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【感想文】 #名もなき家事妖怪

Twitterでいつも追いかけている、カワグチ先生が新刊を出すって〜〜〜!!!

カワグチ先生は、フリーランスの漫画家さんで、「スキがあればゴロゴロしたい、ゲームしたい」っていうのが、わたしと完全に一致なので、ひっそりと活動を追い続けていました。

前に、あんじゅ先生とやったセミナーの感想文を(勝手に)書かせていただいたこともあったり


カワグチ先生の新刊、その名も #名もなき家事妖怪

タイトルからは想像できなかった嬉しい驚きの連続の一冊でした。
ということで、今日はこの本の感想文です。
これは、家事の本で、対人関係の本で、考え方の本だった〜〜〜!!!



わたしには関係ないと思っていた

家族とか夫婦とかを全面に押し出される本ってちょっと苦手

まず、表紙の画像を見ていただいておわかりだろうか…

家事のせいで、家族がバラバラに…!?

そう、これは家事の本であり、家族の本。
わたしにも一応、家族と呼べる同居人がいるけれど、子供はいないし、生む予定もない。
もう同居生活も長いので、家事についてはあれこれ喧嘩もし尽くして
うちの場合は、「料理好きな同居人」と「部屋が散らかっていると心が荒れるわたし」の二人組なので、そもそも棲み分けがうまくできていた。(基本的にはふたりともずぼら)

ていうか、家族とか夫婦とかを全面に押し出される本ってちょっと苦手…
という意識もあった。

「いやいやオマエ同居人いるからいーだろ!」とお思いになるかたもいるとは思うのだけれど、わたしは彼氏とか彼女とか呼び合わない宗教に入っているから…
基本的には、ひとり暮らしがふたりいるっていう感覚でいたい。
ときどき、いるとラッキーで、同じくらいうざくて、いつでもひとりになれる。という気持ちで生きていきたい。

だから、この本買おうかな〜〜〜ってすごく悩んでた。


この本を読んで欲しい人

でも、人それぞれ当たり前が違うって話で。
わたしはチビだから高いところに手が届かないし、
もう病気になっちゃったから「むかしほどフルパワーで頑張る」ってできないし
むしろそれって、みんな各々がむかしほどのフルパワーは出なかったりするわけで
でもそれを言うと、「チビとか病気を盾にして」って思うひともいるだろうし。

カワグチ先生は家族で暮らしているから、それが当たり前というだけで、別に「家族がいるからマウント」なんて当然存在しない。

その盾が嫌なら読まなきゃいいってハナシ。
でもね、この本は読んでよかった〜〜〜
もう1回言うけど、家事の本で、対人関係の本で、考え方の本。

わたしが思う、この本を読んで欲しいひとは

・自分って家事ができなくてクズだ…と泣いたことがある人
→案外みんな泣いてるっぽいって思えたら安心した

・これから、誰かと一緒に住みたいひと
→正直、同居の前に読みたかった一冊

・家事の分担はうまくいかないのは当然だと思っているひと
→みんなそうだとは知らなかった!!!
よそのおうちのことはわからないし、順風満帆に見えるからね
悩んでるのわたしだけじゃなかった…と思えたというか
うちは上手くいってるほうだと思いこんでたけど、そうじゃなかった

特に、自己肯定感が下がってメソメソしてしまう同士には、ぜひ読んでいただきたい。
いやほんと、わたしだけじゃなかった。みんな戦ってるんだと思ったら安心でした。

もちろん、表題通りの家族暮らしの方にもおすすめです!
バッチリと漏れなく学びになるはず!


家事ってどうして任務になるのだろう

まず、家事という言葉についてのわたしの悩みを聞いて欲しいんだけど。

家事って、いつから任務化されちゃうんだろう?

