自分自身と向き合った結果だと思います。

筋肉の緩みやすさも同様で、ご自身の體と向き合った人の方が緩みやすいですね。

■栄養については、どのようにお客様に説明をされるのですか?

基本的にはケースバイケースですが、
流れとしては“痛みを抱えている方”が多く来院されるので、下記をお伝えします。

【痛み物質は血流の阻害で発生】
筋肉の硬さが血管を圧迫
→何かのきっかけで痛み発生
→改善するには筋肉を緩め血流が改善し、痛み物質が流れる必要有
→筋肉緩むためには「エネルギー」が必要

エネルギーは普段食べている物(栄養)なので、下記もお伝えします。

【食事について】
・食事変えないと體は変わらない
・普段どんな食事か(朝、昼、夜、間食、嗜好品)
・糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルについて
・添加物、人工甘味料の確認と取ることの危険性

また、「質の良いもの食べていても、腸がしっかり機能していないと吸収ができないこと」「一番身近な協力者“腸内細菌”に優しく厳しくして欲しい」などもお伝えします。

お客さんの知識、理解度、向き合い方で順番や伝え方は変わりますが、流れとしてはこんな感じです。

■最後に、これからセラピストを目指す人達へ向けてアドバイスをお願いします。

體を大事に
體を鍛え
體と向き合い
體に感謝し
突き進んで行動して欲しいです!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

探究心・向学心が高く、時に謙虚。
全国優勝をしたサッカー時代も、理学療法士時代も、ご自身のことを振り返って「できない」「覚えが悪い」とおっしゃっていました。

何事も“わかったふり”ではなく「考えて、知りたい」、その氣持ちが強いので余計に時間が掛かるそうです。「時間はかかるけど、肚落ちさせるまでは貫く」、その信念と模索期間の効果もあり、施術指導の際は各個人の成長具合に適した指導、伝え方を心掛けているそうです。

インタビュー中も、一つ一つの言葉選び、説明がとても丁寧な方でした。良きセラピストであり、数年後に指導者としても飛躍している仁木さんの姿が浮かびました。

こんな向上心溢れるセラピストのいる現場であれば、一緒に働く仲間としても、施術を受けるお客様の立場でも、人生を触発される“密度の濃い時間”を過ごせること間違いなし。

體の痛みで悩んでいる方、仕事の取り組み方に悩んでいる方、是非筋肉チューニング整体院 UROOMへお立ち寄り、またはお尋ね下さい。

UROOM: https://www.uroom.jp/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?