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paildリリースから10ヶ月。Handii開発チームが本気で語る”現在地”と”第2フェーズ”

こんにちは、Handii開発チームです。

2020年8月にpaild(ペイルド)というプロダクトを正式ローンチし、現在、8人のエンジニアがいるチームです。

paildはFintech(金融×IT)のサービスのため、通常、自社プロダクトを開発・運用するスタートアップ企業ならばぜひ行いたいであろうプロトタイプの作成や、簡易なβ版の実地テストなどができず、開発期間だけで1年半という実に長い時間がかかりました。

そして迎えたプロダクトローンチ、2020年8月。その時を境に、開発チームは大きな”フェーズの変化”に直面します。それは今までのやり方が通用しない苦悩の日々でもありました。

この記事では、スタートアップなら何度でも直面するであろう”フェーズの変化”に、Handii開発チームがどのように”はまり”、どのようにもがきながら抜け出してきたか、そして今後目指しているチーム像に迫ります。

この記事でわかること
✔ 長い開発期間後のプロダクトローンチの開発チームへの影響
✔ Handii開発チームの今の様子
✔ Handii開発チームを外から見た特徴
✔ 働く場としてのHandii開発チームの特徴

話し手の紹介

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森 雄祐
株式会社Handii創業者兼CTO/
高校時代から数学に興味があり、大学・大学院では数学を専攻しグラフ理論で修士号を取得。大学院卒業後、銀行にクオンツとして就職し、確率微分方程式を用いたデリバティブのプライシングモデルの構築・プログラミングを担当。2017年に銀行を退職し、現職はHandiiのCTOとしてpaildの開発に従事。
髙橋 耕太郎
2020年10月より株式会社Handiiエンジニアリングマネージャー/
SIerとベンチャー企業にて、3年ほどエンジニアとして経験を積んだ後、Handiiに入社しpaildのフロントエンド領域の開発を担当。フロントエンドとエンジニアとPdMを兼任したのちに、現在はエンジニアリングマネージャーを務めている。組織の中で不足している部分を埋める様に働くことが好き。
渡邊 大輔 氏
2020年2月より株式会社Handiiエグゼクティブコーチとして取締役、CTO、プロダクトマネージャー、エンジニアリングマネージャー向けに、アウトプットでなく成果に焦点をあてたチームコーチングを実施している。ヤフー日本法人広告プロダクト組織戦略責任者、渋谷区スタートアップ支援事業・行政DX推進アドバイザー、大学講師等。スクラムアライアンス・認定スクラムプロフェッショナル。


プロダクトローンチ後、従来の開発スタイルが通用しなくなった。

ーー森さんはもともとCTOとして、エンジニアリングマネージャー的な業務もされていましたよね。

森)ええ。その体制でプロダクトリリースまではやっていきました。

ーープロダクトリリースは昨年の8月でした。これは開発チームにどのような変化をもたらしましたか?

森)端的に言えば、これまでの開発チームのスタイルが通用しなくなりました。具体的には、本来、目標を持って一緒に走っていく”チーム”として重要なのって、”変化”を察知してそれに”適応”し続けること。内部の環境、外部環境も変化していく。それにいかに早く気付けるか、対応できるかということだと思うんです。が、当時はまるで、下手したら「心臓に穴が空いている」状態でマラソンを走っていたようなものだったかもしれない、とすら思います。

ーー走っているのはいいけれど、重要なことを見逃し続けていた?

森)足元の”やらなきゃいけないこと”に追われ続けていました。その真っ只中にいると、「全体感としてなんとなく良くない状態」みたいなのはわかるんだけど、どうして良くないのかとか、どうすればいいのかがわからない、そもそもそういうことを考えるためのリソースを割けない・・・今思えば、そんな状態になっていたんです。”考えなきゃいけないこと”には手も頭もまわせないのに、”やらなきゃいけないこと”の方はどんどん積み重なっていく。そちらに追われる。変化に対する適応どころじゃない。

ーーそれは、つらい状況ですね。

森)はい。僕だけじゃなく、みんな辛かったと思います。

ーーそもそもそのとき、何がいけなかったんでしょうか?

