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きっと何者にもなれなかったわたしが、書くことでwebライターになれた。それがわたしの #真夜中のインター ネット

わたしにはなにもなかった。

あのとき、わたしが毎日していたことは、

離乳食を作って、あげて
ミルクを作って、あげて
乱闘しながらおむつを替えて
離乳食とミルクのバランスを口うるさく指導されて
歩くより先に箱に登る楽しさを知った我が子を追いかけ回して
棚からぜーんぶ出される絵本や、おもちゃや、服を片付けて
毎度の寝ぐずりに耐えて揺れて
あいまに家事をして、自分のご飯をかきこむ

それで全部だった。

2019年2月。長男生後半年。
いま思い返しても「最もつらかった期間」にトップ3にノミネートされる、悪夢の期間だ。

わたしにはなにもない。
わたしは、空っぽだった。

……

そんななか。
しばし転活していた夫の転職が決まった。

本をたくさん読んで、アウトプットして、学んで、遊んで、いろんな人とご飯を食べていた。

その時わたしの心を支配していたのは……

「ずるい」だった。

わたしは毎日毎日、「そんな暇なんてない」日々を過ごしているのに

あなたは本を読んでいる。創作活動をしている。ご飯を食べる約束をとりつけてお酒を飲んでいる。

「はなも1人で出かけたら?」「本読んだら?」「何か書いたら?」

そう言われても、わたしは空っぽになりすぎていて、趣味もなければ、友達に声をかける元気もなかった。

ずるい。ずるい。ずるい。
……ずるい?違う。

羨ましい。

「わたしもなにか書きたい」


……


noteというサービスのことはなんとなく知っていた。

noteでなら、気軽に書き物を始められるかもしれない。(学生時代、アメブロで挫折経験があった)

でもなにを書けばいいのだろう。
わたしにはなにもない。

しばし考え、息子のイラストを描いて、それに詩やエッセイを書いて添えたらどうだろうかと思いついた。

わたしは、イラストを描くのも、文章を書くのも「好きだった」はず、なのだ。

そこからはもう勢いでnoteに登録した。

いくつか他の人の投稿を見て、最初は自己紹介的な記事を書けばいいのかな…と考えて

はじめての記事を投稿。

今見ると、全く「楽しそう」ではない記事だ。

描いた絵を載せたのも、それっきりだし、そのあとの投稿もまちまち。

だって、わたしにはなにもない。

絵だって、別にうまくない。
文章だって、別にうまくない。

誰が読みにくるというの?
誰がフォローしてくれるというの?

たくさんのフォロワーさんがいて、たくさんのスキをもらっている文章が流れていくホーム画面があまりにも眩しくて

……インターネットの創作って、きれいだな……

遠い海を眺めて手をかざし
またわたしの心は「忙しい毎日」に沈んでいった。

……


カチッ。

そこから私にスイッチが入ったのは、夫が100日投稿を達成したのを見たときだった。

一度寝落ちして更新に失敗して、再挑戦して。とうとうずっと目標にしていた「100日投稿」を成し遂げたのだ。

どんなときも、とにかく記事をアップする!となにやら書いてあいた背中を見ていたからかもしれない。

継続する難しさを、わたしも知っているからかもしれない。

「わたしもやってみようかな」

不思議とこのときは、素直にそう思えた。

ほぼ稼働していなかった「はな」改め「猪狩はな」のnoteアカウントに、ようやく命が灯った。

2020年10月
長男2歳、次男0歳のときだった。

……

あれから2年。

「猪狩はな」のnoteの記事総数は700記事にも及ぶ。

あのとき始めた100日投稿は一度失敗して、3月に再開。そこからは230日続けた。

憧れだった「今日の注目記事」にも選んでもらったし

「読書感想文」で賞をいただいたり、私設のコンテストでも表彰していただいたりもした。

noteで創作を始めたことで「書くこと」が楽しくなり、今年からはwebライターとしてお仕事をしている。

「わたしにはなにもない」

毎日、そう思っていた。
けれどそこから、一歩。

「わたしもなにか書きたい」

書く毎日を選択した日から、わたしの人生は大きく変わった。

わたしの世界がこんなにも言葉で溢れるなんて、思いもよらなかった。

誰のために書くの?
何のために書くの?

「自分のために書いてるんだよ」


なにか書きたい、という、わたしの声に従って、書いている。

なんにもないわたしの日常かもしれないけれど

誰かの心に届いて、ふわっと光が灯ったらいいなって願いを、ほんの少しだけこめて、書くんだよ

毎日、ミルクあげて離乳食あげておむつ変えて子どもを追いかけ回して、自分のことは二の次三の次で走るママたちに、そして……

ーー過去のわたしにーー

ちょっとでも、届いたらいいなって
ちょっとでも、希望になれたらいいなって
ちょっとでも救いになれたらいいなって

いつだって願う

それがわたしの、インターネットの創作。

膝抱え「ずるい」と泣いたあの夜から
ずぅっとつづくインターネット

のやぎさん、えっちじゃない同人誌の発売おめでとうございます!👏❤️

予約させていただきますッッッ!

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