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スマホアクセサリーで培ったECノウハウを活用し、新事業に挑戦。「Pixio」をゲーミングアクセサリーの総合ブランドへ

9月から始まった代表水島によるインタビュー企画。
コスメティクス事業モバイルライフ事業に続き、ラストとなる今回は、ゲーミングアクセサリーブランド「Pixio(ピクシオ)」の販売を手掛ける『ゲーミングアクセサリー事業』を取り上げます。

指揮を執る事業部長は、入社11年目の内田。
「なぜHameeがゲーミングアクセサリー?」という方も、本記事を通して、Hameeが同事業に取り組む目的やゲーミングアクセサリー市場の現状、今後の展望などについて理解を深めていただければ嬉しいです。

※Hameeは、2021年5月からPixio USA Inc.と日本市場における「Pixio」ブランドの独占販売代理店契約を締結しています。詳細は下記プレスリリースをご確認ください。

圧倒的なコスパを強みとするPixioブランド

ーインタビュアー水島です。今日はよろしくお願いします!

内田:よろしくお願いします!

内田君が入った頃はちょうど東日本大震災の影響で採用時期もイレギュラーだったんですよね。その影響で新卒採用もかなり絞っていて、例年以上に厳しかったように思います。

内田:そうだったんですね。当時は確か一次面接を水島さんに担当していただきました。

―そうそう。内田くんが早稲田大学スポーツ科学部出身と聞いて、これは辛抱強そうだぞと、好印象でした。学生時代の友人はみんな体育会なので(笑)

EC部門マネージャー経験を経て、今年からゲーミングアクセサリーの事業部長になってもらいましたが、正直Pixioの事業譲渡の話が来た時、Hameeでは厳しいかなと思っていたんです。ゲーミングモニターってあまりイメージが沸かないなって。でも、内田君が「できるかもしれない」と言ってくれたおかげで、新事業としてスタートを切ることが出来ました。

内田:Hameeの強みであるEC販売の部分で親しいところはありますし、商材的にも面白そうだからやってみようと思い、手を上げました。

ー内田君自身、EC部門でずっとAmazon店を担当していましたよね。そのあたりの親和性も大きかったですか?

内田:そうですね。商品が良いというのはもちろんですが、当時からPixioはAmazon店を中心にしっかりと日本向けに販売していましたし、一定のブランド認知は獲得できていました。

全くのゼロからのスタートというわけではなかったので、Hameeが持つECノウハウやリソースを活用すれば、もっと伸ばせるんじゃないかという感覚は最初に話を聞いた時からありました。

ーそもそも、どんなものをゲーミングアクセサリーと呼ぶのでしょうか。そして市場全体はどんな状況なのか、内田君の視点で教えてください。

内田:ゲーミングモニターのほかに、キーボード、マウス、ヘッドセット、チェアなど、いろいろな周辺アクセサリーがあります。

モニターに関していうと、新型コロナウィルスによる巣ごもり需要で一気に市場規模が伸びました。シンプルに在宅でのリモートワークなどでモニターを使う機会や、余暇時間でPCゲームを始める方が増えたことで、市場規模及びカテゴリー全体が順調に推移していると捉えています。

今はコロナ禍初期ほどの勢いはないものの、このトレンドはすぐなくなるものではないでしょうし、鈍化しつつも継続して伸びていくと考えています。

eスポーツ市場も拡大していますね。注目度は年々高まっていて、プロリーグを含む大規模な大会が増えました。大会の開催、選手やファンの構造化によって、eスポーツ市場はこれからさらなる拡大が見込めるかなと。

ただ海外に比べたら発展途上で、規模は小さいです。そういう意味で言うと、日本のeスポーツ市場は、モニターに限らず、チャンスがあふれている。PCゲーム人口のますますの増加を考えると、ゲーミングアクセサリー市場はまだまだ高いポテンシャルを秘めていると言えそうです。

(右)PROFILE:水島 育大(みずしま・いくひろ)
Hamee株式会社 代表取締役社長

1982年生まれ。大学卒業後、銀行勤務を経て2008年に入社。CFOとして2015年に東証マザーズへのIPO、2016年に東証一部への市場変更を達成。2018年より事業担当取締役、2020年からはHamee Global Inc.の理事を兼任し、M&A、スタートアップ企業への投資事業にも携わる。

(左)PROFILE:内田雅也(うちだ・まさや)
Hamee株式会社 ゲーミングアクセサリー事業 事業部長
2012年入社。約6年間ECサイト運営に従事し、楽天市場、Amazon等の大手モールを中心にスマホアクセサリー事業を拡大。2018年より、EC部門マネージャーとして部門全体を統括。
2022年よりゲーミングアクセサリー事業の事業部長に就任。全社マーケティング管理及び同事業の事業推進を担う。

ーPixio製品はどんな方に利用していただいているのでしょうか?