森)そうですね・・・。僕が思うのは、僕自身もそうだし、メンバーのだれもが、こんな”どスタートアップ”をやるのなんて初めてだったんですよね。で、最初は無我夢中でやっていた。”どスタートアップ”を前進させるやり方って、その(無我夢中で走るという)やり方しか知らないわけです。でも何かがまずくなり始めていて、何かを変えなくちゃいけないとなった時に、僕一人のリソースでは対応しきれなくなった。そのとき自然と、髙橋のエンジニアリングマネージャー起用という案が出てきました。

ーーどういうことでしょうか?

森)僕はCTOのままですが、高橋がエンジニアリングマネージャーというポジションになりました。僕がそれまで担っていた「チームマネジメント」に関わる業務を、高橋に担ってもらうようになったんです。具体的には、プロダクトリリースから2ヶ月後の2020年10月のことです。

ーーリリースから2ヶ月後ですね。

森)結果的に、これはとても良い変化を生みました。高橋がマネージャーとしてすさまじく成長したのもあるし、渡邊さんによる信頼できるコーチングもあり、僕自身もようやく、Handiiの開発のことをもう少し上のレイヤーから考えることができるようになったんです。

ーーそこでようやく、開発チームの”今”につながる変化が始まるわけですね。髙橋さんの視点では、この時の変化はどうでしたか?

髙橋)はい。もともとHandii開発チームは、「強い個人の集まり」のチームでした。でもそれが、スタートアップの超初期段階の開発チームとして、非常によく機能していたチームでもありました。個々人がそれぞれに、強かったからです。当時、ユーザー向けの管理画面、KYCやプロセッシングなど、各ドメインはそれぞれに複雑な上に、社内には知見もなく、それぞれがそこにどっぷり浸かって、知見を溜めつつ、開発する必要がありました。”強い個人が集中的に能力を発揮する”、そういう体制であったからこそ、メンバーがそれぞれ自分の役割を果たす事で、会社としてのプロダクトのリリースというひとつのゴールを成し遂げられたんだと思います。

ーーなるほど、それがリリース前の開発体制。

高橋)はい。各人が属人的に担当モジュールを持っていて、自分の領域がくっきり分かれている。ところがそれは、逆に言えば、お互いがやっている詳細についてお互いにあまり知らない、そんな状態でもあったわけです。フロントエンド、サーバーサイド、ほかにも、KYC(法人の本人確認プロセス)、Visaとのプロセッシングなどのドメイン領域でも分かれている。

ーープロダクトリリース後、なにが変わったんでしょうか?

髙橋)実際のお客さんと向き合わなくちゃならなくなったんです。

ーー実際に使う人たちの存在が見えるようになったんですね。

髙橋)そうなると、エンジニア個々人どころか、開発チームで閉じているわけにもいかなくなりました。社内であっても、セールス&マーケティング部やオペレーション部など、お客さんと接するメンバーとのやりとりももっとしていかなくちゃいけない。開発チームの外に出て、社内のいろんな人とより連携してやっていく必要があるし、開発チーム内でも結束を強めないと、要望があった時に、すぐに対応できるという体制にならない

ーー要望への対応ですか?

