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持ってるだけでウキウキしちゃう袋物

2024年5月某日
時代とあゆむ 袋物商 たばこ入れからハンドバッグまで
たばこと塩の博物館


袋物、と聞いて思い浮かぶのはまず巾着。
個人的に巾着バッグが気になっているところ。
あるいはポーチ。
ポーチはいくつあってもいい、と思う。
以前煙草を吸っていたときは、煙草を入れる用のポーチをいろいろ持っていたなあと思い出す。
その時々の気分で使い分けてたなあ。

ということでタバシオによる袋物の展覧会。
煙草はもちろん、貴重品や懐紙などを持ち歩くのに必需品だった袋物。
日常的に身につけるもんだから装飾に凝っちゃって、さまざまに意匠を凝らしたおしゃれアイテムに。
その気持ちわかるわあ。そりゃあそうしたくなるってもんだわあ。

時代の移り変わりとともに形をかえつつ発展していった袋物。
『日本囊物(ふくろもの)史』なんていう通史が出版されるまでに。
当時の人たちの袋物への想いをジンジン感じながら鑑賞したのだった。


I 出かけるお供に袋物

倭健命(やまとたけるのみこと)が火打石を入れるために袋を持っていたそうな。
すごい遙か昔からはじまりつつ、なんやかんやで煙草の伝来がターニングポイント。
江戸幕府が「贅沢禁止!」とツッコミを入れるくらいにまで素材や細工に凝りまくったのだった。
その気持ちわかるわあ。


熊の毛皮と狼?の歯の根付。獣の強さにあやかりたかったのかしらね


渋い。でもよく見ると表の金具の細工が細かくて「およっ」となる。
根付との組み合わせもセンス出るよね


左:歌舞伎役者は煙管(きせる)でかっこよく煙草やるよね
右:留め具のデザインがおもろい


女性用。柄が素敵。共布でセットであつらえるの、いいなあ


着物ならではの携帯方法から生まれたアイテム。藤編みや鎖に手仕事を感じる


大人気の更紗。異国情緒にグッとくるのかしらね

クラッチバッグの元祖のような紙入れ。
そういえば子どもの頃、ポケットティッシュ入れを作って母親にプレゼントしたことがあった。
ずーっと使ってくれてたなあ…


さすが御殿女中グッズ。ゴージャス


お守りを入れる守袋。専用袋にいれるくらい、大事にしていたんだなあ。水仙の刺繍がかわいい~


象牙で仕立てたり、いろんなアイテムが格納できたりっていい感じに凝りまくり~


国芳によるかっこいいお姉さん。一服後の二服めらしい


弥次さんの顔がおもろすぎる。
伊勢の名物壺屋のたばこ入れをちゃっかり宣伝する東海道中膝栗毛


これ実物はすごく大きい。ディスプレイ用らしい。
火の用心の方は、松浦武四郎が持ってたのを思い出す



II 見どころだらけのたばこ入れ

たばこ入れ本体の素材、金具、きせる、根付の各アイテム。
金工や漆芸、革加工などさまざまな工芸の技。
そこで袋物商がお客のためにトータルプロデュース。

明治になると刀関係の職人たちが袋物を含めた生活用品のジャンルに進出。
「見て楽しむ工芸品」としての黄金期を迎えた袋物なのだった。
いや~ホント装飾の技と組み合わせのおもしろさに感心しっぱなしだったよ。


渋~い縞と金唐革。シックな色味とギラギラと。
兎の根付にキュンキュン


やっぱり金唐革はパンチ効いてる。翡翠の差し根付が素敵


これこれ、こういう組み合わせがすごい洒落てんのよ。
本体の布、金具のモチーフ、根付、腰差し、つなぐパーツ。
ニヤニヤしながら組み合わせてるんだろうなあと想像。


これもいいなあ。縞柄と金具とトンボ玉みたいなのとか
恋し焦がれたインドの更紗。その気持ちわかるわあ


その更紗の端切れをパッチワーク的に縫い合わせたもの。ん~一点もの


お福さんがいっぱい。めでたい。つなぐパーツも宝づくしでさらにめでたさアップ


象牙をふんだんに使用したセット。面の面構えがパンチ効いてる~


鼈甲の腰差しが立派だわ。赤い珊瑚がアクセント


藤編みや竹編みの技が光る。ホント根付がおもしろいなあ


丸嘉という袋物メーカーの販促品


おもしろ素材コーナーーー亀の甲羅、熊の足、霊芝


師弟で技を競ったようなセット。渋いけどよ~く観るとすっげえ!な技がてんこ盛り。



【八代目桂文楽旧蔵コレクション】


たばこ入れ専用からくり箪笥、をしつらえた八代目桂文楽。


文楽コレクショ~ン


III 時の流れと袋物

紙巻きたばこが普及すると形も変わっていく。


【山本コレクション】

幕末に開店した山本袋物店がルーツのヤマモト鞄店。
タバシオがそのコレクションを受贈した。
金具のパーツもまとまっていて興味深い。


クラシックな形


縦型。今っぽい


腰差しが眼鏡入れに流用されていく


がま口って、かわいいなあ。たまに欲しくなる


腰の帯に引っかけて使う新川という銭入れ。
ほえ~こんなアイテムがあったんだねえ~着物ならでは


紙幣になったら紙幣入れが必要。しかもおしゃれな柄や素材で仕立ててくれる


デッドストックの布素材。和更紗や印伝風なんてのもあったんだねえ


金具などのパーツと根付。何と組み合わせようかな~って考えるのが楽しそう。
よくぞ残ってくれましたって思う


巾着って、いろんな使い道があると思うの


異国情緒漂うクラッチバッグ


思い切った大柄もコーディネートのアクセントにはぴったり



IV 袋物商による袋物史

『日本囊物(ふくろもの)史』
今回の展覧会の章立てはこちらに基づいたもの。
日本橋の袋物商イセダヰの代表社員・井戸文人(いどぶんじん)が、いろんな人からのリクエストにより編纂した袋物の通史。


表紙は更紗の布張り


文人による木彫極込人形。多彩な人だ


【人気芸者のたばこ入れ 吉住はまコレクション】

3階コレクションギャラリーにて。
琵琶の名手の赤坂芸者のはま姉さん。
愛煙家で自分好みのたばこ入れをたくさんあつらえた。


柄物いろいろ。やっぱりセットで


ホントにたくさんお持ちで


帯とのコーディネートも

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