内田:若年層を中心に主にゲーマーの方に利用いただいています。中でも、特にフォートナイト・Apex Legends・VALORANTに代表される、シューティングゲームでご利用いただくことが多いです。

他ブランドと比較しても価格帯が安いので、趣味でゲームを始めるという方にエントリーモデルとして使っていただく機会が特に多いですね。

PCゲームをやる上で、モニターはPCの次に必要になるものだと思いますが、学生さんなどの若い方からすると、5万や10万などの価格が高いモニターの購入は厳しい。

その点、Pixioのモニターはスペックに対して良心的な価格設定なので、価格と品質の両立を実現できます。ゲーミングアクセサリー市場でも貴重な存在として認識してもらえているのかなと思っています。

あとは、モニターを複数台使う方もいらっしゃるので、サブモニターとしてPixioを選んでいただくことも多いですね。

―僕もこの前、知り合いから「あれだけのスペックのモニターをあの価格で出せるのはすごいね」と言ってもらいました。ユーザーからそう思ってもらえるのは嬉しいですね。

内田:そうですね、やはり圧倒的なコスパが最大の強みかなと。モニターはスペックと価格で選ばれる傾向が非常に強いと感じています。実際に価格が1,000円違うだけでも、全然売れ方が変わってくるんです。

Pixio製品は同スペックの他社モニターと比べると数千円、モノによると1万円ほど安いものもあるので、その部分で支持されているというのはベースとしてあると思います。

ー競合はどんなところになりますか?

内田:従来からゲーミングモニターなどを展開している大手メーカーなどが競合に該当するかなと思います。直近では、カテゴリー全体が拡大しているので新規参入も多いです。特に中華系メーカーは想像以上に増加しているので、そこに勝っていかなきゃいけないですね。

―一般的に、ゲーミングモニターって皆さんどこで買うんでしょう?

内田:大手メーカーなどは家電量販店にも並んでいたりしますが、購入はECが多い印象です。あと面白いなと思ったのは、ゲーミングモニターにおいて、口コミの持つ力が想像以上に大きいことですね。

Twitterなどを毎日見ているのですが、例えば、誰かの「こういうスペックのモニターを探しているけれど、オススメはないですか?」というツイートに対して、他の人がオススメのモニターを紹介する。それを見たツイート主が「じゃあそれを買います」といった動きがよく見られたりするんです。

あと、有名なYouTuberやブロガーがオススメしているものを購入する方も多いイメージです。

モニターは単価の高い商材ですし、違いもわかりにくいので、自分と価値観の近い人や信頼できる人からのオススメが購買の意思決定に与える影響は、他の商材よりも高いと感じています。

HameeのECノウハウ活かすことで、確かな成長を実感

ー今年6月に発表した中期経営計画では、今後3年間の事業展開について説明しています。特に意識したことやポイントがあれば、教えてください。

内田:まず重要となるのは商品です。
現在はモニターが中心ですが、今後は関連アクセサリーの拡充や、カテゴリー拡張を進めていきます。

具体的にはモニターアームであったり、WEBカメラ、キャプチャーカードといった、ゲーム配信時に使用するアクセサリーの展開を検討しています。モニターも今後は、4Kや有機ELといったハイエンドゲーミングモニターの展開も視野に入れています。

高単価で高品質の商品もブランドとしてしっかり展開していくことで、ブランド力を高めていきたいと思っています。ヘッドセットやキーボード、マウスなどの安価なアクセサリーはレッドオーシャンですが、そうしたカテゴリにもブランド力を付けた上で、参入していきたいですね。

これらの動きにより、ゲーミングモニターブランドからゲーミングアクセサリーの総合ブランドへの変革を目指していきます。

また、さらに事業成長を加速させるために、ゲーミングアクセサリー市場からeスポーツ市場へ事業領域を拡張していく構想も持っています。

ーeスポーツについては、Pixioブランドとして大会の協賛などにも少しずつ着手していますよね。その先ってどんなことができるイメージですか?