髙橋)自分がフロントエンドエンジニアだったとして、ユーザーから要望がきていることを知ったとします。これをやるためにはサーバーサイドと話をつけないといけない。でもフロントエンドとサーバーサイドがばらばらの状態では、すぐに連携をとって対応するということができなかったんです。日々の具体的な運用としては、フロントエンドだけでDailyStandupをやっていたり、普段からの会話が少なかった。それを、まずは一緒にDailyStandupをするところから始めました。

ーーDailyStandupを一緒にやる。ちょっとしたことのようですが。

髙橋)はい、徐々にやっていったんです。各々の作業の中身や状態が、お互いにわかるようになっていった。それが第一段階だったと思います。

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開発を一つのチームにする。日々のDailyStandupから少しずつ。

髙橋)すると外の状況が変わったときに、それにきちんと対応できる体制ができたんです。そこから、メンバーの中から「ずっとフロントエンドをやっていたけれど、サーバーサイドをやってみよう」とか、逆に「サーバーサイドをやっていたけど、フロントもやってみよう」という人が出てきました。僕自身も、そういう動きを奨励しながらやっていた。サーバーサイドで特定のドメインしか触っていなかった人も、他のドメインもやってみるとか、そういう動きが出てきた。

ーーそれぞれが閉じた状態から、開かれた状態へ。そうなったことで、メンバーひとりひとりに変化が生まれ、それがまたチームを変えてきているんですね。

髙橋)もちろん、苦労もあります。実は先日もエンジニアが、新しく入ってきてくれたんですが、一応フロントエンドで入ってもらってはいるんですけれど、サーバーサイドもいつかは触ってもらおうというような気持ちでやっていて、いろんなことにオンボーディングしてもらわないといけないので本当に大変です。

ーーそれまでの状況をふまえると、チームの空気としてはかなり大きな変化でしょうね。

髙橋)そうやって開発チーム内で、ドメインや領域を超えて少しずつ混ざり始めているのと、開発の外側の人とのコミュニケーションをもっととって連携しましょうという動きが、リリース後のこの半年間で生まれた、大きな変化だと思います。

ーー髙橋さん自身も変化はありましたか?

髙橋)エンジニアリングマネージャーになる前は自分自身も、フロントエンドが自分の領域だと思っていたし、閉じた中で開発に没頭していた感じがありました。その意味では、ポジションが変わって精一杯やってくる中で、自分自身も大きく変わりました。開発チーム全体、ひいては会社全体、その中での開発チーム、各ドメイン、メンバーひとりひとり・・・という見方をするようになりましたね。

森)今の雰囲気としては、風通しがすごく良くなっていると思います。これは、高橋の功績はかなり大きくて。その背後には、渡邊さんのサポートもありました。

ーー渡邊さんから見られたときに、チーム、そしてエンジニアリングマネージャーに就任した髙橋さんのことはどのようにご覧になりましたか?

渡邊)まず、シンプルに私達がやるべきことは「今何が足りてないか」と「それを誰がやるか」の2点をやっていくということです、髙橋さんは、今私達に足りないところを自分が巻き取っていく行動をとられます。私がHandiiに関わり始めた2020年2月の頃は、髙橋さんはPdM(プロダクトマネージャー)を担っていました。昨年5月のβ版paildリリースされてからはフロントエンドエンジニアとしてチームに貢献し、正式リリースから数ヶ月を機に、エンジニアリングマネージャーへ役割を変化させています。HandiiはPO(プロダクトオーナー)を社長の柳さんが担当されていますが、社長の手が回らなくなったらそこを巻き取って引き受ける、そうした”今チームに足りない部分を発見し巻き取っていく行動”がとても印象的ですよね。

ーーこの1年間を通してみても、髙橋さんは自在に働き方を変化させているんですね。

渡邊)この半年間、髙橋さんがエンジニアリングマネージャーに就任してからは、Handii開発チームの他のメンバーも、髙橋さんを盛り立てていこう、支えていこうという雰囲気があったと思います。髙橋さんの貫いてきた”今チームに足りない部分を発見し巻き取っていく行動”が影響していると思います。チームは単なるマネージャーを求めているのではなく、本物のマネージャーを求めています。高橋さんの行動が、自然とソフトウェア開発の現場において皆さんから必要とされる本物のリーダー像に近づいていったのではないかと思います。

ーーなるほど。渡邊さんがサポートしてくださった部分はどんなところでしたか?

