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投資事業はわらしべ長者!? 投資事業立ち上げの苦悩と、原動力の「ありがとう」

こんにちは、Hamee株式会社で投資事業を行っている下薗(しもぞの)です。私は2020年8月に事業化した投資事業に関わっており、特にベンチャー企業と連携したオープンイノベーション創出に力を入れて活動しています。

投資事業立ち上げ時はベンチャー企業との接点が全くない状況で、どうやったら良い起業家に会えるのか試行錯誤の日々でした。徐々に社外の方とお話させていただく機会が増えて、ベンチャー企業のギリギリで突っ走る姿勢に日々刺激を受けています。

投資事業をゼロから立ち上げたことは世の中的にも経験者は少ないと思うので、稚拙な文章ですがこの1年間の投資事業、ベンチャー支援に対する想いを一度吐き出してみようかと思っています。

自己紹介

Hameeでは「しもぞのさん」とか「ぞのさん」とか呼ばれています。小田原で社会人になるまで育ち、地方や都内での社会人生活を経験して、地元小田原に職場を探す形でHameeにジョインしました。

経理部門で1年半くらい米国の子会社管理や連結決算業務を経験して、一人で会社決算を締められる謎の喜び(笑)を得ていたのですが、それも束の間、投資事業を本格化するにあたって、立ち上げメンバーとして部署異動しました。

経理時代から新規事業の業務プロセス構築に関わっていたので、投資事業立ち上げの傍ら、新規事業のプロジェクトにも参加させてもらっています。今は2021年2月に販売開始したHamicPOCKET(はみっくポケット)とコラボできそうなベンチャー企業と一緒に協業検討などをしています。

2021年4月からは神奈川県のベンチャー支援事業に採択いただき、WeWorkオーシャンゲートみなとみらいでベンチャー企業の方々のご支援に関わっています。

普段の仕事

普段の仕事のほとんどは「起業家を探し、起業家に会う」という名のもと、飛び込み営業マンみたいなことをやっています。

WeWorkに入居されている起業家さんのお話を聞いて一緒に新しいアイディアで盛り上がったり、一緒に何か出来そう!と思える企業さんとは協業検討もしてみたり、起業家さんたちが集まるイベントに自分も足を運んでみたり。

こういった草の根活動を続けながら、最終的にHameeと良い関係が築けそう!と思った会社さんとの出資検討をし、「起業家と一緒に何かを創る」というスタンスで取り組みを進めています。

【取り組み例】
・環境系スタートアップ企業と一緒にHamicPOCKETとのコラボイベント企画
環境省が関わっている事業でもあり、Hameeの新しい事業アプローチに繋がればと思っています。

・社会課題解決型スタートアップ企業への出資
まだ出資件数は少ないですが、さまざまな夢の実現を目指すベンチャー企業にHameeが伴走することで、Hameeだけでは実現できなかった新たな価値の創出を目指しています。

ここが大変!投資事業!

新規事業や協業連携は、既存事業と全く違う思考回路とエネルギーの使い方が求められます。慣れるまで本当に大変です(最後まで無理だったという話もよく聞きます)。

既存事業との比較という意味では一切なく、別の国にいきなり連れてこられて知らない言葉と食事で生活が始まる、そんな感覚。新規事業に携わったことがあれば、共感していただける方は多いのではないかと思っています。

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社内からも普段何やっているのかわかりづらいとか、投資事業って投資する以外に何しているの?とよく聞かれるのですが、実際にサービスを開発したり提供しているわけではないので、正直フワフワしているなーと感じることが多いです。活動中のものは外部公開前にシェアできないですし、忙しい瞬間に忙しい理由を話せないもどかしさは結構あったりします(笑)。

上手くいったことも上手くいかなったことも、できるだけすべての取り組み結果を社内に伝え、実際の事例から「あーこんなことしてるんだ」と思ってもらえたらそれだけでも嬉しいです。

Hameeの投資事業はこんなことやっています

簡単ですが、Hameeの投資事業を世の中的な視点も交えて整理してみました。Hameeが行う投資事業は、業界内ではコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と呼ばれています。

事業会社がCVC事業を立ち上げる目的も運営方法もさまざまです。主な運営パターンとしてはざっくりと4つあります。

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Hameeの投資事業は上記でいうと①で、②、③、④に比べてメジャーな手法ではないです。

ベンチャーキャピタル(VC)等の外部に委託せず社内メンバーだけですべて行っているため、
・ソーシングと呼ばれる起業家探し
・デューデリジェンスと呼ばれる企業価値評価
・経理的な話や法務的な話