内田:今後数年間で、eスポーツ大会やeスポーツ施設、eスポーツチームの運営など、周辺領域への展開を検討しています。

Pixioブランドの根底には、全ての人たちに最高のゲーム体験を提供したいという思いがあり、物販以外の事業を通してもそれは実現できると思っています。

自分たちが魅力的なコンテンツを企画して、そこに人が集まれば自然とお金が生まれる。そんなことも将来的には実現していきたいですね。

そうした中で、今年5月に株式会社TechnoBlood eSports様との事業連携が決まったことは非常に大きいです。

eスポーツに関するノウハウは今のHameeにはなく、1から全て自社で取り組みを行っていくのは難しいですが、彼らと連携することで実現できると思っています。

もちろん簡単ではなく、当面はブランドの認知拡大や販売促進を目的とした動きが中心になってくるとは思いますが、3~5年後、事業として収益化するところまで持っていきたいと思っています。

ー新たな挑戦ですね。次に中計で掲げている数値目標ですが、内田君から見て、どうですか?保守的な数値か、すごい攻めている数値なのか。

内田:今期予算が約7億2,000万円、そこから年25%の成長率で計画を立てています。簡単ではないですが、十分実現可能な数値だと思っています。

Hameeとのシナジーによって、もっと多くの方にPixio製品をお届けすることが可能だと思いますし、iFaceのような既存ブランドを日本向けにしっかりと展開して成功させた体験もあるので、そこを活かしながら、物販だけでも今以上に上を目指せるかなと思っています。

ー今期半年間を振り返ってみてどうですか?感触とこれからの見通し、直近での新しい動きなどもあれば教えてください。

内田:昨年は半導体不足などによって商品の仕入れができなかった苦しい時期もありましたが、今年に入ってからある程度解消されました。売上は計画以上の数値で推移しているので、今のところうまくいっていると思っています。

ただ、円安などによる材料価格の高騰などの逆風もあるので、直近で大きな問題は起きていないものの、そこは油断できない状況です。

今期、Hameeが持つECノウハウを活かすことで事業として大きな成長を遂げることができたのは、とてもポジティブに捉えています。

分かりやすい動きでいうと、楽天市場やYahoo!ショッピングなどへの出店成功、さらに7月のAmazonプライムデーでも大きく売上を伸ばし、「Amazon.co.jp 販売事業者アワード 2022」のカテゴリー賞を受賞することもできました。

決してすごい難しいことをやっているわけではなく、Hameeが今まで当たり前のようにやっていたことを一つ一つ丁寧に再現している形なので、今後もそういった施策を愚直にやっていけば、一層成長できると思っています。

直近では自社サイトのリニューアルも進めていますし、商品の品質管理やカスタマーサポートなどももっと高いレベルのものにしていきたいです。

あとは、ブランディングですね。「Pixioってどんなブランド?」とユーザーに質問したら、きっと今は「コスパが良い」と回答する人がほとんどだと思います。

引き続きそこはベースとして持ちつつも、それ以外の価値をどのように強めていくのか、もしくは新たに作るのか。そこが課題かなと。こういったブランディングは、iFaceなどの各種ブランドでも自分たちのリソース内できちんとやれている部分なので、Pixioでも再現していきたいです。

ーSNSを見ると、「Pixioの修理が早い」「サポートが丁寧」といった、ユーザーさんの書き込みをよく見かけるのですが、こういったサポート対応の質も強みの一つでしょうか?

内田:そうですね。コスパの次の強みはなにかと言われると、高いカスタマーサポートレベルかなと思います。

保証期間は3年間。カスタマーサポートだけでなく修理も内製でやっていて、極力モノが届いたその日にできる限り対応しています。ゲームやモニターの知識がある社員の迅速で丁寧な対応は、大きな強みと捉えています。

あと、Twitterなどで気になるPixio製品のつぶやきを見つけたら、自分たちから率先して対応したり、社員が顔を出して発信したりもしています。

直接お客様と近い距離感でコミュニケーションをとることで、今後もブランドへの愛着や共感、信頼を高めていきたいです。ファン同士が一緒に楽しめる、そんなコミュニティのようなものも作っていけたらいいですね。

ー現在はEC展開のみですが、卸販売の予定はないですか?

内田:もちろん検討はしています。店頭の棚を勝ち取ることは、日本市場でシェア拡大を目指す上で非常に重要なポイントになるからです。

ゲーミングモニターでも、大手メーカーなどは店頭に並んでいて、認知につながっている部分もあると考えています。その点、Pixioはユーザーとリアルなタッチポイントがないので、課題の一つですね。

直近の事例ですと、Hameeが出資している株式会社TechnoBlood eSports様が運営する一部のeスポーツ施設にPixio製品を導入するといった事例を作ることができました。

そうした事例を今後いかにして増やしていくか。リアルでPixio製品に触れられる機会をどう創出するか。卸販売も視野に入れて考えていきたいです。

HameeとPixio、シナジーを生みながらチームとして成長

ー次に組織について教えてください。ゲーミングアクセサリー事業チームは、Pixio Japanからの移籍メンバーがいたり、成り立ちが特殊だとは思うんですが、状況はどうですか?