渡邊)CTO,エンジニアリングマネジャーに対しては継続的に組織の状態を可視化し課題を発見するためのチェックを行いながら、その時時に応じた課題に迅速に対応できるようになるための1on1コーチングを実施しています。また、エンジニアの皆さんとの1on1、必要な方には個別でコーチングを実施。プロダクトオーナー向けの研修、スクラムやプロダクトマネジメントの研修を実施しました。髙橋さんとは、クリスマスに独自の経営幹部向けマネジメント研修を実施しました。年末年始にマネジメントをしっかり勉強したいから年内にやってもらいたいというリクエストをいただきましたね・・。

髙橋)無理やりお願いして、クリスマスイブにやっていただきました。

ーーそれがあっての、年明けからの変化でもあったわけですね。

渡邊)そうやって下地をつくっていかれたんだと思います。Handiiっていうのは全体としても、チームに足りないところは補っていこうという意識の強い、非常に良いチームですよね。

髙橋)メンバーの協力というのは本当に大きかったです。

ーー協力ですか?

髙橋)はい。僕がエンジニアリングマネージャーとしてやっていき始めた時に、メンバーがみんな、協力的でいてくれたんです。自分の領域を広げていこうという意欲を見せてくれたこと、チームをこうしたらいいんじゃないか、今どう思っているかといったことを、自己開示してくれたこと。それが僕にはありがたかったです。それに、そういうところがまさに、チームとしてのその後のあり方に結びついていったと思います。メンバーみんなから出てきた能動的な動きが、チームとしての仕事のあり方として具現化して、今の形になっていったということだと思います。もちろん、今だって進化の途中ですけど。

芯の強いエンジニア集団。Ver1.0は終わったと思っている。

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ーーそのHandii開発チームのメンバーというのは、どういう人たちなんでしょうか?

渡邊)CTOの森さんが集められたHandiiのエンジニア集団。私から見ると、非常に”手練れ”が集まってきている印象です。

ーー”手練れ”といいますと?

渡邊)非常に優秀で素晴らしいエンジニアが集まってきているということです。「技術力」はもちろんなのですが、皆さん共通して言えることとして「今取り組むべきこと」に対して無駄がないこと。何がポイントなのかを見極めて達成していく、そのスピード感や課題への向き合い方、技術に対する考え方が優れていて、加えて他部門や他のエンジニアとどのように協力していけばいいか、そういうことを考え、実行できる、そんなスペシャリストの集団だと思います。

ーーなるほど。

髙橋)職人というか、プロというか。僕が表現するとしたらそうなります。自分の仕事に対する一定の芯のようなものを各々が持っている

ーーHandiiの開発チームとして理想はありますか?

森)渡邊さんが言ってくださった”手練れ”揃いのチーム。みんな優秀で、自分の仕事の芯を持っていて。それがHandii開発チームのVersion1.0です。Ver1.0のチーム作りは完成した、と言えると思います。

ーー完成ですか?

森)はい。あくまでVer1.0は。

ーーとすると、次のステップとは何なんでしょうか?

森)次のステップ、Ver2.0のチームで挑戦するのは、連続的な成長ではなくて、非連続的な成長です。採用においてはこれまでも、今いるメンバーより強い人、今のチームをよりよくしていける人をというのはとにかくずっと意識してるんです。でも次のステップはそれだけじゃダメだと思っています。

ーーというと、どういうことでしょうか?

森)もっと属人性をなくしていきたいんです。これは髙橋ともよく話しています。誰でもIssueに着手できる、みんなが常に光の速さで機能をデプロイしていく。そんな世界観がHandiiエンジニアチームのVer2.0の姿です。これには、今できていることとできていないことがあります。Ver1.0で必要なものはほとんど埋めたという気持ちはあります。

髙橋)そうですね、これからはフェーズがちがうというのは僕もそう思っています。メンバーみんなが、誰でも何でもできるんだとなったら、良いなと思う理由があるんです。

ーーみんながコミットできると良い理由とは、なんでしょうか?