を自分たちで理解、整理しながら進める必要があります。難易度がめっちゃ高い……。

とはいっても大変なことばかりというわけではなく、外部から「投資専用のお金を集めて運用します」というプロセスをとっていない分、他の出資者への配慮や投資期限に縛られにくいので、意思決定は相当やりやすいです。

私たちの提案力でほとんどの意思決定が決まってくるので、成功のやりがいも失敗の悔しさも人一倍だと思って日々の仕事に取り組んでいます。

投資事業なんだけど投資だけがすべてじゃない

Hameeの投資事業を立ち上げたきっかけは、「Hameeに新たな熱量を取り入れ、既存事業の変革・新規事業創出をさらに加速させること」です。

投資事業という言葉どおり、出資行為や財務リターンの獲得はもちろん大切にしていますが、それと同じくらいにHameeのすべての社員の想いであるクリエイティブ魂に火をつけるための事業だということを伝えたいです。

投資事業も実際に始めてみるとたくさんの気づきがあって、「投資事業なんだけど投資だけがすべてじゃない」と実感することが増えています。

Hameeの投資事業の狙いは、自社にはないリソースとの連携による新たな価値の創出なので、ベンチャー企業のサービスを使ってみるとか、Instagramを使ってライトなPRコラボから始めてみるとか、そういった「出資の手前」の文脈をしっかり捉えるのが遠回りなようで成功への近道なのかなと実感することが多いです。

【InstagramPRコラボの例
◆株式会社ウンログ様
便は体のお便り!腸活アプリで便秘解消!親子でできるゆる腸活のススメ

◆株式会社トラーナ様
知育おもちゃが定期的に届く!話題のToysub! 使ってみた!

オープンイノベーション業界のプロフェッショナル、Innoscouter川島さんが整理されているオープンイノベーションの手法整理を見ても、やっぱり出資の手前の連携って重要なんだなと再認識しています。

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▲出所:Innscounter.Incより引用

とあるベンチャー企業の方と雑談をしていたとき、「良いVCはわらしべ長者だよね」とお話されていたのが強く印象に残っています。「出資」というカードだけでなく、様々な知見、人脈を提供し、起業家から信頼されていく。私が目指す理想の姿がそこにありました。

出資に限らず広いスタンスを持つことで、出資相談⇒協業検討、協業相談⇒出資検討のような形で、起業家さんとの出会いが増えることはとても良いことだと思っています。

出資という行為の分かりやすさに助けられる場面があったり、協業から入ることで緩やかに起業家さんとつながることができたり、単純な協業先検討より多くの起業家さんとの接点が生まれるため、HameeからのGIVEのアプローチが増えているなと実感します。この流れでHameeの投資事業をもっと成長させていきたいです。

私の原動力

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最近、私の仕事は「出会い」に価値を創る仕事なんだなと思っています。出会いに価値があるからこそ、良い起業家に出会えることの貴重さを身を持って実感できるし、「ベンチャーファースト」「ギブファースト」「バリューアップへの貢献」という明確な軸が自分自身に生まれていると実感しています。

そういった意味で投資事業は「本当に応援したい」と思える起業家に深く寄り添える仕事だと自分としては思っています。もちろん思い通りにいかないことの方が多いですが(笑)、すごく尊い仕事だなと常々感じています。

「社会を変えたい」というような崇高な夢を持てなかった私に、目の前の起業家の方々を支えることで起業家の皆さんと同じ夢を見る機会をいただけて、なんだかそこに言葉にできない熱い想いを抱いています。

「ありがとう」は私にとっての原動力です。この言葉があるから走り続けられる。相手がいないと成立しない仕事であるからこそ、出会う方々おひとりおひとりを大切にし、求められるものを考え、何かをプレゼントしたい。そこから生まれる「ありがとう」が明日の自分にバトンを渡してくれていると思っています。

目の前の人を支えることで社会が彩(いろどり)をもって変わっていく。
そこに私のDo what you loveがあると信じています。

◆記事を書いた人

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PROFILE:下薗 徹 (しもぞの・とおる) 
小田原育ち横浜住まいの1児のパパ。アニメとYoutuber動画鑑賞が生きがい。学校の先生になるつもりが、巡り巡ってHamee投資事業、神奈川県のベンチャー企業支援を行っています。地方から起業家を生み出す活動を行っていきたいです。




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