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茶の湯の美学
── 利休・織部・遠州の茶道具 ──
2024年4月18日(木)~6月16日(日)
10:00~17:00
三井記念美術館にて

1つ前の展覧会『三井家のおひなさま』が終わりかけた頃、近くを通りかかったのでこの展覧会のチラシをもらって帰ろうとラックへ行くと、前売券販売中と書いてありました。

せっかく寄りましたし、ちょうど館蔵品展の入館料が上がるとサイトで読んだところだったので、そのまま受付まで上がって買ったのでした。

タワーから入って、左奥へ進むと本館
重厚なエレベーター
上の表示がレトロお洒落

7階へ。チケット売場もここです。前売券もここまで買いに来ました。
入場するとすぐフォトスポットが。

凄い細工でした
説明を撮影してこなかったのが悔やまれる…
(出品リストにあると油断しました)

次の展示室から展示室3までは撮影不可です。

展示室1(利休・織部・遠州の美意識)

ここはハイライトのように凄い物が並んでいましたが、目を引いたのが重要文化財の黒楽茶碗、長次郎作で銘は「俊寛」。茶碗を3碗送ったら2碗が送り返されてきたので、取り残された茶碗に俊寛と名付けるとは。
(歌舞伎で何度か観ていて良かった!)

そして、伝古田織部所持の大井戸茶碗、銘は「須弥」別銘「十文字」。大きいからと織部が十字に割って継いだという逸話があるそうですが……十文字にパックリと跡があり、漆で継いだのだろうかという線があります。いくつか鎹も打ってあって、もう本当に割れた茶碗に鎹を打つ技術よ!と思います。

展示室2(国宝の名碗)

1碗のための展示室。志野茶碗です。

展示室3(如庵 織田有楽の茶室)

ここへ来て、そうだ如庵を知ってたじゃない……と思いました。サントリー美術館の織田有楽斎展の時にどうして思い出せなかったのか……如庵は三井家所有でしたね。

展示室4(千利休の美意識=「わび・さびの美」)

なんと、この展示室は撮影可。こういう所での撮影は、”カシィッ!”というシャッター音や、ピントが合った時にピロパロと音がするのは、あまり相応しくないなと思いました。

黒中棗 追銘影法師

この棗の隣の隣ぐらいに「町棗」がありました。市中で利休の目に留まったから”町”棗、と説明にあったと思います。誰が作ったか、ではないのが良いですね。

180cmあったという噂の利休が、町を歩いていて
「これ良くない?良くないこれ?良くなくなくなくなくなくない?」
と言っているのを妄想してしまいました。

そして、こちら!

黒楽平茶碗 長次郎

長次郎には珍しい平茶碗、利休が焼かせたそうです。

黒楽茶碗 銘メントリ 伝長次郎

展示室5 古田織部の美意識=「破格の美」

織部、好きなんですよね~。なんたって、松屋カードを作ったのは、ちょうど始まっていた古田織部展を観たいと思ったのですから。
(それまでも「ぐりとぐら」だの「プーさん」だの前売券を買って観ていたので、これなら松屋カードを作った方が安いな、と)

ただ、これだけ集まっていると「ちょっと歪んだから織部好みってことにしちゃえ」ということは起こらなかったのか、心配になってしまいます。

《織部敷瓦》を観て、これこれ、この緑の釉薬~と、静かに大はしゃぎしました。

展示室6 数棗と数香合より

ここは次の大きな展示室に行く前にある、小さな小さな展示室なのですが、ずらりと並んだ各サイズの黒棗が壮観でした。黒大棗、黒中棗、黒小棗、黒一服棗などなど。一服棗は本当に一服分だろうなという可愛らしいサイズです。これだけあると感覚がおかしくなってきて、お茶のお稽古で使ったのはどのサイズだ!?とわからなくなりますが、多分中棗でしょう。

コの字になった最後の列は香合。これがまた、梅の蒔絵がラブリー。

展示室7 小堀遠州の美意識=「綺麗さびの美」

利休の黒、織部の形を観た後だと、綺麗さびとは良く名付けたものだなと思います。

この展覧会では書状が「消息」と表記されていたので、なるほど「消息を絶つ」というのはそういうことか……と納得してしまいました。それにしても「次のお茶会で使うからアレを早く送って」などというお手紙がガラスケースに展示されて、後の時代の人々にじろじろ見られているとは、当人たちは思ってもみなかったでしょうね。

青磁、光悦、有楽斎、この展示。今年は茶碗づいています。

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