髙橋)はい。顧客に対して提供する価値の単位、フィーチャーごとに、開発者が最初から最後までコミットできる体制にできるということです。

ーーなるほど。

髙橋)これまでだと、「こんな機能がほしい」という要望に対して、関係するモジュールごとに開発者がばらばらにいて、「せーの」で1個のものを作るという流れでした。でも本当に目指したい姿はそうじゃない。これから目指すのは、実際にお客さんと話すセールスメンバーに同席して要望を聞いて、一人の開発者が、設計して、開発して、テストして、デプロイして、そしてお客さんの手元に届いて。さらにその機能に関連した問い合わせがきたら、開発したエンジニアが回答を考える。そういう、一つのフィーチャー、一つの価値に対してエンジニアがついて、責任を持って、その価値が届くところまで面倒を見きること。最後までコミットする。そういう体制を目指せると思うんです。

ーーそれは、要望を伝えるセールスやオペレーションメンバーにとっても安心感があるかもしれません。作る側にとっても、メリットがあるんでしょうか?

髙橋)はい。実際にこのアイデアは、メンバーから出てきたものなんです。

ーーそうなんですか。

髙橋)ちょうど会社のフェーズとしても、全社的にOKRの導入が進み全員で高い目標に向かっていくという環境が整ってきています。そうしたときに開発として、何ができるか。開発者個人が”価値”にコミットできる土壌が徐々にできてきているという気がしていますし、開発者がそういうことにコミットできるように後押ししていきたいと思っています。「顧客が本当に必要だったあれ」を作ることのできるチームというのが僕の理想です

非連続な成長と変化を目指すのが、Handiiの”これから”。

ーー渡邊さんはどのようにお考えですか?

渡邊)Handiiにとってのフェーズ1・フェーズ2を少し考えてみたいと思います。

ーー先ほどの「Version1.0は完成した」というお話ですね。

渡邊)はい。フェーズ1は、やるべきことが明確だったフェーズだと思います。プロダクトバックログがしっかり管理されていて、アジリティを持って優先度順に継続的にデリバリーできている状態をつくること。それがCTO森さんの目指すHandiiの開発チームの到達点でした。Ver1.0の完成というのは、それが完成したということだと思います。スクラムでいう3本柱、透明性・検査・適応が一定できるようになったということだと思います。すばらしいことです。ただ、森さんはこれだけではいけないと考えたんですね。フェーズ2で目指すものは非連続な成長であると。

ーーはい。

渡邊)非連続な成長を目指すのであれば、フェーズ1のやり方を続けPDCAを繰り返すだけでは、到達できないと考えたのです。ここで重要なことは明確な”目指す姿”をもつこと。実現するためには、明確な”目指す姿”と”現在地”のギャップを、どのようなプロセスをもって積み重ねていくのかを考え、実行することが重要だと思います。

ーーこれまでとは違った姿勢が必要だということですね。

渡邊)はい。僕はすごく興味があるんですよね。Handiiがどうやってこの山を登っていくのか。

ーー髙橋さんはこの”新しいフェーズに向かうこと”をどうとらえていますか?

髙橋)僕自身の果たす役割について、それこそ”髙橋耕太郎Ver2.0”を目指さないといけないなと思っています。

ーー”髙橋耕太郎Ver2.0”ですか?

髙橋)はい。渡邊さんのおっしゃる通り、エンジニア組織としての一定の型はできて、定着しました。それを改善していくことはずっとしてきたし、やることはできる。でも非連続な成長を目指すにはそれでは不十分なわけです。具体的に考えると必要なのは、会社の中での開発チームの立ち位置、メンバー個人の貢献を、結びつけ、未来に向かわせていくことなんだと思います。もちろん、今ある型を生かしながら。

ーーといいますと?

