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30分で、魂は生まれ変わる

友達と30分も電話をしてしまった。

要件の枠組みは想像がついていて、でも詳細はわからなくて、時間が読めなかったけれど、電車を降りてすぐにかけることにした。
なんとなく、そうすべきのような気がした。

結果的に、すこぶる元気になった。
問題も解決して(そもそもわたしは、厄介な問題を抱えているのだということを理解して)、さっきまでの吐きそうな頭痛もどこかへいったしまった。
わたしの頭痛って、本当は機嫌とか気分なんじゃないかなってくらい。
いやはや、友達って本当にすごい。
相談したいけど、アイツは仕事が忙しいし時間も不定期だし、何より沖縄に住んでいるし、電話しようだなんて夢にも思わなかった。
「ちょっと電話しよう」とメッセージがきて、話したらびゅんと近づけてしまった。
東京も沖縄も、変わらないんじゃないかっていう錯覚と事実を噛み締めている。

満ち足りた気持ちで、時計を見る。
現在時刻は、20時30分。
目当てのコーヒー屋の営業時間は21時までだった。
そう、今日は「カフェでのんびりしよう」の日だったということも忘れていない。

ドトールの営業時間も21時までだった。
わたしはカフェで「時間を気にせずのんびりすること」を愛している。
30分だと、少し短い。たぶん、時間を気にしながらそわそわ過ごしちゃう。
なるほどね、そうだよね、と頷いたあと帰ろうと歩き出したけど、やっぱり引き返した。
待てよ、だって30分あればいろんなことができるじゃないか。
カフェの、テーブルと椅子を愛している。
うちには、背の低いわたしが安定して座れる椅子ってソファーしかないし、ソファーには書き物にあうテーブルがないのだ。
手帳を開いたり、本を読んだり、ぼおっとするカフェの特別さを、今宵も愛してやまない。

本当は、手帳を開いたり、Twitterをやったりしようと思った。
そして本当は何もしなくてもよかった。
それなのに座って、友達に「たすかったよありがとう」なんて言ったらもっと元気が出てきて、わたしはエッセイを書いている。

30分で、魂は生まれ変わる

今日のタイトルはこれに決めた。
しみじみと、そう思う。
30分で、コーヒーを飲んで、何もしなくてもいい。
ただ、自分に素直に、やりたいことをして、やりたくないことをせずに過ごす。
これがなかなか難しかったりするのだけれど、カフェの居心地のいいくせに少し制限のある空間では、成功率が高いように思う。

わたしは今日、エッセイを書こうと思った。
ドトールの、少し薄いカフェラテを飲みながら

1時間前のわたしに伝えてやりたい。
きちんと、沖縄に電話をしろ。友人はきっと
オマエを助ける、と。

30分前のわたしに伝えてやりたい。
とりあえず座ってコーヒーを飲め。
アイツとの電話だって、30分だったんだ。
オマエは30分で生まれ変われる、と。

そしてこれからも、「すなおに生きろ」と言いたい。
勝手に「迷惑かも」とか「頑張らなきゃ」とか、案外他人の顔色を気にしながら生きている自分に気づいて欲しい。
食べたい、寝たい、座りたい
その健やかな欲求がもたらす、人としての下地の先に、幾つかの答えがあるのだと思う。
大切にすることと、後手になることは似ているようで全然違う。
何度も問いかけて、軽やかに飛び越えて欲しい。

だから、コーヒーくらいは飲みたいときに飲むといい。


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