内田:今期に入ってHameeメンバーも増えて、PixioメンバーとHameeメンバーが半々くらいになりました。

Pixio Japan時代のやり方、築き上げてきたものはもちろん大切にしながらも、Hameeが持つECノウハウやリソースをどのように活かしてスケールさせていくか、その点を常に強く意識しながら運営しています。

ただ、商材の特性上、販売部門もカスタマーサポート部門もゲームやモニターの専門知識が求められる場面も多く、その点はPixioメンバーにサポートしてもらっています。特にカスタマーサポートは現Hameeメンバーだけでは出来なかった部分なので、彼らの存在は非常に助かりました。

また、EC担当、カスタマーサポート担当、PR担当など、領域ごとに分かれていますが、ある程度流動的に全員が全ての業務を行えるように意識しています。

―逆にPixioメンバーがHameeから何か教わることはあるんですか?

内田:Pixio Japanに比べるとHameeは大きな会社です。Pixioは属人化でやっている部分がまだまだ多くあります。安定した成果を常に出せる組織を目指し、業務のマニュアル化・標準化は積極的に進めています。

また、Hameeの資本力があれば、Pixio Japan時代では考えられなかった規模の大きなチャレンジも可能です。そうした経験は、今後彼らの成長に間違いなく繋がると思います。

―いい感じですね。規模の大小はあると思いますが、イチ部署のマネージャーだった頃と比べて事業全体を回す感覚はどうですか?やっぱり違う?

内田:販売、商品企画&開発、物流管理、品質管理、カスタマーサポート、マーケティング、ブランディング、デザインなど全領域に携われるのは面白いですね。

単純に自分が今までやったことのない業務に触れられるので、自分自身の成長につながっている実感があります。例えば、カスタマーサポートなども入社一年目の頃は僕もやっていたのですが、今現場に入って対応してみたりすると、日々新しい発見があるので新鮮でとても楽しいです。

ー最後に、意気込みを聞かせてください。

内田Hameeのノウハウやリソースを活用して既存ブランドを成長させる―。Pixioが、そうしたビジネスモデルの成功例となれば、他ブランドやカテゴリーにも拡大していけると思うので、まずはしっかりとPixioブランドを成長させていけるよう頑張っていきたいと思います。引き続き、応援よろしくお願いします!

ー本日はありがとうございました!

インタビュアー水島 編集後記
最初に事業譲渡の話をいただいた時、Hameeでは無理なんじゃないかと思っていたので、現在の状況に正直驚いています。

内田君個人としてのEC経験はもちろんですが、Hameeがこれまで培ってきたノウハウが商材を変えてもこうやってちゃんと活きるんだなという可能性を感じることができて、とても嬉しいです。

また、別々の組織が一つになるのは難しい面もたくさんあると思いますが、Pixioチームはそれがとてもいい形で実現できていると感じました。互いの良いところをミックスしてシナジーを生みながら同じ組織として成長するスタイルは、今後のいい事例になるんじゃないかなと思います。ますますの成長を期待しています。

おわりに

筆者はゲームとは無縁の人間ですが、SNSなどを見ると、Pixioは本当に多くの方に愛されているブランドだなと改めて感じます。

それはきっと今までブランドを育て続けてきたPixioメンバーの頑張りがあったらこそ。そこに内田さんをはじめとするHameeメンバーがジョインし、Hameeのノウハウを活用することで、今Pixioブランドはこれまでにないスピードで成長しつつあります。

皆さまにより最高のゲーム体験をお届けするため、まだまだ発展途上ではありますが、今後はゲーミングモニターだけではなく、ゲーミングアクセサリーの総合ブランドを目指してまいります。今後ともPixioブランドをよろしくお願いします。

◆記事を書いた人

執筆者PROFILE:高倉 裕直(たかくら・ひろなお)
広報・会社イベント担当。 静岡の片田舎でのんびり暮らし。ペットのコザクラインコと音楽が大好き。最近は娘が生まれ、ドタバタしながら子育てを絶賛エンジョイ中。

◆コスメティクス事業、モバイルライフ事業の記事も掲載中!


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