髙橋)これまでの僕のスタイルは、メンバーひとりひとりが自由に動いてくれたときに、その結果を生かしていくというものでした。でもこれから求められるのは、「こっちに行こう!」「こっちに行くんだ!」と、引っ張っていくようなリーダー像だと思います。理想をしっかりとメンバーに共有しながら、前向きなコミットを引き出していきたいと思うんです。

ーーかなり大きなスタイルの変化になりますね。

髙橋)そもそもエンジニアって目の前の課題に目が向く特性を持っているし、僕自身もそういうところがあります。でも今は、全体として”ジャンプ”が必要なときなんだと思っています。難しいですが、でもだからこそ、”髙橋耕太郎Ver2.0”です。

ーー森さんは、Ver2.0のイメージは、髙橋さん、渡邊さんと同じでしょうか?

森)はい、まさにそうです。個人に焦点を当てて考えると、メンバーそれぞれの機動的な動き、自律的な動きというのが鍵になると思っています。

ーー機動的、自律的ですか?

森)Handiiは「対ユーザー向けの画面やAPI」、「決済(プロセッサー)」、「社内システム(KYC)」という大きな三つのドメインがあって、システム上はかなり独立していて、そのことは良いことなんです。が、エンジニアのメンバーには、これらをもっと統一的に見られるようになってほしいと思っていて。「あの場所になにかある!」となった時、「全員でいけ!」とか「俺行ってくるわ!」というふうに、機動的に、自律的に、柔軟な動きができるようになることで、フェーズ2に行けるんじゃないか、非連続的な変化を起こせるんじゃないかという気がしています。

ーーなるほど。

森)髙橋の言うように、技術的には枠組みを超えながら、横断的にやっていくことができるようになってきました。次に目指すのは、ドメインを横断したメンバーの動きです。

髙橋)ドメインごとに歴史もあるし、難しいは難しいんです。でもそこが橋渡しできるようになると、全然違うと僕も思います。”この領域はある人しか見られない”という状態では、リスクもありますし、タスクの進みも結果として遅くなります。ここが改善できれば、というのが今の僕らの現在地であり、課題ですかね。

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Handiiエンジニアチームに来て欲しいのはこんな人

ーーわかりました。これからのチームを作っていくにあたり、こんな人を求めているというのを教えていただけますか?

森)基本的にHandiiは、今いるメンバーより強い人を採りたいっていうのはずっと意識していることです。でもこれって、「強い人しかいらないよ」っていうことじゃないんですよ。

ーーちがうんですか?

森)「あなたは必ずこのチームで、あなたの才能を発揮することができますよ」っていうことなんです。

ーーといいますと?

森)いろんな組織があるわけですが、Handiiでは「変につぶされることは絶対にない」、それがとても大事なことだと思っています。たとえばフロントやサーバーサイドという枠組みも取っ払っていきたいし、金融に興味がある、けど経験がないみたいな人であってもいいと思うんです。とにかくやってみたいという熱量。チャレンジしたいという熱量のある方は、数多くの方にお会いしていると、必ずいらっしゃるんです。

ーーそれは受け入れる側としては「覚悟」がいることでもありますよね。

髙橋)僕がよく話しているのは、「自分の書いたコードは全部書き直されて欲しい」ということです。

ーーいやじゃないんですか?

髙橋)もちろん・・いやなんですけど、

森)いやですよ!

