体育嫌いが運動好きになるまで
まずはギリギリアラサーの私が、保育園児だった時の話をしたい。
当時私の保育園では、希望者がだけが保育士さん引率の下、隣の公園でサッカーができたのだが、ある時に何故か私も希望したことがある。他の園児に煙たがられ泣きそうになったのだが、今思えばそれも仕方なかったのだろう。
実際、サッカーを希望する園児は運動が得意な子ばかりで、明らかに運動音痴な私は、ボールがきても上手く蹴れず、ひたすら皆の足を引っ張っていたのだ。周りのうんざりした目と、惨めな気持ち。思えばあの頃から運動が嫌いだった。
小学生になって体育の授業が始まると、授業がある日には本当に学校に行きたくなくて、次の日体育がある日は眠れなかった。
高校時代は体育をサボりすぎて卒業が危うくなった。やっと体育から逃れられる大学生になると、歩くのすらめんどくさくなり、どんどん動くこと自体が嫌いになっていった。
分岐点は27歳の頃だ。体力がいよいよ無くなり、仕事のない土日はひたすら寝ないと月曜日が迎えられない。仕事が忙しくなるとすぐに体調を崩す。毎年冬にインフルエンザでお休みするのが会社の風物詩だった。
寝るのも好きだったし、運動はしたくなかったし、家にいても楽しいことはたくさんあった。
なのに、このまま年を重ねていくことに心底つまらなさみたいなものを感じた。
そこでまずは帰りに一駅分歩いたり、階段を使ったりしだしたのだが、それ以上の運動するモチベーションが上がらなかった。
そんな中、モチベーションを上げる、アファメーションという方法をみつける。
やり方は単純、「私は運動が好き」「体力がある」「運動神経がいい」とか適当に理想な状態を頭の中で唱えるだけである。そうするとだんだんそんな気がしてきて、潜在意識がそうあろうとした結果、本当にそうなる行動を無意識にとってしまうというものである。
嘘みたいだが、私はこれを本気でやることにした。なぜなら、お金もかからない、誰かに迷惑かけることもない、失敗したらただ自分が無駄な時間を過ごしただけ。ノーリスクなのだ。上手くいけば180℃違う自分に会える。結局私はなんでもいいから別の自分に変わりたかったのだ。
あれから6年程過ぎたが、アファメーションはサボりがちだし、未だに自覚は「運動神経悪いし体力はない私」である。
にも関わらず、私は朝起きれば軽く筋トレをして、エレベーターやエスカレーターを使わず、毎日走ることやスポーツを楽しみに生活している。
体力のなさから激しい運動をすると体調を崩しがちだったが、HIIT(高強度インターバルトレーニング)で克服した。
運動センスのなさで何度も怪我をしたが、動画を撮って何度も修正することで改善していった。(運動音痴の自覚がある方は特に怪我には注意されたし。)
つまり受験勉強と同じように、運動能力も少しずつ努力で上げていくことはできるのである。
さらにスポーツを通じて知り合う人はカラッとして明るい人が多く、私自身もそうした人と接する中で変わっていったと思う。アファメーションに効果があったかは定かではないが、確かに文字通り人生が180℃変わったのだ。
運動好きになって気がついたことだが、元来人は体を動かすのが好きで、運動嫌いな人なんて存在しないんじゃないか。
人と比べて体力がなかったり、運動のセンスがなかったりして、惨めな気持ちの中嫌になってしまって、そのうち疲れることだけだと思ってしまうのではないか。
反論したい方もいると思う。たしかに運動が嫌いな方もいるだろう。
でもきっと私のように、本当は体を動かすのが好きなのに、苦手だから嫌いと思い込んでる人も多いのではないだろうか。
昨今健康需要が高まる中で、運動の重要性とさまざまな効果が知られてきている。
その中で、人と比べないで自分の中で成長していく楽しみを見つけていける。その中で自信をつけていける。
そのことが1番運動のメリットなんじゃないかと思う。
運動を始めるには、まず固定観念に縛られないのが重要だ。
なんでもいい、YouTubeの宅トレでもいいし、10歩だけ走ってもいいし、気持ちよく体を伸ばすことも運動だ。そしてそれができたことで少し変わったと自覚してみる。もしまた運動したくなったらしてみる。その繰り返しでいい。
さて、今日はなんの運動しようかな?
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