紅紫

インプットしたことをアウトプットしてみたいと思い立ち、noteを始めました。 アート系…

紅紫

インプットしたことをアウトプットしてみたいと思い立ち、noteを始めました。 アート系がメインになりそうですが、その時々の興味あるものを綴っていければと思います。

最近の記事

芹沢銈介のsense of world

2024年10月某日 生誕130年 芹沢銈介の世界 日本民藝館 タイトルにもあるとおり、来年生誕130年を迎える染色家・芹沢銈介(1895-1984)。 節目の年だからなのか偶然なのか、今年は 2月に東京国立近代美術館 7月に柏市郷土資料展示 そして今回10月の日本民藝館 と3回も芹沢銈介の世界に触れることに。 なんだろう、やっぱり好きなんだろうな。 型染めがまた生活になじむというか。 日用品とか生活の道具と親和性があるというか。 さりげなくすーっと日常に溶け込む芸術と

    • ハニワと土偶の過去現在未来

      2024年10月某日 東京国立近代美術館 ハニワと土偶の近代 待ってましたハニどぐ。 展覧会のサイトを見たときから、切り口がおもしろそう!って思ってた。 出土遺物=ハニワ、土器、土偶を幅広く取り上げていて、自分の見方も広がるのではと期待に胸を膨らませて。 で、その期待を裏切らないモリモリ盛りだくさんな展示だった。 ニヤニヤしたり、ほええ~と感心したりしながら観た。 ハニワと土偶に歴史あり。 ま何千年何万年レベルなので、当然だけども。 時代によって見方や意味合いがかな

      • 心揺さぶられる田中一村の世界~追記あり

        2024年9月某日 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 東京都美術館 田中一村。 チバシビ(千葉市美術館)で初めてまとまった作品を観たのが3年前。 ほとんど知らなかったけど、ふと見たチラシになぜかグッと来て。 日本画の手法とトロピカルが融合したような、不思議な雰囲気をまとった絵がとってもおもしろかった。 と同時に、人としても画家としても山あり谷ありすぎて…谷が多めな気がして…なんとも切ない気持ちにもなった。 とにかく独特な世界観をぐいぐい感じて、心に深く刻み込まれたのだった。

        • 見ているようで見ていない「空」を見つけに

          2024年9月某日 空の発見 渋谷区立松濤美術館 香月泰男のメインビジュアルにグッと心を掴まれて。 「空」がテーマなのね~って、ん?タイトルをよく見ると「空の発見」とのこと。 空を発見するとは、いかに? ということで改めて展覧会のごあいさつをちゃんと読んでみる。 日本人は近世になるまで、「空」を現実的に描くという意識がなかったって! 空間を金箔や金雲で表現するのって、いつの間にか自然に受け入れてたけど、これってかなり独特なセンスだって! それから現代へと至る「空」への

        芹沢銈介のsense of world

          物はものを呼び人を呼ぶ

          2024年9月某日 物、ものを呼ぶ 伴大納言絵巻から若冲へ 出光美術館 2024年12月より、ビルの建替計画に伴い休館するという出光美術館。 ほな休館前に行っとこうと思っていたところ… タイトルの「物、ものを呼ぶ」って、板谷波山が出光佐三に贈った言葉だっていうじゃない。 先日の板谷梅樹の展覧会で板谷家と出光家のつながりを知ったばかりだし、 これはいい流れ、観に行く流れやで!ということでさっそく行ってきた。 板谷波山は出光佐三に 「なんらかの理由で別れ別れになっている作品

          物はものを呼び人を呼ぶ

          人々の生活をいろどる板谷梅樹のモザイク

          2024年9月某日 特別展 昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界 泉屋博古館東京 展覧会のチラシを見たときから気になっていた、板谷梅樹というモザイク作家。 美術館でモザイクをじっくり観ることって、あんまりないかも。 それこそ壁面や床が多いような気がする。 板谷梅樹の作品は、額に納まるくらいのサイズから、お皿や装身具など手で触れられるものが多い。 1つ1つのピースが細かいな~銀細工と合わせてて繊細だな~ などなど、なんだか新鮮な気分で鑑賞した。 板谷といえば、板

          人々の生活をいろどる板谷梅樹のモザイク

          ちっちゃなビーズがおっきな想いをつなげる

          2024年8月某日 世界のビーズ 文化学園服飾博物館 気になっていた「世界のビーズ」。 個人的に、2022年に観た松濤美術館のビーズ展がおもしろくて印象に残ってて。 世界中のいろんなビーズのいろんなアレンジが観られて眼福だったなあ。 ということで、やっぱり来ちゃった文化学園服飾博物館の「世界のビーズ」。 2024年1発めのアート鑑賞が文化学園服飾博物館の「魔除け-見えない敵を服でブロック!」だったんだけど、今回の「世界のビーズ」と結構リンクしてた! その時思ったのが、服に

          ちっちゃなビーズがおっきな想いをつなげる

          あの世とこの世のはざまを、原宿で

          2024年8月月某日 浮世絵お化け屋敷 太田記念美術館 年々暑さの記録を更新し続けている日本の夏。 心理面からヒンヤリしてみよう、ということで太田記念美術館のおばけたちを観に行ってきた。 おばけ=幽霊だけでなく妖怪やなんだか変わった生きものなど、怖いやらおもしろいやらで。 ヒヤッとしたくて行ったけど、ニヤッとすることも多々あり。 メジャーどころからなかなかお目にかかれないものまで、いろいろ観られておもしろかったなあ~ 得体の知れないものから人間の残酷さなど、いろんな意味

