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記事一覧

音を聴く(掌編小説)

 ド、ド、ド、ド、ド。  およそ一週間前だった。ピアノの音が部屋の空気を揺らすようになったのは。迷惑、と感じるくらいに強い音ではない、シャボン玉のような丸いもの…

どいる
3週間前
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壁(掌編小説)

 わたしは壁と一体化するのが得意である。さて、どういうときに壁になるのかと言えば、例えば妻と娘がつまらぬ言い争いをしているとき、社内でなにやら火の粉を食らったと…

どいる
3週間前
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水に浮かぶ②

 しーちゃんは、よしじゃあ水着買いにいこう、と言って立ちあがる。そのときに、しーちゃんの服についたかみが床にぱらぱら落ちていく。床をよくみると、数はおおくないけ…

どいる
1か月前
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自己紹介

こんにちは。どいるです。 名前の由来はコナンドイルのドイルです。 シャーロックホームズ好きです。 シャーロックホームズになりたくて、心理学を読み漁っていた時期があ…

どいる
1か月前
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水に浮かぶ①

 明日は一日水に浮かぶ日なんだよ、て、いきなりしーちゃんが言った。しーちゃんは、顔の前に顔だけが映るくらいのちょうどいい大きさの鏡おいて、まえがみ切ってる。刃が…

どいる
1か月前
音を聴く(掌編小説)

音を聴く(掌編小説)

 ド、ド、ド、ド、ド。
 およそ一週間前だった。ピアノの音が部屋の空気を揺らすようになったのは。迷惑、と感じるくらいに強い音ではない、シャボン玉のような丸いものに包まれたように優しい音で、つい耳を傾けてしまう。
 ド、ド、ド、ド、ド。
絶対に“ド”以外の音が鳴らされることはない。同じ音を連打しているだけのそれは、はたして音楽と言えるのだろうか、と考えていると、今日もまた、ド、ド、ド、ド、ド、と聴こ

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壁(掌編小説)

壁(掌編小説)

 わたしは壁と一体化するのが得意である。さて、どういうときに壁になるのかと言えば、例えば妻と娘がつまらぬ言い争いをしているとき、社内でなにやら火の粉を食らったとき、街中で不審者が平和をぶっ壊しているとき、わたしは壁に身体をぴたりと寄せ、壁の一部になる。壁はわたしを吸収し、わたしは壁の内部に入る。壁になっている間、わたしはわたしという存在を手放し、壁という生命を身体に吹き込まれる。壁の中に入ったわた

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水に浮かぶ②

水に浮かぶ②

 しーちゃんは、よしじゃあ水着買いにいこう、と言って立ちあがる。そのときに、しーちゃんの服についたかみが床にぱらぱら落ちていく。床をよくみると、数はおおくないけれど切られたかみがそこら中に散らばっている。そのひとつが鼻にはいったのか、むずむずしてきてくしゃみがでた。多分そのくしゃみで、ごみと化したかみがさっと動いた。
 しーちゃんは掃除機持ってきて、それらを一気に吸いあげる。みていると、掃除機が通

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自己紹介

自己紹介

こんにちは。どいるです。
名前の由来はコナンドイルのドイルです。
シャーロックホームズ好きです。
シャーロックホームズになりたくて、心理学を読み漁っていた時期がありましたが、近づけたかどうかは謎のまま……。
心理学のほかに哲学も好きです。
というか、いろいろ好きです。

大学での専門は芸術文化でした。

ほかに好きなものとしては挙げられるのは
☑️耳をすませば
☑️学園アリス
☑️ラフマニノフ

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水に浮かぶ①

水に浮かぶ①

 明日は一日水に浮かぶ日なんだよ、て、いきなりしーちゃんが言った。しーちゃんは、顔の前に顔だけが映るくらいのちょうどいい大きさの鏡おいて、まえがみ切ってる。刃がぎざぎざになってるはさみ使って、なれた手つきでちょきんちょきん、うわあ、短すぎたかな? って言ってくるしーちゃんのまえがみみてみると、ちょうどまゆげと同じラインの長さになっていて
「ちょうどいいと思うよ」
 と返すと
「そう? でもさ、まえ

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