これ、ずっっっと思ってたの。
だって、ひとり暮らしのときって、「家事しなきゃ」ってあんまり思わなくない?
すごーーーく自然にサボって、やりたいときにやるもので、「頑張らなきゃ」とかいう気持ちって、あんまりなかった。とにかくサボっていた。
で、時々勝手に落ち込んでた(ゴミ出し忘れたりして

でも、家族ができると「家事を分担」みたいな言葉が出てきて、「どっちがやる?」みたいな任務制になる。

これが不思議でならなかった。
特にわたしは、「ひとり暮らしがふたり」なんだから、自分のことは自分でやればいいじゃん。
ていうか、洗濯も掃除もゴミ出しも、ひとりのときは全部自分でやってたじゃん!

で、人と住むと、家事の総量は減るはずなのよ。(おとなの場合)
洗濯物は増えるけど、ゴミはどちらかが出せばいいし、自分が洗わなくても皿が洗われることもある。
家族がいるって有り難い。

それなのに、どうして家事で揉めちゃうんだろう。
も〜〜〜ひとりでできたことなんだから、文句言わずにわたしがやればいいんでしょ!と思っていた。

そして時折、なんでわたしばっかりゴミ出ししとるんじゃ〜〜〜とキレてた。

うち、家事シェア全然うまくいってなかった。
同居ウン年、ようやく気付かされたのでした。


闇の根底は、「さびしさ」だった

ママさんは、パパさんになんで怒ってるん?
ただ、ゴミ袋が捨てられたから?

「怒り」の中には「本当の理由」が隠れていることもあるで

名もなき家事妖怪 p58より引用

「ゴミ袋を重ねて設置して、新しい袋を設置する手間を省く」という時短家事を実行したママさん。
それに気づかず、ゴミ袋をぜんぶ捨ててしまったパパさん。

キレ散らかすママさんをなだめるニャン吉(妖怪)

「本当の理由!?」と、ニャン吉の正論に更にキレるママさん。
わかる、わかるぞママさん。その気持ち。
「本当の理由って、ゴミ袋捨てられたからキレてるんだろうが」と完全にママさんに同意したわたしだったけれど、ママさんの見つけた答えがすばらしかった。

「寂しかった…?」

そう、自分ひとりで家事を頑張っているような気がして寂しい。
これがママさんの怒りの理由だった。

そしてこれこそが、親しい対人関係に起こる最多エラーだと気付かされたわたしであった。

もう、怒っている理由がだいたいこれ。
「寂しい」または、「なんでわかってくれないの」という気持ちや状況。

そしてそういうときは、だいたいきちんと説明できていない。
ママさんとパパさんもそうでした…

もう何年も人間やってるからさ、妖怪に諭されるまでもなく「言わなきゃ伝わらない」なんていうのはわかっている。
それなのに「どうしてわかってくれないんだろう」って何度も思っちゃう…

または「言ってもわからないだろう」と思ったりしちゃう。
(我が家のゴミ出し問題はずっとこれだった。アイツ、6年住んだ旧居のゴミの日最後まで覚えなかった)

そして「なんでわたしばっかりゴミ出ししてるんじゃ〜〜〜」とキレる日々に戻ってゆく…
ああ、知ってる。知っているぞこの感覚…

#名もなき家事妖怪 では、ニャン吉と一緒に、家族みんなでこの問題を乗り越えていきます。
すごくないですか??
まじで、家に1冊あったほうがいい本。


ママさんには共感しまくり、学びがたくさん

他にも、ママさんには共感しまくる箇所がたくさんありました。

モヤモヤの理由

モヤモヤしてた理由はこれだ…
最新家電を買えば化は便利になるけど、家事そのものはなくならないってことを、家族に知ってほしかったんだ

p72 (第5話 便利家電のワナ)

ドラム式洗濯機を買ったあとのひとこま。
「これで家事がらくになったね」と言われたあとの、モヤッとしたママさんに共感。

わたしがやってる家事もたいしたことない。
でも、労力がゼロのわけじゃない。
「やりたいからやっている=労力がない、つらくない」と思って欲しくなかった自分の気持を思い出しました。
知ってて欲しかったんだよね。
褒めてほしいわけじゃないけど。
当たり前とは、ちょっと違うってこと。


