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最近思ったこと、考えたこと

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ブログサイトで書いてきたジャーナルを、2020年6月からnoteで発表することにしました。テーマはその時々関心をもったこと、もう何年も続けています。葉っぱの坑夫の出版活動と直接的…
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#日本語

言語の可能性を押し広げるのが文学の役割(by 李琴美)であるとき、翻訳は何をすれば? 言葉のUpdateについて

言語の可能性を押し広げるのが文学の役割(by 李琴美)であるとき、翻訳は何をすれば? 言葉のUpdateについて

いま、李琴美さんの『透明な膜を隔てながら』を読んでいます。日本語を学ぶようになった中学生時代の話、日本語で書く小説のこと、台湾から日本への移住、台湾での学校時代の出来事、さらには自身の性的嗜好(指向)と作品への反映などを綴ったエッセイ集で、興味深く読んでいます。

李琴美さんはあるとき日本語を学ぶことを思いつき、コミックやアニメ、JPOPなども利用しつつ、大学で学ぶようになるまではほぼ独力で言語を

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英語 → 日本語で起きる様々な不具合。英文はなぜ、あんなに段落が長いのか?!

英語 → 日本語で起きる様々な不具合。英文はなぜ、あんなに段落が長いのか?!

アフリカ出自・在住の作家たちの作品を翻訳していて、英語のテキストと日本語のテキストの違いについて、改めて注目しています。

ガーナの作家ニイ・パークスの巻頭エッセイを訳していたとき、パラグラフ(段落)の取り方の(日本語との)違いに気づいたのがきっかけでした。

と、ここまで書いて、上の二つの段落は英語のテキストであれば、間違いなく一つの段落に収まるはず、と。しかしわたしは二つに分けました。一つには

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未来形がない日本語、そして英語について

未来形がない日本語、そして英語について

英語の文法で仮定法における時制の勉強をしていて(*註)、ふと、日本語には未来形がないのでは?と気づきました。未来形、あるいは未来時制がない。文法を調べてみると、やはり日本語には未来形がないようでした。また英語のように動詞変化による未来形はなくても、助動詞のwillとかbe going toをつかって未来について表す、という方法があるわけでもありません。

展覧会に行きます。
来月、展覧会に行きます

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外国人に日本の言葉を説明してわかったこと

外国人に日本の言葉を説明してわかったこと

日本の社会では「空気をよむ」ことが大切と言われているけれど、最近、アメリカの友人と話していて、「read the airってわかる?」と聞いてみました。ヒントをいくつか言ったところ、「read the room」っていう言い方が英語にもあるけどそれかな、と返されました。

彼によると、「read the room」というのは、話し手がそこにいる人々(聞き手や聴衆)がどういう人か、何を期待しているか

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Google翻訳を試してみたら<2>

Google翻訳を試してみたら<2>

(日本語の未来、AIとともに)<1>からのつづき

日本語から英語、英語から日本語への翻訳は、本当のところどちらが難しいのだろう。

もう一度、日本語から英語のテストを別のタイプの文章で試してみよう。日本語から英語は、どんな文章でも易しいのかどうか。

Google 英訳:
"When the economy is good, you can eat from first-class to sec

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Google翻訳を試してみたら<1>

Google翻訳を試してみたら<1>

(日本語から英語、英語から日本語)

日本語と英語の自動翻訳は、他の言語間(たとえば英語とスペイン語など)よりかなり劣るとずっと思ってきた。実用的ではないな、と。特に英語から日本語への変換は意味をなさないことが多かった。ブラウザをChromeにしていると、ブラジルからのポルトガル語のメールなども、Gmailでは日本語にしてくれたりするが、それもかなーり酷かった。

ある時期、Google翻訳をつか

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