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何度でも読み返したいnote4

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。 こちらの4も記事が100本集まったので、5を作りました。
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2023年4月の記事一覧

父の逝き方

父が逝って9度目の4月が終わろうとしている。 4月のうちに父の最期についての記事を投稿したいと思いながら、溢れるものが多すぎて何をどう纏めていこうか思いあぐねて今日まで来てしまった。 60年も生きて来たのに、8月31日に慌てて読書感想文を書いている子供のようだが、100点満点だと思った父の逝き方を記しておこうと思う。 父が入院したのは、2014年の節分の日だった。 数年前から透析をしていた父だったが、特に寝込んでいた訳でもなく、週に2回の病院通いをしながらも静かな余生を送

不惑まで5ヶ月、「子どもを持たない人生」を受け入れた

物心ついたときから、「私はお母さんになる」と思っていた。 弟や年下の従弟妹たちがいて、私がいちばん年上だったからかもしれない。自分より小さい子の面倒をみる機会が多かったし、それが好きでもあった。周りの大人たちに「赤ちゃんを抱っこするのが上手」と、よく褒められた。 小さい子たちはみんな「ゆいちゃん」と懐いてくれるけれど、一度何かがあって泣き出すと「ママー!ママー!!」になる。その瞬間が、いつも少しだけ悔しかった。 私ではなく、ママじゃなきゃダメなのだ。 多分あのころから、私は

¥250

雨上がりのクレパ

金曜日、ポツポツと雨が降り出す中傘を忘れた同僚と一本の傘に入りながら、彼女の行きつけだという創作イタリアンの小さなお店に向かっていました。 お互い昔からよく知る間柄でありながら食事に行くのは久しぶりでしたので、私はこの日をとても楽しみにしていました。 「もう涙でるわー!」と言っておしぼりで目頭をふきながら笑う彼女を見て、まだまだおもしろネタはこんなもんじゃないぜと謎に自分を鼓舞し、下戸なものですから柚子ソーダを何杯も飲んで、楽しいフライデーナイトを満喫していました。 料

春 空 の ア ク セ サ リ

窓の外は隅から隅まで 青いタイルをぴっちりと敷き詰めたような 快い空です。 カーテンを開け放ち、 部屋に 四月の日差しをたっぷり呼び込んで アイロン台の前に座ります。 休日の午後2時。 まとめて洗ったシャツやハンカチの アイロンがけタイム。 襟、カフス、腕、肩、身頃と シャツのカタチに合わせて アイロンをすーっと這わせます。 裏に返したり、スチームを使ったり、 アイロン台の先端を使ったり。 皺が綺麗にのびていく様子を見ていると なにか、自分の気持ちまで 整っていく心地

普通の木に擬態している桜を眺め、思う。

4.9 日 「散歩にでもいく?」  夫に誘われて、喜び勇んで出かける。オードリーのパーカーを着込んで出かけた。 「近所だもん、お化粧要らないよね?ね、ね、化粧してないってバレてる?バレてるかな?」  この2ヶ月間の夫は仕事が忙しく、休み無し、深夜帰宅、時々泊まりを繰り返していた。ここ最近は嫁もどこにあるか分からない夫の逆鱗に触れない様に(夫が疲れ切って居たので)、出来るだけ息を潜めて生きてきた。  その反動でか、ここぞとばかりにまとわりつく。少し迷惑そうだ。 「そうだ、

あの値段が気になるから、もう1杯だけ。

私のよく行くバーにはプロジェクターが置いてある。 ワールドカップなどの試合があるとそこに写してみんなで観戦したりするのだ。 スポーツバーというわけではなく、使っていない時もあれば「フジロック流してます!」だったり、BGMは他にかかっているけどアニメや映画などが無音で流れていることもある。 要するにみんなでお酒を飲みながら楽しめるものであればなんでもよいのだ。 先日はWBCを流していた。 そして試合が終わった後、普段は消すことが多いのだがその日はなぜか消音にしてテレビの映像だ

“みんな”になるのを免れて、世界の片隅で深呼吸

華の金曜日、Instagramを開くと案の定、向こうの世界では同期飲みや社員飲みが開かれていた。画面上の乾杯の瞬間はコンマ5秒の速さで次々とストーリーを送ってしまえるほど、どれもこれも同じ光景に見えた。 就職で上京して、たったの5日間で「同期だいすき🫶🏻」と全世界に発信できる気軽さというか潔さというか、自分には到底真似できない行動力が一周まわって羨ましい。羨ましくはあるけれど、手に入れたいとは思わなかった。ただ、彼女たちに合うのはこの生活なのだろう、と思うだけだ。 あんな

ラストチャンスをあなたに

新入社員の教育担当(仮)を仰せつかりました。 その方にわたしの全仕事を引き継ぎ、 さらに管理職から全仕事を引き継がれる、 …かもしれないという劇的に面倒くさい壁にぶち当たっております。 (もう4月であり、新入社員の方は既に入社されているのに本決まりの知らせ無し…) ↓詳しくはこちら わが部署の上司たちは割と放任主義… というか無責任で、何かと丸投げしてくる方々なので、放っておくと今回も困っているわたしを横目に見ながら無視を決め込むだろう、と予測しています。 というこ

親愛なるクソ上司へ

4月ですね。新社会人として歩みだした方、あるいは転職先で新しい仲間たちと出会った方、さまざまな方々がこの季節に胸を震わせていることと思います。 私は今春、新社会人として世に出てからは11年目、フリーランスになってからは6年目、法人成りしてからは3年目を迎えます。年齢はかぞえで33歳、社会人として未熟という意識はいまだありつつも、ある程度はキャリアを重ねていると認識されるお年頃になってしまったなぁ、と正直焦っています。 こうして春になると、毎年ふと思い出す人がいます。私が新

桜に陥落するかもしれない

3月の頭、北海道から東京に引っ越してきた。 新しい住処となるマンションはすぐ隣が広場になっており、そこにはいくつか木が植えられていた。そのうちの一本はちょうど我々の住む二階の部屋の正面にあり、玄関を出ると、木の上半分が目の前にバーンと飛び込んでくるような配置である。 引っ越してきた日、その木を見た夫が、「これ、たぶん桜だよ!」と目を輝かせた。大好物のとんこつラーメンを見るときと同じ目をしていた。まだ何も咲いていないのに、どうして桜だとわかったのだろう。私にはただの茶色い枝