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ポケモンと暮らす

2021年1月1日

わたしは待っていた。
そのときを、待っていた。

起きたら、かわいい箱が届いていた。
わたしが眠っているうちに、同居人が受け取ってくれたらしい。
君を、待っていた。

わたしは、好きなものは最後に食べるタイプで、
好きなお菓子をもらったりすると、しばらくデスクに飾っちゃう。
「いつ食べよう?」と、しばらくにやにやして、「食べたらなくなっちゃう」と思いながら、大切に食べる。

だから、この箱をいつ開けるか、わたしは悩んだ。
取り急ぎ「すぐには開けない」、今日の日課が終わったあとのご褒美にしようと決めた。
「届いたら連絡ください」と弟に言われていたので、とりあえず連絡をする。

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弟が24時過ぎなら来られるので、わたしはそのときを待つことにした。
こういうのは、一緒に開けたほうが絶対にたのしい! 一緒に、「かわいい!」って叫びたい!

わたしは日中の作業中、何度もその箱を撫でた。
持ち上げて、重さを確認して、「割れ物入ってないよね!」と言いながら、振り回した。
何度も、何度も、
そのときを待った。

届いたのは、ポケモンセンターオンラインの福袋
ピカピカボックス2021!!!

もう、かわいい!!!
なんてかわいいんだろう!!!

わたしは、ポケモンが大好き。
ゲームはそんなにプレイしてないけど、アニメは結構見るし、同居人も弟もポケモン好きだから、わたしたちの話題の何割かは、ポケモンになる。

弟とにやにや箱を開けるあの瞬間は、もう何にも代えがたい。
「来年は絶対に申し込む」と、弟は強い声で言った。

2021年が来てしまうのが、怖かった。
わたしはなにも変われていないし、このあとも変われないかもしれない。
臆病なわたしに、「年が変わる」という節目は重かった。

それでも、
元旦には福袋が来る。
ポケモンが来る。
ピカチュウがやってくる。

その気持ちだけが、確かにわたしを2021年へと導いてくれた。



時は戻って、2020年4月。

3月末に「アルバイト契約が4月末で満了になります」と告げられ、不安がなかったと言えば嘘になる。
仕事がなくなってしまう、収入がなくなってしまう、というのもそうだったし、「アルバイトをクビになっちゃうくらいヤバイことが、この世の中に起きている」という事実が、ずしりとのしかかってきた。

それでも、生きなくてはならない。
それでも、わたしは笑いたい。

わたしは、生きたい。
日々のしあわせを、かき集めたい。

収入がなくなる不安は重すぎたけれど、このときわたしがしたことはひとつだった。

それは、ポケモン公式通販サイト「ポケモンセンターオンライン」を毎日覗くこと。

いつもなら買いに出掛けるけど、外にも出れない。
このとき、推しポケモン「マホイップ」の新作抹茶柄が登場していた。
わたしは、在庫を何度も確認する。
いつか、買おう。
タイミングを見計らって、いちばん自分を元気づけたいときに買おう。
わたしは「抹茶マホイップ」の販売ページを見ながら、毎日を過ごした。

「ぐ、ぐおおおおおおお〜〜〜〜まじか〜〜〜〜〜〜」

そしてある夜、わたしは叫びを上げることになる。
抹茶マホイップが在庫切れになってしまった。
唇を噛んだ。
そして泣いた。
わたしは、自分が思っているよりマホイップを愛して、欲していたことを痛感した。
遅かった。

それでも、わたしは諦めなかった。
何度も「在庫切れ」の文字を見ながら過ごし、ついに「在庫切れ」から「カートに追加する」に表記が変わるときが来た。

買おう。

わたしはこの苦しみを、愛するポケモンと乗り越えよう。
もう、品切れになったら悲しいものは全部買おう。
でも、お金に余裕があるわけじゃないから、ほんとうに、見繕って。(あ、でも5000円以上で送料無料だ…5000円買おう)

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かわいい〜〜〜
今日もなお、かわいい〜〜〜!!!
このときに買った子たちは、電子ピアノとベッドの上で、いまでもわたしを見守ってくれている。

特に、抹茶マホイップはピアノの上に設置して「頑張るって決めたじゃん」と、何度も話しかけた。
いまでも話しかけている。

このとき一緒に、靴下も購入。
3足1000円って、もう無罪じゃない?
どこで買っても、3足1000円だよ。
じゃあ、ポケモンセンターで買います。

5月にも浮かれていたのに、11月にも同じ靴下で浮かれるわたし。


そして、何度だってピアノの上にポケモンがいることに救われ続けるわたし。
6月と12月に、同じハッピーを感じている。半年も経ったのに…
※12月にマホイップの仲間が増えました


2020年、わたしが生き延びられたことに理由があるのならば、モクローの存在も大きい。やっぱりポケモンなのである。
7月、モクローは突然我が家にやってきた。

「あなたがよろこぶもの」って、別にたいしたものじゃないんだろうなあ。食べ物かなあ…
って、正直思ってたわ! お母さんごめん!
このツイートの前に「押しはモクロー」と言っていたのを見て、わざわざモクローを選んでくれたらしい…うれしすぎた…。

外出は少ない1年だったけど、この1年はモクローとたくさんの場所に行きました。
ポケモンセンターに行くたびに「今日はモクローちゃんとお出かけなんですね」とかわいがってもらい、楽器屋さんと水族館でも「モクローかわいいですね」と言われたときには、なぜかわたしが「さすがのモクロー!かわいいでしょ?お姉さんわかってるね!」と鼻高々になってしまった。
モクローがいたから、お出かけも本当に楽しかった。
アマノさんにオシャレに撮ってもらえたのも、嬉しかったね。

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そして時は現在に戻り、2021年1月。
わたしは新しく家族になったポケモンたちを並べ、ニヤついている。

ポケモンがわたしを、しあわせにしてくれる。
わたしは、ポケモンとしあわせになる2021

こんなに大好きなものがあって、しあわせだなあ、と思う。
こんなに安易にしあわせになれちゃって、しあわせだなあ、と思う。

ポケモンへの愛が溢れすぎてしまったこの記事を、
わたしは、ピカチュウのひざ掛けに守られながら書いている。



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