言葉ひとつで変わること

なかなか動かない子どもへの声かけにも感動しました。

君たちに「ミッション」があります!!
(あ、こっち向いた…)

p79 (第6話 子どもと家事)

これって、おとなにも十分使えるし、自分に対しても使える言い回しかもって思った。
ミッションはクリアしたいのです(ゲーマーだから)

自分でもできる家事を、相手に頼みづらいっていうのも結構ストレスだった。
そういうときに、「掃除隊長」とか呼んでみたら、お互いハッピーかもしれない…なんて思ってみたり(今度試してみる)

ついつい、キレ気味で「やってよ」って言っちゃうの、本当によくないな〜〜〜と反省してます…
そして、声をかけずに勝手にキレるのもやめたい…


止まらない言葉

いちばんはコレだったと思う。

そんなの、ニャン吉が悪いわけじゃない…
私が要領悪いからなのに…
怒りたくないのに…!

言葉が、止まらない…!

p125 (第10話 理解されない家事)

めっちゃわかる〜〜〜
ていうか、わたしだけじゃなかったんだ〜〜〜

これは完全に甘えだとわかっているのに、
いちばん大事にしたい家族に対して、言葉が止まらない。
言ってはいけないことを言ってしまう。
悪いのは自分で、自分が努力すれば解決するのに。
それができないばかりか、思っているけれど言ってはいけない言葉たちが飛び出してきて止まらない。

本当に、わたしだけじゃないんだ。って安心できたのは大きかったです。
こんなふうにならないように、家事シェアや、空間・時間作りに努めていきたいなあと思うし
もし、爆発しちゃっても許し合えたらいいなと思うのです。
だって怒るのには、本当の理由があるから。わかりあえたらいいね。
(わたしもキレて、パジャマの同居人を追い出したことがありました…こっちが落ち込んだしめちゃくちゃ自己肯定感下がったもうあんな思いはしたくない)




おわりに

本当はもっと書きたいことがたくさんあるくらい、学びの多い一冊でした。

わたしはとにかく、ママさんの「寂しさ」に共感したけれど、あなたはどこに共感するのだろう…
ぜひ読んで確かめて欲しい。

最初にも書いたけど、家族じゃなくても夫婦じゃなくても、おすすめの一冊です。

余所の家族って、うまくいっているように思う。
もちろん家族や恋人、夫婦に限らず
周りのみんなはまっとうに暮らしているのに、どうしてわたしは(うちは)うまくできないんだろう、と思ったりする。
でも、余所の家ではみんな礼儀正しく外面で笑う。
だから、誰かの家の中とか暮らしって、なかなか見えない。
今回は「太田家」の暮らしを見たことで、肩の荷が少し降りたような気がします。

いい妻、いい歯は、いい家族でありたいから

p52 (コラム「理想像はプレッシャーになってしまう」)

カワグチ先生のこの言葉に、グッときました。
わたしも、そうだった。
偽善ではないけれど、良い家族でいたかった。一緒にいてよかったと思って欲しかった。
あなたと暮らす部屋が荒れていると、自分たちを大切にできていないような気がしてしまって、悲しかった。
だから少し背伸びして、
少しが積み重なって、足がつかなくなって、何度も怒鳴ってしまったね…

みんな会社では、友達の前では笑顔だけど、もしこんな思いに共感してくれる人がいたら、この本に是非たどり着いて欲しい。

漫画で読みやすいし、ニャン吉はかわいい!
わたしはこれから、家事にキレることがあったら、もう一度この本を読もうと思います。

カワグチ先生、すてきな物語をありがとうございました!
この本が、必要な人に届きますように。

2023年2月25日 松永ねる


※紹介リンク(再掲)

カワグチ先生のTwitter
(わたしは、カワグチ先生の息子さん、そうちゃんのファンでもあります。いいこ)

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その他、わたしが書いた「好きなひと、もの」マガジンもぜひ
これからはこんなふうに、好きな人やモノのこと、たくさん書いていきたいです。


※追伸
後日、カワグチ先生から直接サインいただいてきました。
家宝にします。


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