見出し画像

そんぶり、おろし、くっちゃべる。

『そんぶり』とは群馬県の方言で無愛想を意味するらしい。
『くっちゃべる』はいまの年配の方。
私の祖母も戒めの意味で、長話をしていると
『くっちゃべってないで』とよくつかっている。
わたしは学生時代を含め約10年間ほど前橋市に住んでいる。
住んではいるのだが、群馬についての知見は深くない。
知っていることとしては
前橋市街地はノスタルジーの雰囲気が残る商店街があり
ドラマ撮影のロケ地に使用されたり
以前は教科書に地方過疎化の例として掲載されていたのをおぼえていることくらいだ。
わたしは20代前半は東京と群馬を行き来していた。
しかし東京から帰ると、暇な時に市街地を散策していたので
市街には詳しい。

市街地をざっくりと紹介すると、
詩人の萩原朔太郎氏の文学館があり
そこの併設されたカフェで
プライベートで東京の友人とよくランチをしたりしていた。
メニューのトマトとレタスのサンドウィッチは一見、
食べ切れるように感じるられるのだが
具材がぎっしりと入っているため、ボリュームがある。
セットに出てきた茶碗大のコーヒーカップには驚いた。

『アーツ前橋』は市の美術館で
展覧会の鑑賞後。
美術館は立体駐車場となっていて
屋上は静かなので気分転換に、沈む夕日や
関東平野の夜景を眺めたり心のリフレッシュをよくしていた。
併設されているコーヒーショップ『ロブソンコーヒー』
はモダンな雰囲気のカフェ。
日替わりランチプレートはクロカンムッシュが食べやすく
私は好きであった。
外に出ると街路樹に風に流されてきたのか、ピンクの風船が引っかかっている。
アート作品、インスタレーションなのだという。

ミストラルな風(赤城おろし)は北から南へと通り抜けていく。

立て看板を書き、市民運動で歩いたオリオン座通り。
本町通りでは活動終わりの食事に立ち寄った。
笑顔の素敵な店主のおっちゃんのいるラーメン屋『ほんこん』
手頃な価格で食べれるレバニラが絶品で、
タイ屋台飯『セマクテ』は6畳ほどの店で
タイの雰囲気が味わえ、アジアをとても懐かしく感じた。

広瀬川は江戸時代、江戸からの生産品や物資の運搬に使われた川であり
晴れた日の水面に映る柳を見ながら
散歩するのは風情を感じられるため、とても好きである。

記憶は街角で生きていて。
まちかどを曲がれば偶然にふと呼び起こされるものだと私はおもっている。

最近では商店街でも若い方がお店をされていて
活気が戻りつつあるように感じる。
一方では景観保存についての衝突もあるようだ。
変化していく街。
パブリックコメントや対話を通して、住む人達の意見が反映され
景観の行方は決められ、人の営みは続いていくのだろう。

2023.9.14 Hana Tomaru(はなとまる)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?