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鏡を磨く

「あ!」と、小さな叫びを上げて思い立つ。
そうだ、鏡を磨こう。

我が家は、全身鏡と、独立洗面台の2箇所に鏡がある。
掃除はできるだけ毎日、と思っているけれど、「鏡を磨く」はたまにしかしないので、よく忘れる。
磨いたあとは、あんなにきれいなのに、気づくとホコリを被っている。
独立洗面台の鏡は、なんであんなに水垢みたいなのがつくんだろう。
水道の使い方が、へたくそすぎる。

それでも、毎日磨くほどじゃない。
思い立ったときとか、来客がある前、磨くようにしている。

鏡専用のクリーナーを使えば、信じられないくらい、サッときれいになる。

汚れが落ちるのがよくわかる、というたぐいの掃除はほっとする。
すなおに、よかった、と思える。
部屋の掃除をクイックルワイパーでしているのも同じ理由で、取れたゴミが目視できるから、「よくやったな」と思って安心できる。
鏡は、達成感の最上級かもしれない。

こんなに汚しちゃってごめんね、
また掃除するからね、と思いながら鏡を見つめる。


そうして、鏡に写った顔が、ブサイクすぎてびっくりする。

顔が丸くなったとか、スッピンとか、そういうことではなく
「ブサイクな表情」をしている、と思う。
なにか、邪気を吸い込んでしまったような、ゲームで言うところの「毒状態」みたいな
なんとも、冴えない顔をしていた。

ごめんごめん、とわたしは笑って謝る。
そんなブサイクな顔をさせてしまって、ごめん。
ブサイクな顔をしていたら、すてきな出来事も「良いこと」として、わたしに届かなくなってしまう。そんな気がしている。

だから、ちゃんと笑おう。

悩みも不安もあるけれど、
わたしのすこやかさは、わたしが守らなくっちゃ。

これからはもう少し頻繁に、鏡を磨こう。
わたしの笑顔を、確かめるために
埃のついていない鏡が、きちんとわたしのことを守ってくれるように。




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