橋下徹氏が「国民投票」で戦争続行か降伏かを”決めろ”と言う理由ー世論誘導(日本降伏論への布石)の成れの果てか
かつて、橋下徹氏は、大阪市長時代に、大阪都構想をかけて住民投票を行った。
結果は否決だったが、どのような判断がくだされるにしろ、彼は、民主主義においては、有権者の多数がどう判断するかが重要という考えを持っているのかもしれない。
「SNSを持ってない」という、あなたは、橋下徹氏の問題点を口コミで広めてください。家族や友人、恋人、お知り合い、親戚等々に、今、日本は危機的状況にあることを伝えていきましょう。何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
しかし、どのような場合においても住民や国民自身が判断することが正しいといえるわけではない。
昨日、橋下さんは、以下のような発言をした。
橋下徹「ウクライナは今すぐ国民にロシアに全面降伏し吸収合併されるかどうかの国民投票をしろ!」
ウクライナ人に関しては、国民の多くが降伏を願っておらず、ロシア軍が撤退するまで戦う強い意志を持っていると思われるが、日本はどうか。
実際に、日本において有事が起こらなければ、日本人がどう判断するかはわからない。
しかし、ウクライナでもゼレンスキー大統領はロシアとの戦争が始まる前は支持率が20%ほどしかなかったのが、ロシア軍が侵攻してきたのを受け、
「私はキエフにとどまり、ロシア軍が退くまで戦う」
と戦う意思を示した後に、支持率が一気に90%まで跳ね上がった。
このように、危機時は特に、その国の首相や大統領が、どのような判断をするかで世論の流れが大きく変わり得る側面はあるが、国民投票を行うとなった場合、結果がどうなるかはわからない。
国家の首脳の発言には重みがあるが、首相や大統領の他に、世論に大きな影響を与え得る評論家や芸能人、ユーチューバー、その他インフルエンサー、オピニオンリーダーが一斉に、
「我が国はもう絶対に勝てない。諦めて降伏するしかない。今降参したら、被害が最小限にとどめることができるかもしれない」
と主張すれば、彼らの意見に押し流されて、
「降伏(する以外にない)」
という世論がつくられてしまう可能性がある。
私が橋下徹氏を見て抱く危機感はここである。
また、実際の有事の際、マスメディアがきちんと民意を伝えようとするかもわからない。
現在でも、内閣支持率や政党支持率が、本当に民意が反映されたものになっているかどうかは疑わしいところがある。
さらに、そもそも、戦争の混乱時に、国民投票などやっている余裕などあるのかという疑問もある。
いつ何どき、どこを砲撃されるかもわからないのに、投票所を設けて投票してもらうことなど危険極まりない。
オンラインでやるとしても、少なくとも日本においては、普段の選挙ですらオンライン投票が行われていないのに、戦時中だけそのようなシステムを用いるのは現実的に思えない。
オンラインでやれば、サイバー攻撃を受けたり、管理者が数字を操作したりすれば、恣意的な結果に導かれる恐れもある。
何より国民は、有事の際、どう判断すべきか、動くべきかを判断する正確な情報を入手することができない。
戦闘の状況に関して正確な情報を持っているのは、実際に戦争を行っている国である。
民間の報道機関は、戦争に慣れば政府から報道規制をかけられるだろう。それは、自国民を守るためでもあるし、自国が戦闘で有利になり、勝つためでもある。
避難している住民の様子などミクロ的な部分で報道機関が国よりも正確な情報を仕入れることがあったとしても、戦闘状況に関しては当事者である国(軍・防衛省)が多くの情報を持つことになる。
国が持つ情報を全ての国民が入手できるわけではない。国民が判断すべき材料(情報)を持っていないのに、国民自身に判断を委ねるというのは、実にあり得ないことだ。
大阪都構想のように、否決であっても可決であっても、直ちに住民の生命に関わる影響を与えないことであればよいが、一つの判断で、国民の生命や人権問題が大きく左右される事柄について、国民投票で決めてもらうという発想に至ることが、不可思議であるし危険に感じる。
橋下徹氏は、世論に訴えるかけることで衆愚政治(ポピュリズム)を作り出し、いざという時に、国民を特定の方向へ誘導していこうと算段しているのではないか、と勘繰られてしまうのだが、どうだろうか。
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