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"Let it go"のすすめ: やめる勇気・手放す勇気

こんまりの「ときめくお片付け」に出てくるトキメキを感じないものとはサヨナラする...この別れが Let it go。また、ぎゅっと握りしめていたもの例えば人だったり物だったりを「離してあげて」。良い子でいた私を「やめて成長しよう」。何かにこだわっていたものを「手放して」。この鍵カッコの表現が Let it go に値すると思う。

そう、アナと雪の女王で歌われていた日本語訳「ありのままで」の歌は大きなメッセージ性としては当て嵌まるけれど英語の歌「Let it go」は全然違うのでネットでも「訳が違う」と多くの方が書いている。以下の文章は歌のみの話で映画の話ではありませんのでご注意下さい。

この歌に全米の女の子達が熱狂し歌いまくっていた2013-14。遅ればせながら去年私はしっかり英語版の歌を聴きぼろぼろ泣いた。これは女の子が自分の過去と向き合い葛藤し力強く前に歩みだす女性(自己)の解放宣言の歌ではないか。「そんなことは誰もが知ってる、日本語版だってそうだ。」そう言わずに後2分お付き合いください。

Let it go, Let it go. Can't hold it back any more 『相手を気にして隠していた私をやめるわぁ〜 もう抑えられない』 とエルサがサビの部分でいう ...I don't care what they're going to say. Let the storm rage on 私はあの人達がなんと言おうがもう気にしない。雪嵐よ吹き荒れるがいい ...It's time to see what I can do. To test the limits and break through さあ私に何ができるかしら! どこまでできるか自分の限界に挑戦し切り開くんだ ...No right, no wrong, no rules for me. I'm free! 正しいも間違いもない、私を縛るものはない。私は自由なのよ ...I'm never going back. The past is the past. 私もう後戻りはしない、隠していた過去はもう過ぎたこと。...Here I stand, and here I'll stay. Let the storm rage on. 私はここに立ち、ここにいるから (私の中にある) 嵐よ来るがいい ...That perfect girl is gone 完璧を演じていた女の子はもういない。

何度もエルサは私はこうなんだと「私」を主張する。英語という言語と米国文化が「私」を中心とした世界観になっているから。呪縛から自らを解放し居場所を確立するエルサ。秘めていた力を隠すのはやめた!というのと共に、女性(己)はこうあるべきというものを Let it go しようと言っていると思う。

女性解放というと古くさっと言われるかもしれないけど日本の男女格差は156カ国中、堂々の120位。中国も韓国も日本を飛び越えていった。日本はいつになったら女性の権利が正しく活用され席を明け渡されるのだろう。たかだか1席2席用意されて女性よ入ってこいと言われても怖くて入れない、入って発言したところでかき消されるじゃないか少数派なんだから。席を握っている権力のある男達、その執着を Let it go して総座席の半分、譲り渡してくれ!!!

日本語訳の歌のヒットはそれはそれで良い。日本語に翻訳すると長い文になるのは当然だし、あれは日本文化を加味した「周りから見た自分」の訳だった。けれどもオリジナルのまま「私を中心とした世界」で歌を伝えようとしていてくれたならば...2014年、日本の女の子達はありのままの自分を肯定し「これでいい」と連呼することから更に三歩深入りした「私はこうなんだ!」と自分の居場所を確立し、権利を取りにいき開拓していく獲得の形になれたのではないか。翻訳家の方が女性と知り益々肩を落とさざるを得なかった。

この歌を聴きながらNHKの朝ドラ、カーネーションを思い出した。あのコシノ三姉妹を育てた小篠綾子さんの実話を元にした強く逞しく生きるドラマ、あれは獲得のドラマだ。2011年、あのドラマにどれだけ多くの人が励まされただろう。コロナ禍で多くの女性、老人、若者や子供など立場の弱い人達が窮地に立たされてもう一年以上になる。「我慢しなければならない」と耐えに耐えてきた人はその気持ちを Let it go して『助けて』と行政やシェルター、きちんとしたNPOに声をあげてほしい。四月も終わりに近づき五月病の時期が来る。僕は、私はこうでなくてはと自分を追い込んできた己に気づいたならば Let it go して楽になってもらいたい。そして親子関係や上下関係などの力関係で力のあるものは、子供や部下を Let it go して独り立ちの機会を考えてもいいのではないか。あの国会に座っている国民の為に働かない方達、その大臣席と官僚席を Let it go し、能力のある若い世代に明け渡す勇気を持ってほしい。これ以上真面目で働き者の国民を苦しめないでもらいたい。

ヨガでいらないものを大地に返すという表現がある。「Let it go」 の歌を聴きながらあなたのいらないもの、私のいらないものを大地に返そうではないか。

Let it go ぜひ英語版を聴いて感じてみてください。


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