          あの世とこの世のはざまを、原宿で

          アート作品を体感する空間 アーティゾン美術館

          2024年7月月某日 空間と作品 作品が見てきた景色を探る アーティゾン美術館 たっぷりの所蔵品を、ユニークな切り口で魅せる展覧会「空間と作品」。 古今東西、ジャンルを飛び越えた作品が一度にいっぱい観られておもしろかった。 4~5~6階の3階分ぶち抜きで開催中~ 当時はこんな感じで飾られていたんじゃあないかな、という妄想を元に空間演出を施したり。 QRコードから作品にまつわる学芸資料にアクセスして、ウラ事情がゲッツできたり。 好奇心をくすぐられまくりだった。 メジャーな

          アート作品を体感する空間 アーティゾン美術館

          甘くて辛い熱意とセンスの人 武井武雄

          2024年7月某日 生誕130年 武井武雄展~幻想の世界へようこそ~ 目黒区美術館 武井武雄をご存じ? 実はよく知らなかった私。 「童画」というワードを生み出した「童画家」。 だけでなく版画家、デザイナー、教育家としても活躍。マルチだ。 さらに郷土玩具収集にのめり込み、本まで出した。 その本は郷土玩具界のバイブル的なものなのだとか。 というのを知ったのは『アウト・オブ・民藝』という書籍から。 気が向いたときにちびちび読んでいる、おもしろい本なの。 で、ちょいちょい登場す

          甘くて辛い熱意とセンスの人 武井武雄

          写本という言葉には収まらないゴージャスな中性ヨーロッパの写本

          2024年6月某日 内藤コレクション  写本 - いとも優雅なる中世の小宇宙 国立西洋美術館 サブタイトルどおり、「いとも優雅なる中世の小宇宙」にひたってきた。 羊や子牛など動物の皮に手書きテキストで作られていた、中性ヨーロッパの書物・写本。 テキストもさることながら、テキスト内外にほどこされた装飾や変な生きもの(?)がみっりち描き込まれていた美しかったなあ。 金が盛り盛りだったり、赤・青・黄・緑など限られた色味を効果的に配置したデザインなど、もう一枚一枚が美術作品レベ

          写本という言葉には収まらないゴージャスな中性ヨーロッパの写本

          柏と砂川七郎と芹沢銈介

          2024年6月某日 第30回芹沢銈介作品展「芹沢銈介と人」 柏市郷土資料展示室 千葉県柏市が芹沢銈介の作品を所有していて、「砂川コレクション」と呼ばれている。 砂川七郎という人が芹沢作品にグッときて、生涯にわって蒐集したのだそう。 自宅を「砂川美術工芸館」として作品を一般公開していたが、諸事情あって閉館。 コレクションのほとんどを柏市に寄贈したとのこと。 その後定期的に柏市郷土資料展示室で公開されていて、今回が第30回め。 平成20年からずーっと続いていてなにげにスゴい!

          柏と砂川七郎と芹沢銈介

          広いアジアの歴史と人物に思いを馳せる

          2024年6月某日 アジア人物伝-歴史を織りなす人々- 東洋文庫ミュージアム 最近Eテレで放送中の「3か月でマスターする世界史」を見ている。 世界史をアジア目線でとらえた番組。 4月からスタートしていて、 メソポタミア、遊牧民、オリエント、古代ローマ、宗教、イスラム、東アジアの攻防、モンゴル帝国の繁栄、東西の文化交流、帝国の解体、ルネサンス、明王朝、大航海時代、ヨーロッパがアジアに変わって世界の覇権を握る… ところまでが流れでわかるようになっている。 その興味の流れで、東

          広いアジアの歴史と人物に思いを馳せる

          三の丸尚蔵館の名品にしびれる

          2024年5月某日 皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」 ●第4期:三の丸尚蔵館の名品 さすが皇室、ええもん持ってはる。 まあ当然と言えば当然だけれども。 「皇居三の丸尚蔵館」として生まれ変わった記念の展覧会。 気になっていたものの、訪れるタイミングを逃していたところ… 第4期のラインナップが結構ええやん! ということで日時指定チケットをゲットしてゴーーー 皇居の門の中に入ったの、初めてかも。 東御苑や天守台などをぶらぶら。 石垣の石がデカい。そし

          三の丸尚蔵館の名品にしびれる

          持ってるだけでウキウキしちゃう袋物

          2024年5月某日 時代とあゆむ 袋物商 たばこ入れからハンドバッグまで たばこと塩の博物館 袋物、と聞いて思い浮かぶのはまず巾着。 個人的に巾着バッグが気になっているところ。 あるいはポーチ。 ポーチはいくつあってもいい、と思う。 以前煙草を吸っていたときは、煙草を入れる用のポーチをいろいろ持っていたなあと思い出す。 その時々の気分で使い分けてたなあ。 ということでタバシオによる袋物の展覧会。 煙草はもちろん、貴重品や懐紙などを持ち歩くのに必需品だった袋物。 日常的に身

          持ってるだけでウキウキしちゃう袋物

          シュールの先駆け 形而上的に我が道を貫いたデ・キリコ

          2024年5月某日 デ・キリコ展 Giorgio De Chirico:Metaphysical Journey 東京都美術館 去年から気になっていたデ・キリコ展。 あんまり良く知らないからこそ観てみよう!と心待ちにしていたのだった。 人生いろいろ~な感じで、その辺も含めておもしろい人ってイメージ。 シュルレアリスムに影響を与えながらも、シュルレアリストとはややこしい関係だったらしいし。 ただもんじゃあない雰囲気の面構えに、描く絵も一筋縄ではいかないって感じ。 ところで

          シュールの先駆け 形而上的に我が道を貫いたデ・キリコ