髙橋)いやなんですけど、「それでプロダクトが成長するなら」って思ったら、すごく嬉しくもありました。つい昨日ちょうどそういうことがあったんですよ。5月入社のメンバーに、僕の過去のコードを直されるという。でもそれくらい強いメンバーが入ってくれるのは嬉しいし、プロダクトがそれで成長していくのなら、全然ありだと思えたんですよね。

森)わかります、そういえば僕もありました。昨年入社のメンバーに、何週間かうちのコードを見てもらった後で感想を聞いたら、「創業者クソコードって感じですね!」って言われて。僕の書いたコードです。正直、「ええ・・」って思いかけました。でも、その手の話っていくらでもあると思うんです。口で言うだけの時点までは。彼の違うところは、そこから実際に手を動かして見事に書き直していったこと。「全部書き直します!」って言って、本当に全部書き直しちゃったんです。

ーー現にやってみせたということですね。

森)彼は全てに対してテストをつけて、実際にそれらを全て書き直してくれた。それがすばらしいところです。

髙橋)プロダクトはそれでまた前に進んでいる。過去のものを乗り越えるって、成長痛なんですよね。

ーー他にはどうですか?

髙橋)Handiiの開発について言えば、技術的にも魅力があると思います。Rustを使っていたり、Elmを使っていたり新しい技術やおもしろい技術を採り入れようと言う雰囲気はずっとあります。働き方もフルフレックスで柔軟だし、自社プロダクトを使った福利厚生制度(参考記事)もあります。技術書や自己研鑽にかけたいお金を、自分に割り当てられた法人カードpaildを使って、支払うことができるという制度です。

森)自分用のAWSの費用を、自分に割り当てられた会社の福利厚生カードで支払っている人もいるよね。

髙橋)自分の実験用AWSですね。

ーーそんなこともできるんですね。

髙橋)プロダクトの魅力もぜひ感じて欲しいです。今あるプロダクトを成長させたい、お客さんもいて、その人たちに良いものを届けたい。そういう気持ちを共有できたらいいなと思っています。paild(ペイルド)って、これからどんどん大きくなって、あらゆる業界のあらゆる会社さんに導入される可能性のあるプロダクトです。自分の知り合い、友だち、家族がお客さんになるかもしれません。そういう可能性のあるプロダクトだと思うんです。それってすごいことですよね。

ーーそうですね。

髙橋)自分の作っているプロダクトでその人たちの役に立ったら嬉しいなって想像するんです。「便利になった」「楽になったよ」と彼らに言ってもらえることを思い浮かべながらやっています。世の中を良くしていくものだから、そこには自信を持ってやっていけます。そういう前向きな思いを一緒に持ってやっていけたら嬉しいです。

ーー渡邊さんから見られて、エンジニアの方がHandiiに入る良い点はなんでしょうか?

渡邊)エンジニアチームの環境だと思います。優秀で共創できるエンジニアがたくさんいて、どんな課題も役割を変えリードしてくれる髙橋さんというマネージャーがいて、CTOに森さんがいて、社内にも優秀なメンバーがたくさんいる。そんなメンバーと一緒に働けるということがこれ以上ないメリットではないかと思います。

ーーメンバーが一つのポイントなんですね。

渡邊)会社の成長段階としてもおもしろいフェーズだと思います。業界からも注目されていますし、Handiiもどんどん有名な企業になるでしょう。そんな中で中核を担っていきたいという方にとってはまたとないチャンスだと思います。

ーーありがとうございます。

渡邊)その一方で、Handiiって不思議と「家族っぽい」つながりもあるんですよね。Handiiのみんなと話しているとほっとする、というような。

ーー「家族っぽい」ですか?

渡邊)僕はHandiiと関わると、そんな温かみみたいなものを感じるんですよ。Handiiって確かに、タフな仕事も多くて、疲れたり、喧々諤々議論することもあるんですが、いい意味で温かいつながりのある会社だなって思うんですよ。なんかねぇ、この会社は意外と「愛」が特徴かもしれませんね。

髙橋)・・・。

森)そんな着地になるとは思わなかった・・・。

髙橋)いろんなことがありますけど、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

森)あとは、ご自分の目で判断していただければ。カジュアル面談でざっくばらんにお話しましょう。

髙橋・森)お待ちしています!

ーー渡邊さん、髙橋さん、森さん、ありがとうございました。

Handiiエンジニアチームの募集

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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