【映画】ダンサー イン Paris
『ウェルカム トゥ ダリ』を観た時に予告を見て……という映画館ループです。いいかも、と思ってチラシも手にしていましたし。A4の入るクリアフォルダーを持参するのは、映画館や美術館に行く時のお約束です。
この手の映画は、役者が特別に練習してそれっぽく踊るのか、その道の人が演技をするのか、評価が分かれるところかと思います。この作品は現役ダンサーの演技で予告を観ても違和感なく、期待大で期待通りでした。
もう、腕が映っただけで、ヒトの身体はなんて美しいのだろう、と思いました。この感覚はシルク・ドゥ・ソレイユ以来です。
💃
パリ・オペラ座で踊るエリーズは、公演中に足を痛めて踊れなくなります。10代でバレエから離れた友人のサブリナと、料理人の恋人の出張料理を手伝う中でコンテンポラリーダンスのカンパニーと出合い、自分の人生や人間関係を見つめ直していく、というようなお話です。
これ、そのままキャリアの話じゃない!と思いました。
バレエ(デザイン)→料理人アシスタント(ドリフト)
→コンテンポラリーダンス(再デザイン)
料理は嫌いじゃないし、誘われたからちょっとやってみるか……と漂流しなかったら、コンテンポラリーダンスとの出合いもなかったわけです。やはり流される期間も大事なのですね。
早くに亡くなった母、代わりに支えてくれた父、その関係性も見えます。
怪我で辞めざるを得なかった状況で、一番無念なのはエリーズでしょう。
「辞めちゃダメ。ママのために」
と言う姉妹に反発するエリーズ。祖母も母もバレエをやっていたようですので、母の喜ぶ顔は嬉しかったでしょうけれど、そのためだけに一生懸命踊ってきたわけではない、と気づいた瞬間でしょうか。
「身体を使う仕事は、また人生を考え直さなくてはいけなくなる」
と言う父に、それのどこがいけないの?と反論するエリーズ。私もその瞬間、同じことを考えていました。
うまくいかなくなったな、という時に新しい道を考える。それで良いではないですか。それを許容する世の中であって欲しいですよ。
エリーズ役、オペラ座の現役ダンサーであるマリオン・バルボーのインタビューも是非。クラシックもコンテンポラリーも両方踊る方なのですね。そして可愛い……。
クラシックな曲から一転、ロック(?)な曲に変わるのもカッコ良くて、帰る道すがらずっと頭の中を回っていました。
118分、あっという間に過ぎていきました。
怪我したり、恋人に裏切られたりというのはもちろん辛いです。でも、支えてくれる療法士や友人がいて、新しい人との出会いがあって、また踊れる時がとても楽しそうで。
ちょいと泣かされもしましたが、クスッとするところもあり、もう一度観たいなと思う作品でした。でも、来週は猫映画が始まるのでした。時間がぁ~。
新卒で入った会社の同期に、コンテンポラリーダンスを習っている人がいて、他の同期と発表会を観に行ったことがあります。正直なところ全くわからず、それからコンテンポラリーは敬遠していたのですが、この映画のダンスシーンは力強くて訴えかけてくるものがありました。
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