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【社長インタビュー 03】 ウチのスタッフは頼りがいがある。だからもっと世の中に活かさなきゃいけないと確信した。

インタビュー取材という手法を用いて思考の《 OUT PUT 》をお手伝いするというこの企画。当時はどんな悩みがあり、どのような解決策を用いたか、社長としての履歴をカジュアルなやりとりでまとめていく。
そして3回目となった八戸東和薬品株式会社 高橋社長のインタビューでは、改めて高橋社長の一貫性が。二ヶ月前に発したキーワードが何度も登場し、自分の中で芯として大切にしていることがよくわかる。その場凌ぎの受け応えじゃないのは、取材する側にとって非常にありがたい、です。
 ↓↓ちなみに第一回目の記事【01】はこちら↓↓

八戸東和薬品株式会社  代表取締役 高橋 巧さん
八戸東和薬品株式会社ホームページ → hachinohe-towa.com

多少の苦悩がありながらも先代の後を継いだ高橋社長。はじめは羅針盤が狂ったように社長としての方向性を見つけられないでいたが、会社の基礎、仕組みを改めて学び直すことで二代目社長としての道筋が決まり、不成立だった業務のカイゼンから取り組んでいった。
 ↓↓事業承継のときの苦悩、第二回目の記事【02】はこちら↓↓

ーーー前回のインタビューにあった「社長って何をすればいいのか本当にわからない」から自身の成長期へと移行していったわけですが、特にその間はどんなことを大切に取り組んでいったのですか?

調剤薬品の卸会社として真っ当な役割である<頂いた注文を間違わず、速やかに届ける>というオペレーションの強化です。インタビューの1回目に話した「当たり前のことを当たり前にする」こと。
ひとつには、欠品の少ない適正在庫は、お客様(各薬局)にとっては安心感、営業にとっては安定感につながります。それまで肌感で取り組んでいたことがデータでも確認・納得できるようにしたので、ひとつひとつの仕事の精度が上がりました。それと、お客様との対話・ヒアリング内容も在庫量同様にデータ化し蓄積することで、喜んで頂ける提案もタイムリーに行えるようになりました。

すると、チーム戦略が自ずと活性していき、社内ミーティングが増え、会社全体をそれぞれが見聞きできる環境になっていったと思います。やりたいこと、出来ることが、しっかりリンクしてきたのを実感しはじめた時期。

そう、就任前は「営業が社内で一番エライ!」みたいな変なヒエラルキーがあったのですが、お互いの仕事を尊重しあい、全体で売上に貢献する図式に変わりましたね。薬を扱っているせいか、丁寧でなるべく細かい部分にまでで気配りする習慣が業務にもつながっている気がします。自分が社長になってからの功績は、、、社内を平和にしたことが一番かも。。。笑

ーーー社内を平和にしたこと、、、そんなワードをインタビューではじめて聞きました。笑 確かに、生産性を磨く、作業の洗練、業務の可視化など、つまるところ、社内の平和維持活動??。。。妙に納得です。
あ、あれ? 今回のインタビューは、会社・スタッフの成長の微笑ましいエピソードで終わる感じですか???ん?

じゃあ、ついでに。もう少し。笑
自分が社長になってから、会社の成長を大きく実感したことが。
37、38歳頃に、二代目を引き継いだときとはまた違う「社長としての役割がわからなくなり、自分が会社を潰してしまうのか」と重い感情になるほどの危機が。社長としてそれなりに会社を前進させてきましたが、良いとき、悪いときの経験が足りなかったのもあり、自身としては大ピンチ!くらいの体感。
自社でコントロールできる範疇を超えたところで起きるマイナス要因、コロナなどもそのひとつだと思うのですが、そういうのが積み重なってくると中間にいる僕ら(BtoB)はかなり大変でしたね。
一般的な企業なら売り場の創出、商材の転換などに踏み切ると思うのですが、決められたエリア、商材のため障壁が多く、当事者の感覚としては八方塞がり、みたいな。

薬を必要としている人を一番に考えながら、後を継いでいろいろ取り組んできましたが、経営者として本気で考える課題・タイミングだったと思います。会社経営として考えられることをできるだけ想定して必死に取り組んでいた時期。
毎月のように東京や大阪の企業にアドバイスをもらいに行き、他メーカー商材を取り扱うことをイメージしたり、売却とはどういうことなのか、など、社長としてできる限りの勉強・行動する日々でしたね。
一方で、スタッフは一丸となり、限りある手段の中から、これまでのカイゼン経験やデジタル化によるデータ活用を駆使して頑張ってくれていました。
で、その年、売上面だけで言えば、数%減の結果で何とか留まることができたんです。

ーーー微笑ましいエピソードの追加かと思っていたので、話を聞いてて少しハラハラしました。笑

予想以上で、正直、嬉しかったです。それよりも「ウチの会社のスタッフ、本当にすげーな」って一番に思いましたね。5年ほどの積み上げを実感しましたし、みんなに力がついてきて、頼りがいがあるな、と。
そして同時に、このメンバーが活きるところをもっと見つけてあげたい気持ちも生まれましたね。

僕自身も、これまでよりも深い部分で経営のことを知り、会社・事業に対して知的好奇心が膨らみはじめ、40歳目前にしてもっと会社として社会貢献をしていきたいと強く思うようになった。今あるスキルを広く世の中に使っていきたい、他の事業も手掛けることができたらいいな、と。
それと、前述のピンチのとき、アドバイスを乞うためいろんな人と面会をしていたのですが、自社の決算書について信頼していた方々から(予想外に)良い評価を得られたことも背中を後押しした感があります。

それでまずは自分の中の棚卸しを行い、2つ視点を持つことにしました。
1 事業・会社としての強み(当たり前のことを当たり前にやる/生産性を上げるなど)を、どこに、どのように使えばいいのかなっていう視点。
2 個人の想いとして、インタビュー2回目にあった事業承継で葛藤している後継者に対して、自身の経験を活かして手助けしたいという視点。
この2つの視点を持つことで、2025年事業承継問題に、生産性を上げる強みを持って課題解決し、社会貢献につなげていく。こんなことを考え、形にしようとする。いつの間にか、想像もしていなかった自分になっちゃってましたね。笑

その2つの視点が必要な事業があれば、職種、ジャンルにこだわりがなく、本気で会ってみたいと行動しはじめ、いくつかのお話を頂くことに。その流れを次回はインタビューしてみようかなと。


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