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三亜の中国人、荒天候下のボートで帰島

隣りのバンガローに泊まっている中国人のYvanは、「中国のハワイ」と称される三亜でダイビングインストラクターをやっている。素潜りで最高四十二メートルの深さまで潜ることができるらしい。

このゲストハウスで既に三十日以上滞在している彼に、翌朝一緒にダイビングに行くかと、前日の夜聞いたとき、彼は、もしよく眠れたら一緒にダイビングに行くと答えた。でもその朝のボートに彼の姿はなく、お昼ご飯にも姿を現さなかった。夕食時になっても彼の姿はなく、一体どうしたんだろうと思っていたら、どうやらその日はマナドへ出かけたらしい。

ブナケン島からスラウェシ島のマナドまではボートで約一時間。私たちの知る限り、ブナケン島には銀行がないため、マナドまで行ってさまざまな用事を済ませて帰ってくる長期滞在者は多い。前日の夜は何もいってなかったから、よほど急用ができたのだろうと、ぼんやり考えた。

しかし、この日は夕方から荒れ模様で、風が強く波が高かった。夕食時になっても戻ってないということは、今夜はマナドに泊まるのだろうと思っていたら、ゲストハウスのオーナー、ルーシーが「Yvanは今、船の上だって」と知らせた。
「え、この海で船の上なの?」と他のゲストも驚いて声を上げた。
どうやらルーシーの弟もいっしょらしく、船でこちらに向かっているというのだ。

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