見出し画像

外資系企業における学歴なお話

上司、同僚、基本、どこの大学出たか知りません。
えらい人たちの学歴や経歴は、取引先から送ってほしいと言われる事があるので、会社として用意したものがあるのでそれで知っていますが、同じ部署の人達の学歴はほぼ知りません。
たまさか話に出て知る事もありますが、わざわざそれを話題にする事はまったくない環境です。

以前、取引先の日本大手企業で、入社二年目の社員のみなさんに向けて、お話させていただいた事がありました。
テーマは、外資系企業で働くという事。日本企業との違い、そこにいる人達の考え方や価値観の違いなど、お話させていただきました。
その後、懇親会があり、そこでけっこうびっくりしました。
もっといろいろ話を聞きたい、質問があるという方たちが私の所までいらしたんですが、全員、私の前に座るなり、「XX大学卒のXXです」と言うんですな。
え? 卒業した大学、何の関係がある? と思いました。
所属部署や仕事内容(例えば営業とか経理とか)を言うならわかるけど、大学名、私に言ってどーする?って思いました。
本当に全員が全員、それを言ったんで、彼らにとってそれがものすごく重要なアイデンティティになっているのだという事は理解しました。
しかし、社会に出てすでに二年、それでも真っ先に卒業した大学名言うって、よくわかんない。

ここしばらく、外資金融業界で仕事しているんですが、いやもうこの世界、別な意味でびっくりです。
東大、京大卒当たり前、社内、東大卒人口無茶苦茶高い。世の中、こんなにおったんかい!くらいいます。
とある社員の仕事内容がちょっと問題視された時、顧問が「やはり、ここで働くなら東大くらいは出ていないと」なんて言ってて、当時の上司(東大卒ではない)と私で、「我々、この会社では人のあらずな存在ですな」と言い合った事がありました。
ちなみにその会社、東大京大が基本ボトムライン。あとはもう、世界に名だたる難関校、有名校卒がまたぞろいます。
飛び級したとか、すごすぎてWikiに名前が出てるとか、難関校でトップ成績者におくられる賞もらったとか、普通にいた。
いすぎてよくわかんないレベルです。
そもそも外資金融、ハーバード大学卒業、MBAホルダーが普通にごろごろいて、珍しくもなんともないワールド。感覚が完全にマヒして、学歴感覚異世界になりました。
もちろん、日本の他の大学卒業者もいますが、数としては多くはありません。

以前某所で、慶応卒自慢の女性がいらっしゃいました。
いわゆる東カレ女子系列な方で、名声とお金とキラキラしたものが大好き、セレブ指向強くて、「私は慶応卒になりたかったから、がんばって勉強したの」と言っておられました。
志高く大学進学するのはいい事だと思うけど、彼女の場合、学歴はきぬた歯科レベルの大看板、会社でも「やっぱり慶応を出た人は違うのよね」「慶応出た人なら信用できる」「慶応は日本ではトップクラスの大学だから」と言いまくってました。
その彼女が延々慶応自慢語りまくっていた相手の私の上司、東大卒、マサチューセッツ工科大学院卒MBAホルダーで、同じ部署の先輩が「死ぬほど恥ずかしいからやめてほしい、私、あの人のせいで慶応卒って恥ずかしくて言えなくなった」と言っていました。
慶応大学に何の罪もないが、外資系企業で学歴自慢すると、そういう事態になりかねない。
学歴天元突破な世界で、学歴自慢なんかしようものなら即死します。

別の業界の会社の上司は、私立大学卒業でした。言い方悪いけど、有名でもなければ一流と冠のつくところでもなし。
「そこで奨学金取れたから行った」そうでしたが、英語堪能、ばりばりの海外出張ビジネスマンで、欧州企業のダイレクターでした。
某金融企業には、父親の仕事の関係で育ったのがほぼ海外、よって通った学校は全部現地校、日本語などは日本語学校で勉強したという方がいました。
事情はそれぞれ。大学云々ではなく、そこをスタートにしてみなさん、それぞれの道を進み、仕事に向かわれています。
アメリカの大学卒の人も最近はたくさんいらっしゃいますが、よほどに有名な所じゃなければ広いアメリカ、その学校どこにあるの?くらい、我々知りません。
逆に、外国人に日本の大学名言ったところで、よほどに日本に精通した人でもなければわからない。
つまるところ、どこの大学出たかなんて、仕事するうえでは関係ない。
面談の時、レジュメで出した時点で、その役目は終了してます。

最近、知り合いのお子さんが大学進学しました。
それで昨今の日本の大学進学事情を聞く機会を得たわけですが、いわゆる ”良い大学” ってカテゴリーは、私の頃とは変わってしまっていました。
へぇ~、あの学校、今はそうなんだーってな感じ。
ただ、一流大学とかエリートとかって概念はまだまだしっかり存在していて、中にはマウントかけあっている恐ろしい世界も存在するようで。
しかし私、一般社会から完全にアウェイな身、どういう大学が一流で、エリートという呼称がどいういうものを指すのか、さっぱりわからない。
身近に学歴天元突破された人がごろごろいるため、そちら界隈の人の話にうっかり関わってしまうとあらぬ事態を巻き起こしかねないので、話がそちらになった際は全力で離脱するようにしています。
ちなみに、その”身近で学歴天元突破された人々”が学歴自慢、経歴自慢された事はこれっぽっちもなく、さらにそれをエリートカテゴリーする事もなし。
わざわざそんな事する必要ないからでしょう。
その代わり、一部の方には、明らかなる支配層なかほりがむんむんにただよっておられたりします>実際エグゼクティブだったりするし

社会に出た人なら恐らくみんなわかっている事だと思いますが、有名大学出たからって、会社で出世の道が約束されているわけではないし、仕事ができるかどうかの資質にもあんまり関係ない。
ただ、将来どういう仕事につくかを考える時、新卒入社の際には、大学の名前は大きく関わってきます。
高校一年生男子に、「いい大学行けって親はいうけど、それにいったい何の意味があるのかわからない」と聞かれた時、「名のある大学を卒業したというのは、人生の次の扉を開く切符を増やす事になる」と答えました。
二十代半ばになってくると、転職の際、重要視されるのはそれまでの経歴や仕事内容、それに伴う結果なので、どこの大学出たかはそこまで重要視されません。
でもその前段階、社会人になる最初に一歩には、学歴はひじょうに重要視されます。仕事した事のない人達をどこで評価し、判断するかっていうと、まずそこを見るしかないから仕方ない。
先にも書きましたが、外資系金融で働く人々の学歴はわかりやすいほどに絢爛豪華です。
でも、同じ外資系といっても、他の業界は違うし(例えば機械系やIT系、広告やファッションなど)、総務や経理、秘書、事務職といった仕事だったら、そこまでの人はいません(ただし、経理にはCPAホルダーがたまにいます)。
東大一色!みたいな会社もそうあったもんじゃない。

学生時代、無茶苦茶あこがれていた学校があります。
ハーバード大学ケネディスクール https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%8D%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB

まぁ、そりゃもう行かれるわけもないですが、ハーバード大学、ハーバード大学院卒は仕事で山ほど遭遇していますが、このケネディスクール卒業した人には出会った事がありません。
いつかどこかで、この学校の話を聞く機会があるといいなと思っております。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?